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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
386/473

第386話「ゴーストロガノフとの話し合い」

明日追記します!

(このパターンばかりですみませんorz)

12/13追記しました。

「ビーフストロガノフ」

「…。」

 ただ言いたくなっただけ。ネガティブータはポジティブータなんて名前を間違われたら怒り出したのでこいつもそうじゃないのかなーなんて思って試しに言ってみた。結果は無反応か。

「私と戦うか?」

「…ふふっ。何をおっしゃっているんですか。今、ここであなたと戦う必要なんてないでしょう。」

「あっ! ビーフストロガノフって言った後に私と戦うかって聞いて反応した! やっぱり名前はビーフストロガノフだったんだー!?」

「私の名前はゴーストロガノフです!! そういう子供が言いそうな事を言って楽しいですか!?」

 おっ! それそれ。そういう反応が見たかったんだよね。なんだ、やっぱりこいつも名前を間違われるのが嫌だったんだな。そしてこの声の奴がゴーストロガノフっていうのは特定できた。


「まったく。こんな程度で怒鳴るなんて。大人になりなよ。」

「ぐっ。はぁ。流石魔者ですね。私のペースを乱すなんて。」

 魔者、魔者とうるさいなあ。私は自分を魔者だなんて認めていないし!

「私、実は魔者じゃないから。無理矢理魔者にされただけだから。」

「大丈夫です。それが普通です。」

 …ふーん。魔者っていうのは代々無理矢理押し付けられるようなものだったということか。こんなのは、やりたい奴にやらせればいいと思うんだけどなあ。

「それじゃあこれならどうかなっと。」

 私は、錬金術士の杖を取り出した。


「…おい、どうしてビーフがいるんだ。」

 ビーフ言うな。吹き出すところだっただろ。ゴーストロガノフには、錬金術士の杖から聞こえる声は届いていないみたいだから良かったものの。ネガティブータを倒したら今度はこいつが出てきたんだよ。完。

「おっ。ブヒーンを倒しやがったか。お疲れ。」

 ブヒーン言うな。吹き出すところだったろ。そんで、姿も見えないのにどうしてゴーストロガノフがいるのが分かるんだ?

「霊体でいるんだろ。お前もうちょっと気合い入れればこいつの姿を見れるようになるはずだ。」

「先ほどから、何か笑いをこらえているようですが、どうしました?」

「なんででしょうねビーフさん。」

「!? 私の名は! ゴーストロガノフと言っているでしょう!」


 あっ。またキれだしたぞ。全くもう。こんな程度で怒るなんてなあ。お前がからかいすぎたんじゃないのか?

「そいつ、元々は牛だったからな。それが幽霊になったようなもんだから、ゴーストロガノフなんだよ。いやぁ、実に良い名前だろ。ネーミングセンスありありだろ?」

 ほほう。確かにセンスがあるかと思ったけれど、ビーフって牛肉のことだろ。牛はカウだろ。なのにゴーストロガノフって、牛肉のおばけかよ。ぷっ。フフフ。

「アハハッハハハハ! ヒヒヒヒ!」

 なんだよ。牛肉の幽霊が喋っているとか何の冗談だよ。ゴーストロガノフって名前の響きとさっきまでの態度のせいでラスボスのように思えていたのに、お笑い担当にしか聞こえなくなってきたぞ。


「突然笑いだして何を。」

「まぁ笑っちゃうよな。というわけで俺はここらで退散するぜ!」

あ…こいつ。まだ何も聞いていないところで消えやがった。相変わらず役に立たない奴だなあ。

「何でもない。それはさておき、私はお前らクロウニンを全員倒すつもりだから、お前のために動くつもりは毛頭ないぞ。」

 こいつらが存在している限り、いつも狙われ続けると言う重圧の元に<アノニマスターオンライン>をプレイしないといけなくなるので、そういうのとは無縁になりたい。

「平行線ですね。でも私はあなたと争い合うつもりはありませんので、どうぞ他のクロウニンの方のところへ行ってください。この場は一旦引きます。」


 一番面倒くさいパターンな気がするなあ。こいつの性格上、私が他のクロウニンを倒した後で最後に襲い掛かってくるだろうし。あーさっさと倒したいなあ。なんとかならないもんかなあ。

「はぁ。こういうタイプって、人を泳がせておいて最後に手柄をかっさらっていくタイプなんだよなぁ。私が他のクロウニンを倒した後で何かしようとしてそうだし。」

「思いっきり聞こえているんですがいいんですかそんなことを言って。」

「別に構わないって。お前みたいな奴は絶対に自分が都合よくなる方向に動こうとする小賢しいことしかしないんだから。」

 どうせこっちが何をしたところでばっちり暗躍しているのがオチだろうし。こういうことやってくるんだろってことを直球で言っておく。

「まさか。私がそんなことをするわけないじゃないですか。」


 とまぁ、こんな感じで息を吸うように嘘をつく奴なので、最後は卑怯な罠で私を陥れようとしてくるに違いない。

「そうだよね。牛肉…じゃなかった。ビーフがじゃなかった。まぁえっとそういうことしないよね。」

「ええ。ちょっと肉から離れたほうがいいんじゃないですか?」

 怒気を含んだ声を発するゴーストロガノフだった。牛肉系のキーワードを使うとイライラするってことだな。連発したらなれてしまうのかもしれないけれど。

「そんな細かい事は置いといて、ここはどこなの?」

「ダンジョンですよ。私の力で作ったダンジョンでです。」

 つまり、私はネガティブータのダンジョンからは脱出したけれど、今度はゴーストロガノフのダンジョン内に閉じ込められてしまったということか。


「ああ、引き籠るためには便利な力だね。」

 ダンジョンを自由自在に作れるんだとしたら、絶対に自分の身の安全を第一に考えて作るなあ。好き勝手にやったら、自爆しそうな気がするし。

「ここから二度と出られなくなってもいいんですか?」

「それで脱出されたら恥ずかしい思いをするのはお前だからね? そこまで自信あるのかな? 二度と出られないなんて威勢よく言ったのに脱出されたらどんな気持ちになるのかな?」

 ゲームではそういう、無理だと思っていた事をゲーマーが突破してしまうことが多い。こんな奴絶対倒せないなんて展開なのにも関わらず、倒してしまうという事態が発生する。


 私は、無理と言われたのに出来るようになることが好きだ。出来ないなんて散々言われたことなのに何度も創意工夫をして出来るようになって、相手が驚く姿を見るのが大好きだ。

「へぇ? ならば試してみましょうか。あなたがここを自力で脱出できるかどうかを。」

「おっ。いいねぇ。受けて立つよ。」

 やった。こっちは何も失うものがない状態で挑戦を受けることができた。

「では。あなたがここから脱出できなかった場合、降参した場合はどうしましょうか。あなたの仲間の命でももらい受けましょうか?」

「何ふざけたこと言ってんの? そんなの許すわけないでしょ。」

 突然何を言ってるんだこの声は。私が不利になるような約束をするわけないだろう。

「おやおや。自信がないんですか?」

「うん!」

「…。」


 なぜか黙るゴーストロガノフだった。私はこういう時に出来る! なんて事を簡単には言わない。勢いに任せで出来るなんて言っても、確実にできるなんてことではないからだ。確実にしようと心がけるけれど、想定外の事なんてしょっちゅうあるので、それを考慮したらできるなんて言わない。

「そんなわけで、私がここから脱出できなくて諦めても私の仲間の命はとらないで、私がここから脱出できたらお前だけ恥ずかしい思いをすると言う約束で行こう。はい決定。」

「そんな横暴な! あなただけなんのリスクも背負わないなんて狡いですよ!」

「どこが。私はか弱い般若レディ。お前は凶悪なクロウニン。これだけ差があるのに何を言ってるんだよ。」

 全くこいつは何も分かってないなー。私はか弱いんだから、これくらいの条件くらいでいいじゃないか。


「どこからどう見てもか弱く見えないのですが。」

「目がないからじゃ?」

「いえ、目はあります。か弱く見えません。」

「あー。そういういいからさ、さっさと始めようか。」

「ちょっと! いきなり始めないでください! まだ条件を飲むなんて一言も言ってませんよ!」

「そんな些細な条件も飲めばいいのに。ゴーストロガノフって小者だったんだなあ。」

 もっと、俺様は最強なんだぜみたいなブッチみたいなノリで、不利な状況でも約束をしてくれるくらいの度量があってもいいんじゃないのかな。

「この私が一方的な契約をするわけがないでしょう。契約は公平に行うべきです。」

「んー。じゃあゴーストロガノフはこんな小さなことでもいちいち契約とか言い出す小者だったって世界中の人間に伝えておくからね。」

 ただ伝えるだけだ。ただこういう契約がありましたってことを周囲にお知らせするだけで、こいつの話題は広がっていくだろう。当然私もそんな一方的な契約を結ぼうとしていることを叩かれるかもしれないけれど、そんなのは関係ないね! 私は自分に都合のいい方向に進むのが好きなんだ!


「はぁ。付き合いきれませんね。」

「断ったら、こんなことも断るんだって伝えよう。」

「あぁー! もう分かりましたよ! いいですよ! ここから頑張って脱出してみてください! どうせ出来ないと思いますけどね!」

 やっと折れたか。まったく、クロウニンなんてすごい集団に入ってるくせに小心者っぷりを見せるんじゃないよ。

「やった! クロウニンのゴーストロガノフ相手に一方的に契約を結ぶことができたって後世まで語り継がれるかもしれない! 嬉しいな!」

「はぁ!? 何言ってるんですか!?」


 こいつは私の煽りに付き合いすぎだなあ。頭の回転とか良いんじゃないかと思ったけれど、実は大したことなかったということか。

「ここから脱出したら、さらに凄い、天才って褒めたたえられるかもしれない!」

「そこまで言うならやってみてください! この私のダンジョンを抜け出せるわけがないでしょう!? やれるものならやってみてください!」

「おっけー! それじゃあやってみる!」

 私は転移石を取り出す。ネガティブータのダンジョンにいた時は使わなかったけれど、これ多分使えるんじゃないのかなって思っていたのでやってみる。駄目で元々ってわけだ。


「転移! 神殿の辺りへ!!!」

お!? 転移石が光って…。これならいけるか!?


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