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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
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第381話「懐かしの黒豚?」

明日追記します!

12/8追記しました!

「おおし! これが俺の豚ハンマー!」

 …いやそれ、ネガティブータの足を持ってハンマーって言ってるだけじゃないか。そんでもってよくこんなでかい黒豚を持ち上げられるな。これだからパワー型は羨ましいんだよ!

「ブッチニキかっこいいやで!」

 いつの間にか私の肩の上に乗っかっていた、だいこんが、ブッチを輝かしい目で見ていた。そんなにかっこいいだろうか。

「ブヒイイ!? お、おろせぇぇえ!?」

「え? こうか!? おいしょ!」

 ネガティブータを地面に叩きつけるブッチだった。まぁおろすというか、たたきおろすって言った方が正しいなあれは。


「ブヒイイ! 弟を離せええ!」

 あっ。兄弟だったんだ。分身体とかではなく兄弟か。ということはやっぱり三匹の子豚がモチーフになっているとみてよさそうだな。こいつら自身は自分を猪とは言ってたものの、どう見ても黒豚にしか見えないしなあ。

「どっせえええええ!」

 ブッチは、弟と思われる豚をジャイアントスイングした後に、兄と思われる豚に投げつけた。

「ブブヒイイ!?」

「ブヒヒイ! これで隙ができたなぁ! グラビト…ン!? ブッ!?」

最後の一匹が重力魔法を使おうとしていた瞬間に、既に接近しており、そのまま両手でねこだましをするかのようにネガティブータの顔を挟んだ。


「おいしょっと! 二匹目ゲット!」

「ブヒイ!?」

 …なんだかさっきからネガティブータの悲鳴ばかり聞いている気がするけれどまぁいいか。こいつら、結局ブッチに翻弄されまくっているだけだし。それにしても真剣に戦っているような、だけどそうじゃない気がして見ていてやる気が下がってくる戦いだなあ。

「よし、俺もヴァンパイアロードになったことだし、ねっこちゃんを見習って、こいつらにがぶついてみるとするかぁ!」

「んん!? ブッチ!?」

 ブッチのサイコロ顔にある口の部分は本当に小さくて、これまで見ることはほとんどなかったけれど、急に顔がゆがんで、口が大きくなった。その口から牙が見えた。そして、黒豚に思いっきりかじりついていた。

「ぎゃあああー!? ブヒイイ!?」

「おっおっおおお!?」


ぐふっ。私は死にそうになった。ブッチが黒豚を食べているような光景を見て、私もあれをやっていたんだと思うと、どうにもこうにも恥ずかしくなってきてしまった。ああ、でも黒豚は美味かったんだよなあ。たけのこと一緒に沢山食べたなあ。あ、あはははは。


「こ、こいつ!? 死ねブヒイイ!」

 ネガティブータにかじりつくブッチに向かってまた別なネガティブータが飛び込んできた。するとブチは、そのまま腰を深く落とし

「のこったぁあああ!」

 ブッチが力士の如く突進して、ネガティブータを抑えつけていた。おいおい。この巨体のネガティブータをよくもまぁ抑えつけているな!?

「ブヒヒ!? なんだこいつ!? 俺様を掴んだだと!?」

「ブヒヒ!? なんだこいつ!? 俺様に掴っただと!?」

 …こういう時の煽りが面白いと言っていいんだろうか。ブッチのことだからしょうがないか。


「うぉおおおお! りゃああ! どすこおおい!?」

「ブヒ!?」

 ネガティブータはそのまま吹っ飛ばされて仰向けになってしまった。ここまで来てなんとなく分かってきたんだけれど、ブッチはこいつらとの相性がいいんじゃないだろうか。接近戦というか肉弾戦というか、直接的な戦闘ができて、ブッチはどこか楽しそうだし。一応、ネガティブータから魔法で攻撃されることがあるけれど、それをかわすのも楽しそうだ。というかこの戦闘でなんかすごい輝いているぞブッチ!?

「おいおい! お前らもっと全力でかかってこいよ! 俺に調教されるために生まれてきたわけじゃないだろう!? ほらほら! もっと全力で! クロウニンとかいうんだからもっと俺みたいな雑魚をぼこぼこにしてくれないとさぁ! 手加減なんてしなくていいから頼むよ!」


「ブヒィイ!? こ、この野郎!」

「ならば見せてやる! 俺様達の切り札を!」

「魔者ぁ! お前も見ておけ! この力を!」

「…どうせ合体とかするんでしょ?」

 …。……。………。え? なんで誰も何も言わないの? だいこんもひじきも三匹のネガティブータも、それにブッチもなんかあちゃーって顔して、なんなんだよ! 何が言いたいんだよ!?

「ねっこちゃーん。そういうのはちょっと白けるんだからさぁ。」

「そ、そそそそうだぞ魔者ああ!? お前はやはり屑だなぁ!」

 なぜ私が抗議されなきゃいけないんだ。しかもブッチにまで…酷くないか。だってさぁ、こういう時の定番って合体じゃん! どう考えても合体くらいしかないじゃん! 三位一体とかいう言葉があるからそれにかけ合わせて合体とかありそうって考えるじゃないか。巨大化するかもしれないとか考えたけれど、三匹全員が巨大化するっていうのもあまりありえなそうな気がしたし、しっくりくるのは合体だなって思ったんだよね。

「あー。それで、結局合体じゃないんだよね? まさか合体じゃないよね? ここまできてそんなありきたりなことしないよね?」


 こんな感じで煽っておく。戦闘中にこんなアホみたいに話すのもどうかと思ったけれど、それはそれ、これはこれでなんとなくツッコミをいれておきたくなったし。

「死体蹴りはやめてあげようよねっこちゃあああん!?」

「姉御、鬼やで。ツッコミの鬼や。」

「母上、私も恐ろしいと思いました。」

 いや、私はそんな酷いことをしたつもりはないんだけどなぁ。というかおいそこの黒豚共。きまずそうな顔をしているんじゃないよ。やるならさっさとやれっての。


「やるならさっさとやればいいでしょ!!」

「ぐぅ!? い、いくぞお前たち!」

「三位一体!!!」

「そこは捻りくらい加えろ!!!」

 なんなんだぁこいつら!? いい加減にしろってんだ!

「ぐ、ブヒヒヒイイ!? この姿になったら、貴様らなどあっという間に塵にしてやれるぞおお!」

「って合体中もなんか喋っているけれど、ブッチ大丈夫なの?」

「合体するとすげーパワーアップするから俺でもやばいかも!」

 …え!? そこは俺に任せておけよとかそういう頼もしい事を言ってくれるべきじゃないの!? なんか余裕しゃくしゃくそうだったから、ブッチに任せておけば大丈夫なんて思っていたんだけれど、不安になってきたな。


「ブヒヒ! ブヒャアアアア!」


 目の前に巨大な黒豚が現れた。そう。巨大で首が三つある豚。そいつが二本足で立っていた。体つきは太った人間というかまぁそんな感じだった。ああ、これ。首が三つあるってさぁ、ケルベロスでもモチーフにしているのか? う、うーん。これは結構苦しいよなあ。首が三つある豚ねえ。


「ブヒヒヒィ! これが俺様の真の姿だ! その名もイノシシキング様だ!」

「真空波あああ!」

「ブヒっ!? ギッ!? な、なんだ今の攻撃!? 俺様の頬に傷を!?」

「豚だろ! 豚なんだよお前は! 誰がどう言おうと豚なんだ! 自分の事を猪と思い込んでいるだけの豚なんだよ! そんな奴が猪を語ろうなんて断じて許さん!」

 私も怒りで我を忘れそうになった。だって、こんなの許せるはずがないじゃないか。ふざけるなと。豚だの猪だのケルベロスだの、なんなんだよこいつ! もう豚でいいだろ!

「お、おー。ねっこちゃんがキれるなんて。」

「姉御はなんか納得ができないシチュエーションがあるといつもこうやで…。」


 外野が何か言っているが、私が悪いわけではない。ネガティブータが全て悪い。というわけでそろそろ決着つけようや。エリーちゃんやブッチが戦っていた獲物を横取りするようで悪いが、一匹になったってことでもういいだろう。さっさと倒してしまおう。この後ゴーストロガノフだって出てくるかもしれないんだし。こんな奴の相手をずっとしているのも飽きてきた。

「お遊びはここまでにして、そろそろ決着をつけようか。ネガティブータ。」

「ブヒッ! 俺様はイノシシキン…ブヒッ!」

 喋り終わる前に鎌で攻撃を仕掛けた。問答無用。こんなおちゃらけな戦いはこっちも望んでいない。もう終わらせてやるんだよ。というわけで、そろそろ本気でやれとブッチにアイコンタクトを送ってみる。これでちゃんとやってくれるな。


「やれやれ。それじゃあ俺も真剣にやりますかねっと。」

「俺様に楯突いたことを後悔させてやるぞ!ギガグラビトン!!!」

「飛行!!」

 ネガティブータの重力魔法が強化されていると感じ取った私は、すぐさまブッチ、たけのこ、そして通常でも浮いているひじきに飛行を使った。飛行があれば重力魔法に耐性があるかどうかは分からないが、まずは試してみようとしてみた。

 そして私の体に強力な重力魔法が襲い掛かろうとした瞬間には土潜りを使った。地面の中にまで重力魔法の効果があると思ったが、その心配はなかった。

 あー。あぶなかったなー。さぁて、ここからどうするかな。すぐに戻ったところでさっきの重力魔法がくるし。あれ、回避できなさそうだよなー。直撃くらったら即死なんてこともありそうだし。かといってブッチ達にだけ任せるのもなんだしなぁ。

 …飛行の効果だって、重力魔法に対抗できるかどうかは確認がとれていないし。どのタイミングで出るのかが重要になってくるな。


 色々やり方はあるけれど慎重な行動が求められる状態だ。ネガティブータの攻撃に一発でも耐えられるならいいけれど、そうじゃないなら特攻するべきじゃない。オンラインゲームでは、ボスの攻撃を一発でもくらったら即死かそうではなくても瀕死になることが多い。

 だからこそ、何を仕掛けてくるのかを想定しながら戦わないといけない。

「だってのに、ブッチはそれをいきなり回避できるからすごいんだよなぁ。」

 そうだ。私もビビりすぎているってのは分かっていた事だし、ここらでもうちょっと踏み込んでみないと駄目か。いつまでもブッチに頼りすぎってのもかっこ悪いし、何よりネガティブータのわけのわからなさを叩き潰したいし。


 よし、たまには無策で突っ込んでみるか! 失敗したら後はブッチに任せる的な感じで! それじゃあいくぞお!


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