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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
382/473

第382話「ネガティブータと相撲」

明日追記します!

12/9追記しました!

「うりゃあああ!」

「ブヒイイ!?」

 私が土潜りを解除した位置の上には、ネガティブータの首があった。これはチャンスと思い、そのまま上向きにしていた鎌で斬り裂いてやった。こりゃあ僥倖だったな。

「ヘルブレス!」

「げっ!? 狐火!」

 鎌で斬った頭以外のネガティブータが口から黒い炎を吐いてきたので、私も口から狐火を吐いてやった。威力はほぼ互角のようだったが、若干向こうの方が強かったようで、少しくらってしまった。くそう、こういう少しの差が実は大きな問題になってくるんだよな。


「逃げたんじゃなかったのか? 魔者あ!?」

「戦略的撤退ってね! ほいほいほいっと!」

 軽く挨拶として火薬草を投げつける。近頃は本当に威力不足になってきた感が否めないけれど、まだまだ、役に立ってくれている。大量にあるからいくらでも使い放題だしね!

「のこったああ!」

「ふっふっふ! その程度の力かぁ!? ブヒヒ!?」

 ネガティブータは、ブッチの体当たりを軽く受け止めているようだ。まさかブッチがパワー負けしている!? クロウニンともあればやはりそのくらいの力があるということだろうか。


「死ねブヒイイ!」

「うおおおおお!」

 ネガティブータがその巨体でブッチを押し潰そうと仕掛ける。ブッチはそれを気合いで防ごうとしているがどんどん体が傾いていってる。このままじゃ本当に倒れてしまう。ここで助け舟を出そうと思った時だった。

「い、いいぞっ! ぎぎぎぎ! やっとこさ! 本気でぶつかり合えそうだああああ!」

 倒れる寸前で、ブッチは、全身を震わせながらネガティブータを押し返そうとしていた。いやいや、なんだよそれ。っと! 私は私でこの光景をつったってみてないで攻撃を…。ああ駄目だな。これ、ブッチが楽しんでいる。普通ならここでネガティブータに攻撃するけれど、楽しんでいる所を邪魔しちゃいけないなあ。


「んぐぐぐ! へへへへ! どすこおおい!」

「ぶっ!? ぶっブヒイイ!さっさと倒れんかあああ!」

「ぐあああっ! だ、誰が倒れるかああ! 俺は勝つんだ! お前はトンカツになるんだ!」

 …いやつまらん。そこはそういうことを言うタイミングじゃないだろ!

「姉御。たまにブッチニキがああいうことを言うんやが、あれはおもろくないと思うやで。」

 同感だからいつもツッコミをいれているんだけどなあ。といってもあれは癖みたいなものだろうし。っていつの間に私の肩に乗っていたんだだいこん。

「姉御の飛行のおかげで助かったんやで。重力魔法に対抗できる力があるようやで。」

「え。でもなんかだいこんって元々魔法が効かないとかなんとかじゃなかったっけ?」

「せやった!」

 …。まぁそれがあるけれど、どんな魔法も無効化できるわけじゃないと思ったので、念のため使っておいたんだけれどね。


「うぉっ! うおおおお!」

「ブ、ブヒヒィ! お前がどれだけ抵抗しようがあああ! 俺様の体に押しつぶされるだけだぞ! ブヒイイ!」

「だからどうしたああ! だったらさっさと俺を押し潰してみろお! ああああ!」

 なんかこう、あれだな。ここはのこったのこった! とか言えばいいんじゃないかと思い始めてきた。だってこれ、もうどこからどう見ても相撲だし。土俵はないけれど、体と体がぶつかり合っているから、相撲にしか見えない。

 ここでネガティブータが口から火でも吐けばブッチは倒れるかもしれないってのに、何故かそれをしないってのも相撲にしか見えなくなっているんだよなぁ。にしてもなんでやらないんだ。やっぱり馬鹿なんだろうか。


「ふんがぁぁあ! 俺は負けねえ! 絶対に負けねえ! 勝利! ただそのためだけに戦うんだ! おらぁああ! くたばれネガティブータああ!」

「お前みたいな雑魚モンスターにこのクロウニンたる俺様が負けると思っているのか! 圧倒的な力でねじ伏せてやるウウ! ブヒイイ!」

 なんで熱血系の戦いを繰り広げているんだこいつらは。そういいうゲームじゃないからね。はぁ。この相撲対決が終わったらブッチに遊ばせてないで私だって攻撃するつもりだ。


「これでおしまいだああああ! ブヒイ!」

「いくぞオラァ! 狂戦士!」

 …あ。そういえばあんなスキルをブッチは持っていたなぁとすっかり忘れていた。ブッチの全身が真っ赤に燃え上がるようになったと思ったら、次にドス黒い煙が上がっていた。これってもしかして、ヴァンパイアロードの力か?

「これが俺の必殺技!押場火土<オーバーヒート>だぁああ! おは押すの押! ばは場所の場! ひは火曜日の火! とは土のと! わかったかぁああ!」

 なるほど、さっぱり分からないが、漢字に英語名を当ててみたような感じか。

「ぐあっ!? な、なんだこいつはっ! ぐああああ!」

「どすこおおい!」

 これまで劣勢だったブッチは、ネガティブータを押し戻し、そのまま一気に突き飛ばした。ネガティブータはそのまま壁に猛烈な勢いで激突した。壁には大きなひびが入った。すごいなブッチの体当たり。狂戦士と組み合わせただけであそこまでの威力になるのか。


「ふーっ。あー楽しかったあ。というわけで、ここからは普通にやるのでよろしく。」

 両手を合わせて私に頭を下げるブッチだった。ああ、ブッチも分かっていたのか。悪ふざけしていたようなもんだったってことが。

「オーケー。ってことは、あいつにはまだ全然ダメージを与えていないってことでいいんだね?」

「ある程度は与えたかもしれないけれど、致命傷ではないだろうねー。いやーなかなかのパワーだよ。狂戦士がなければやばかったなー。むしゃむしゃ。」

 薬草を食べるブッチだった。結構体力を消耗したってことなんだろうな。だけどネガティブータの方はまだまだやれるようだ。その証拠に…。


「よくもやってくれたなぁ。が、この程度で俺様が傷つくと思ったか? ブヒヒ。まだまだだぞ。」

 タフだなーこいつ。あの一撃でも結構いい感じに決まったはずなのに。うーん。ここからどうしたもんかな。また重力魔法が来たりしそうだし。戦いにくい相手だなあ。

「…。よし。久々にあの作戦でやってみるか。」

「なんだって!? ねっこちゃん! あの作戦でいくだって!? やべえよあれは!」

 まだ何も説明していないっての。まぁそういう過剰な驚き方をアピールすればネガティブータも警戒してくれるからいいんだけど。

「ブヒヒ。何をしようが無駄だぞ。お前ら程度の攻撃は俺様には効かねえ!」


 つまり私達以上の攻撃だったら効くってことになるんだよね、この言い方だと。どんな攻撃も効かないなんて言うつもりがない消極的な言い方なので、どうも弱そうに感じてしまう。高威力の攻撃は自分には効きます! なんて言ってるのと同じだし。

「へぇ。じゃあ、ジャガーコートとかの攻撃なら通るってことなんだ?」

「…なんだてめぇ。なんでいきなりあいつの名前を出しやがった。」

「さぁてねえ。へっへっへ。」

 なぜ突然話題に出すのかって? クロウニン同士の力関係的な物を確認するために決まっている。こいつは、ジャガーちゃんに怖気づいているような声を出していたな。ということは、今の名前をだしただけでもなんらかの牽制にはなっているってことだ。


「ブッチ!肩車!」

「おっ!? おおっ。懐かしいな! よーし! 行こうぜ!」

 私はブッチの肩に乗っかかった。ブッチには何をするのか説明はしないけれど、多分なんとなく分かってくれているはずだ。

「ブハハハ!? 何かと思えばそんなことかぁ! くだらねぇ! ギガグラビトン!」

「飛行!」

 ちょうど再使用が出来る時間になったはずなので、ブッチに飛行を使い空中を動いていく。なんて思ったが、ゆるやかに地上に戻っていく。

「あー。これさっきもなったんだ。一応あの重力魔法には対抗してくれているみたいなんだけどね。」

 重力魔法とスキルの飛行で中和されてしまうってことか。ダメージをくらわないだけマシと考えるしかないか。


「でも! あいつの近くに行くには十分だよ!」

「ブヒヒ! ヘルファイア!」

「狐火!」

「ヘルファイア!」

「ヘルファイア!」

 くそー! 頭が3つあるからって、揃いも揃って炎を吐き出しやがって! こっちは頭が1つしじゃないんだっつーの! こんなんじゃ、おし負けて当然じゃないか!

「おっと危ない! ダークホール!」

…え? ブッチが魔法を使った? なんか真っ黒い球体のような物が近くに現れたけれど、これはまさか、炎を吸い取ってしまうとかそういうのか? ってやっぱり!? 球体の中に炎がどんどん吸い込まれて言ってるよ! なにこれ!? 魔法無効化みたいな魔法だな!?


「ブヒ!? 俺様たちの魔法が吸い取られているだとぉ!?」

「…俺は考えた。どうやったら肉体同士でぶつかりあうことが出来るのかと。どうしたら、魔法なんて余計な邪魔が入らなくなるのかを。それはつまり魔法を使わせない事だ! 魔法なんぞ使ってんじゃねえぞ!!!」

 …ブッチは魔法が嫌いってわけじゃないんだろうけれど、直接対決が好きだから、魔法でのらりくらい逃げられるのが嫌なんだろうな。

「よーしブッチナイス! このまま一気にって、うえっ!?」

 ネガティブータの近くまで来たと思ったらブッチは私の両足を掴み取っていた。なんかすごく嫌な予感がするんだけれど! いや、もう絶対何するか分かっているけれどさぁ! それはないんじゃない!? やらないよね!?

「ブッチィイ!? ちょ、ちょっとぉお!? 何をしているの!?」


「え。ここはやっぱりねっこちゃんをネガティブータに投げつけて攻撃作戦だよね!?」

「ち、違うっ! ブッチが体当たりしているところで、私がネガティブータに飛び掛かるって言う華麗な作戦が!」

「ブヒヒヒ! 仲間割れかぁ! 見苦しい奴らめ! トリプルネガティブラスト」

 あぁぁー!? なんかでかい電撃がこっちに向かって飛んできているんだけれど!? どうするんだよブッチ!? 死ぬ死ぬ! このままじゃ絶対やばい!

「だったら俺は! ジャイアントスウィングううう!」

「うーああああ!?」

回る回る!? 目が回るっての!? 何してくれてんのこいつはああ!? 目の前に電撃が迫ってきているのにいいい!?

「般若レディ投げええ!」

「うおおおおおおお!?」


 ジャンプして、電撃を回避して、私を思いっきり投げやがった! ネガティブータに向けて、私はハンマー投げのハンマーじゃないんだっつーのおおおお!?


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