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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
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第342話「ヴァンパイアロードはどこに?」

「ヴァンパイアロードが私の仲間を血祭りにしているというのであれば、次は私に襲い掛かってくるはずだろう? 遅くないか?」

 当然の疑問だろう。血祭が終わればさっさと私の元に向かってくるはずだ。しかしそうならない。ということは、私の仲間達は無事であるということだ。そして今なおヴァンパイアロードと戦っているということになる。

「ふん。貴様の仲間がロード様に無礼を働いたのだろう。それが許せずにじわじわと地獄の苦しみを与えているということだ。ハハハハハ!」

「うるさい。」

「ギャー!」


 うーん。こういうノリは嫌いだと言うのに、何なんだこの金髪の女ヴァンパイアは。ヴァンパイアだというのに高貴そうなのはドレスだけで、性格は子供そのものじゃないか。というわけでどういう教育をしているんだと言う顔でおじいちゃんヴァンパイアを凝視する事にした。

「吾輩も、ヴァンパイアのなんたるかは教えているのですが。」

 ですが、どうにもならなかったということは見ればわかる。というかそれはいいんだよ。

「いい加減茶番はよせ。そこの金髪ヴァンパイア。お前がヴァンパイアロードなんだろ?」

「は? 私がロード様のわけが無かろう。私は一介のヴァンパイアに過ぎん。」

「…。」

「違いますよ。あの方はヴァンパイアロード様ではありません。当然吾輩もです。」

 目配りしてみせただけで何を言いたいのか察したおじいちゃんヴァンパイアだった。


「…ではお前らには死んでもらうか。威圧。」

「なっ!? なぜですか。もはや戦う理由などないではないですか。」

「喧嘩を吹っ掛けてきて今更手打ちにしようなんて甘い考えは私にはない。が、ヴァンパイアロードの事を話せば温情を見せてやろう。」

 と言う風に話を持っていく事にした。敵の情報が分からない。このまま襲ってくるかもしれない相手の事を知らないのは危険だし、知っていれば対処できることもあるだろう。

「ロード様は強力な闇魔法を使います。それ以外は吾輩達も多くは知りません。以上です。」

「無駄な事はしたくないんだけれど、知っていることがあればもっといいな。どんな姿なのかとか。」

「容姿は様々な姿に変身できるのがヴァンパイアなので、正体は不明です。」


話すつもりないだろうこれ。まぁいいか。できればこいつらは放置したいところなんだけれど、また襲い掛かってくる可能性も高いからなあ。あ、その前にだ。

「ああ、完全回復は許さないよ。何されるか分からないし。」

というわけで、なんか回復してきたっぽい二匹をもう一回ボコボコにはしておく。ああ、そういえばたけのこ達だけでこっちの金髪ヴァンパイアは倒せたんだもんなぁ。頑張ったな。それともこっちのほうは弱かったってことなのかな。確かにアホっぽさはあるけれど。

「な、仲間の命は心配しなくていいのか? んん?」

「それを言われると、確かに心配だなあ。」


 ブッチ達はきっと現在ヴァンパイアロードと交戦中だ。そうに違いない。こちらに何の音も聞こえてこないが、きっと闇の中というか亜空間みたいな場所で戦っているのだろう。だからメッセージのやり取りもできなくなっているのだと思われる。

 ここで心配なのはブッチ以外の仲間で、どうか無事でいて欲しい。ブッチはどうにでもなるけれど、他の仲間はどうにもならないし。

 だけどブッチがいればなんとかしてくれるだろうなぁと思う。今もきっと楽しく戦っているんじゃないかと思っている。絶対そうに違いない。

「お前、仲間の命がかかっているというのによく笑えるな。」

「うちのエースだからね。ヴァンパイアロードをきっと倒して帰ってくると思っている。」


「は? 何を言っているんだ? 魔者であるお前が頭なのだろう?」

「頭はねぇ。けど実力は雲泥の差だよ。私の一億倍は強い。」

「はぁ!?」

 冗談抜きでそう思っている。ブッチならきっと、ヴァンパイアロードをボコボコにしてしまうだろうと。まぁどこまでやってくれるかは分からないけれど、私の想定を上回る事をしてのけるのは確実だろうなあ。

「冗談じゃなく本当の事だからヴァンパイアロードはここまで来ることはないよ。」

「魔者であるあなたならまだしも、その他の者にロード度様が負けるはずがありません。」


 どれだけヴァンパイアロードが強いのかは分からないけれど、相当信頼されているなあ。だけどこっちもプレイヤーとしてのブッチにはかなり信頼を寄せているからな。攻撃を回避し続け、攻撃を当て続けえられれば、必ず倒せるって信じているのがブッチだけれど、時間をかけて確実に削っていくのが恐ろしいんだよね。

「たけのこ、ブッチとヴァンパイアロードが戦ったらどっちが勝つと思う?」

「ブッチドノデス。」

即答だった。ついでにイッピキメとニヒキメにも聞いてみたが、やはりブッチと答えた。

「ブッチドノト、タタカッタコトガアルモノナラワカリマス。アノウゴキハオカシイデス。」

「コウゲキガアタラナイノニ、イッポウテキニアテテコラレルノガキョウフダッタ。」


 そんなブッチがヴァンパイアロードを倒せないというわけもないので、私達はこのあたりでゆっくりと待ちたいところだけれど、出来るだけ早くここから脱出したい。熱帯雨林を燃やしてしまったので、この辺りも時期に火の海になってしまうからだ。

 ブッチ達は多分異空間みたいなところに捕らえられているだろうから被害は受けないんじゃないかと思う。でもどうなんだろうな。闇の中にも火が入り込んでいくみたいな気がするんだけれどそこから異空間に火が入っていくなんてないんだろうか。

「ヴァンパイアロードの闇の中に入る方法は?」

「ふっ。私が知っていると思っているか?」

「そっちのおじいちゃんに聞いているんだよ。」

 こっちの金髪の女ヴァンパイアは何の役にも立たないことが理解できたので基本無視するか文句を言ってきたら黙らせることにした。

「閉じられた闇の中に入る方法はありませんね。あのように完全な闇になってしまっているのであればロード様が閉鎖空間にしていると思いますし。」

 方法はない、か。そんな事を言われるとむしろ方法があるように思えてきてしまう。無理とか不可能とか言われると逆に出来そうな気になってくる。絶対何とかする方法があるって。


「闇を光りで照らせばなんとかなりそうな気がするんだけれど。」

「愚かな。今が夜であることも忘れているのか? この漆黒の世界こそ我らの支配する世界なのだ!」

「えーい。電撃の鞭~!」

「痛いっ!」

 照眼を使って照らせばいけるんじゃないのかなあ。それとも、黒薔薇の型を使った鎌なら、闇そのものを斬り裂くなんてできないもんかな。

「ここまで待つだけって言うのもつまらないんだよなあ。だけどなあ。」


 金髪の女ヴァンパイアはなんとかできるけれど、こっちのおじいちゃんヴァンパイアはなぁ。何か色々隠してそうな気がするし、このおじいちゃんがヴァンパイアロードの可能性も否定しきれないからなあ。この闇を実はこのおじいちゃんが作り出していて、そのせいで今は弱体化しているなんて考えてもいいわけだし。

 今現在発生しているこの闇が本体で、ここにいるおじいちゃんは分身みたいなものだとしてもおかしくはないな。

「あー、ところでさ、お前ら二人とも、まだ自分が死なないと思っているんじゃないよね? 一応言っておくけれど、私は今回襲撃されたことはなあなあで済ますことはないから覚えておきな。」

 ここで威圧を使っておく。こういう時こそ、舐められないようにしておかなきゃいけない。こいつらは不死だからか、こんな事で死なないという認識を持っているようなのでそれが許せない。だからこそ、死ぬかもしれない恐怖心というものを叩きつけてやりたい


「ロード様が今に貴様らを」

「その後はみなごろしだのなんだの言うんだろ。そういうのは飽き飽きしているんだよ。」

「その通りだ。我々を侮辱した貴様らには罰を与えねばなるまい! みなごろしで決定だ。」

 なんでこんなに偉そうな話し方をするんだろうなあ、この金髪の女ヴァンパイアは。いちいち難癖つけないと話せないんだろうか。こういう奴は現実でもいたけれど、対応が悪すぎてイライラしてきたのを思い出した。

「うるさい黙れ。」

 ひとまずここで電撃の鞭を使い、何度もヴァンパイアに攻撃して無力化した。つべこべ言いださなきゃいけない癖があるようなので、癖を直すためにも電撃の鞭でビシバシやったほうが良さそうだ。


「ねこますドノ。コヤツメ、セントウチュウモ、ムダニ、タカワライヲ、シテイマシタ。」

「ワタシモナンドモミマシタ。」

 の金髪の女ヴァンパイアはうざい! 容姿は綺麗とかの部類なので黙っていれば人気者っぽいのだが、性格が壊滅的な気がする。もう子供の相手でもした方がいいんじゃないかと思い始めてきた。


「ちょっといい?」

「な、なんだ?」

「黒薔薇の型! おりゃ!」

「ぐっ!? なっにっ!? うがが…。」

 ここでブッチを待つだけになってしまっているので、それなら何か出来そうな事から始めていったほうがいいと判断した。今、やらなきゃいけないのは、この金髪の女ヴァンパイアをボコボコにしておくってことだな。

「一応、これをあと何度も繰り返すのでよろしく。」

「なっ!? こんな攻撃!? ぐっ!?」

 ここで受けたダメージも、割と早く回避するというか栄養失調にでもなってしまうのじゃないかと懸念精している。

「そっちのおじいちゃんにも当然やるよ。」

「くっ! なんてことだ。まさかこんな目に遭うなんて。」

 おじいちゃんヴァンパイアはガタガタ震えだし、金髪の女ヴァンパイアもなんだかやる気がなくなってしまったかのようだった。


「あ、これが恐怖政治って奴なのか? 、まぁ別にどうだっていいやという感じだった。

「ブッチが早く戻ってくればいいのに! さっさとボスを倒してここまで戻ってきて欲しいな。」くろごまやサンショウもいるし、全員が揃えば、ヴァンパイア共がなんとかなりそうだからなあ。

 あー早く戻ってこないかな!


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