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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
362/473

第362話「続・ダンジョン探し」

すみません。明日追記します!

11/19追記しました。

 私達は町はずれの草原や森林のどこかにある、ネガティブータのダンジョン探しを始めていた。まずは30分ほど何か変わったものがないかとあちらこちらに移動してみて、地面を触ってみたりしたのだが、特に何も発見できなかった。

「ねっこちゃん。こうやってみんなで一緒に移動しているからいけない気がしているんだけど。」

「だって分断されるかもしれないし! 一人でいる時に落とし穴とかが発動して、一人一人分断されるなんてことよくある話だし!」

 私はいつも通りだった。大体こういう時って、仲間とはぐれた時なんかに狙われて分断させられることが多い。そしてダンジョンに一人で投げ出された時に沢山のモンスターに襲われるとかそういうことがよくある。更に。

「私達の誰かに化けて襲い掛かってきたりすることもあるから、みんな気を付けてね! ちなみに相手が偽物かもしれないって思ったら、全員全力で戦う事! いいね!」

「えっ!? そこはできるだけ戦闘を避けるとか合言葉とか用意しておくんじゃないんですか?」


「だいこんハ、キット、アイコトバヲオボエキレマセン。」

「ファッ!? わんころ何を言っとるんや! ワイやってそのくらいは余裕でできるやで! 失礼な事を言うんじゃないやで!」

「ナマムギナマゴメナマタマゴ。イッテミロ。」

「簡単やろ。なまむぎゃ、なまごみ、なまたま…グエー! 舌噛んだんゴ! ってなんやその合言葉は! 悪ふざけはやめろやで!」

「コンナコトモイエントハ。」

「あー。お楽しみの所悪いんだけれど、とりあえずだいこんは私の肩に乗っておいて。」


 コントみたいなことをやりだした二匹を制止させる。だいこんを私の肩に乗せることにしたのは、たけのことだいこんで分断させられる気がしてきたからだ。そこまで仲の悪い者同士ってわけではないけれど、こういう者同士が、分断させられるのがよくある。それを阻止するためだ。

「ねっこちゃん。なんか今結構燃えているね?」

「え。そうかな。」

「なんか、絶対に敵の思い通りにさせてなるものかって鉄の意志を感じますよ。」

 言われてみれば確かにそうかもしれないなあ。私はこういうよくあるパターンをさせてなるものかって思うタイプなので、それが起こりそうになったら、なんとしても阻止したくなる。これまでゲームをプレイしてきて、こういうことがあったんだから、それに備えていて当然だよねという考えが染みついているためだ。


「私はネガティブータの思い通りにはさせないだけだよ!」

 なんてちょっとかっこつけてみたんだけれど。みんなぽかーんとしていた。あれ、私は何かおかしなことを言ったんだろうか。

(母上は、やはりこういった時のリーダーシップ溢れる発言は素晴らしいので、みな感動しているのだと思います。)

 ははぁ。私のことをそこまで尊敬してくれているのか。私も頑張っている甲斐があるなぁ。

「偽物っぽいねっこちゃんだなぁ。正体を現せ!」

「ひじき召喚。」

「え? あ。その、どうもこんにちは。あっえっとその。」

一瞬ひじきを召喚してすぐに消した。私の場合はひじきが召喚できるから、本物かどうかなんてあっさり分かるだろうなぁ。


「今のは幻覚の攻撃だろう! 俺には分かる!」

「はいはい分かったから! さっさとダンジョンを探索しような!!」

 また無駄な会話が多くなってしまった。もっと真剣にダンジョン探索をしなきゃいけないってのに遊んでる場合じゃないな。こういうのが命取りになるんだから、ふざけて死んだら話にならない。

「で、そこのおばけ君。」

「ハイ。ナンデショウ?」

「ゴーストロガノフは今どこにいるの?」

「マチノドコカニイルハズデスガ、クワシクハワカリマセン。」


 こんな事言い出すあたり、ゴーストロガノフも怪しいと思っている。が、それを表情に出さないように注意する。呪いを抑えているなんて言ってるけれど、私がそれを直接見たわけでも何でもないので、信じなければいけないという理由はない。前回会った時に危機がどうのこうのと言っていたのは覚えているが、あれだってどうにも胡散臭い感じがしていたし。

 むしろゴーストトガノフが呪いをかけようとしているのに、ネガティブータがそれを邪魔しているという可能性だって十分ありえる。そう、敵としていた奴が味方で、味方だと思っていた奴が敵だったなんてことがゲームではよくある話だ。

 皆の為と親切な事を言ってアイテムを集めさせられたかと思えば、最後はそのアイテムを奪われていいように利用されたなんてことがあった。そんな親切そうな奴が最後に裏切って戦うことになった時は悔しいと思ったものだった。


 性格が悪く不愛想でぶっきらぼうな人物が最終的には味方になる一方で、性格が良く愛想が良く親切な人物が最終的に敵になるというのもよくある組み合わせだ。こういうことがあるから、迂闊に誰かを信じるなんてことが出来なくなる。

 まぁ私は、どちらも大嫌いというのがあるんだけれどね。不愛想な良い奴キャラクターは、自分一人で物事を解決したがるせいで誤解を招いて問題を引き起こす。お前が周りと協力しておけばその問題を防ぐこともできただろうに、何やってんだこいつと何度も思わされてきた。

 最後に裏切る奴は、当然これまで築き上げてきた信頼なんて最初からどうでもよかったということになるので、そんな奴は叩き落としてやるとしか思えなかった。


マブダチからのメッセージ:ねっこちゃん。こいつとゴーストロガノフっての疑ってるでしょ。俺もなんか納得がいかないところがあるから、必要なら、クロウニンってのどっちか片方引き受けてもいいからね。よければ両方でも引き受けるけれどね!


エリーからのメッセージ:なんか怪しい気がしますね。ねこますさんも気が付いていると思いますが、こういうのよく分からない商品を買わせようとしてくる頭のおかしな人たちと同じなので注意しないといけませんね。


 とまぁ、二人ともどこかおかしいと思う所はあったようなので安心した。ゲーム好きって話が早くて助かるなあとつくづく思った。

 様々なゲームを経験していくと、先の展開がどのように繰り広げられていくのかが見えるようになってくるが、そうなると、最悪の結果を避けるための方法も頭の中で浮かんでくるようになる。

 一番分かりやすいのが属性だ。火属性、水属性などと異なる属性のボスが順番に現れてきたら、じゃあ次はこの属性の敵が出てくるだろうと考えられるようになってくる。そして最終的にはどの属性でもない強敵が出てくるかもしれないから、特定の属性に対する攻撃方法のみ鍛えるのは危険という考えもできるようになってくる、という感じだ。


「…ダンジョンに行くグループと、街の中にいるかもしれないゴーストロガノフを探すグループで分かれようか?」

「エッ? アノ、ゴーストロガノフサマハ、マチニイルカドウカハワカリマセンヨ。」

「だから探すんでしょ。今どんな状況なのか知らないでここから全員で突撃するなんてことできるわけないし。呪いとやらを抑えてもらっているんだし。というわけで、おばけは街まで行くチームな。」

「エエ。アイテハアノ、クロウニンデスヨ。ゼンインデタタカウベキデハ。」

「そこのブッチが全員まとめてあの世に送ってやろうと意気込んでいるから大丈夫。ね?」

「おうよ! できればクロウニン全部まとめて相手したいところだけれどねぇ。いやぁ、この際全部でてきてくれないかなぁ。楽しい戦いになりそうだし、出来れば沢山敵がでてきてくれると嬉しいなあ。なぁそこのオバケ。ゴーストロガノフとも俺戦っちゃだめか?」

「イヤ! ソノ! ソレハチョット! ソウイウノマニアッテマスンデ!」


 ブッチのサイコロの目が赤く光りおばけを凝視した。おばけは思わずたじろいだが、なんだかそれがとても面白おかしかった。

「それで、どんな感じで分かれますか?」

「私とだいこんがゴーストロガノフ探し。他全員がダンジョンへGO。」

「…ねこますサマトイッショガイイノデスガ。」

 うるうるした目で私の方をみるたけのこだった。しかしここは我慢しなければならない。

「狼が狙われているって街に行ったときに言われたんだよ。だからたけのこが街の中に入ると人間から目を付けられちゃうから、一緒に行けないんだよ。」

「ソ、ソレナラ、ねこますサマがガ、ダンジョンニイクトイウノハ?」

「ブッチが街中に入れないかもしれないし。私とブッチは分かれた方がいいと思うし。」

「そんな、ねっこちゃん。こんなところでいきなり別れ話なんて。お、俺悲しいよ。俺たち、ずっと一緒だっていったじゃないか!」

 といういつもの悪ふざけは華麗にスルーしておく。

「まぁ、これからずっと街に入れないままなのは困るので、対策は考えているんだよ。また街の中でその方法を探すことになるんだけれどね。」

「えーっと、それならあたしも連れて行ってもらえないですか? それこそあたしもねこますさんとほとんど行動を一緒にしていないのと、街には少しは詳しくなったので。」

 …そういえばそうだなぁ。エリーちゃんとはあまり一緒にいたことがない。折角プレイヤー同士なのに交流がどちらかというと乏しい気がしてきた。どうするか。

「分かった。そうしようか。じゃあねずおも一緒になるね。」

「やったチウ!」

 なんて喜ぶ一方で、たけのこはしょんぼりしていた。そしてくろごまもだった。


「あー。順番だから! 次は別な組み合わせにするからそこまでしょんぼりしないで!」

 ということで一応決着がついた。

「うっうっ。ねっこちゃんばっかり人気者なんだ。みんな俺の事が嫌いなんだ。しくしくしく。こんな悲しいなら、こんな世界など滅ぼしてしまうぞ。今の俺はそれだけの力があるんだぞ。ぐははは。世界など滅んでしまえ。」

「分かった。分かったから。そういえば最近ブッチとも組んでどこか行ってないからそれもそのうち時間作るからいいでしょ。」

「今更よりを取り戻そうだなんて! そんな事で簡単に心が揺らぐ俺じゃないですことよ!」

「はいはい。というわけで、折角ここまで来たけれど、街に行くグループとダンジョン探すグループで分かれていくとしよう。」


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