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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
335/473

第335話「正体不明の敵がいる?」

明日追記しまああす!

10/23追記しました。

 ブッチ達がいると思われる方角に進んでいくと、熱帯雨林が薄暗い闇に覆われていた。明らかに何者かの攻撃が行われているようだった。そこは邪悪な気配みたいなものがあるが、気配感知では一切何も感じられなかった。気配がないということはこの闇には何もいないってことなのかもしれないな。

 さぁてどうするか。私達もこの中に入ってみればいいんだろうけれど、ブッチ達が出てこないところを見ると、出られなくなる可能性が高い。この闇を斬り裂くことはできないかと、鎌を取り出し、黒薔薇の型を使う。赤黒くなった鎌で斬り裂いてみたが、何も効果は無かった。

 では、普通に照眼を使って照らしてみたが、これも一切効果無し。一体この闇はなんなんだ。誰が作り出しているというんだ。辺りを探るが何も見当たらなかった。


「くそー。一度入ったら出られなくなりそうだから入りたくないってのに!」

 一度ブッチにメッセージを送っておこう。お互いの現状を確認しておいた方がよさそうだし。


マブダチからのメッセージ:俺ら閉じ込められてしまっているってことかー。うーん。だけどそれなら頑張って自力で出たいな。これじゃ洞窟でねっこちゃんに助けられた時と一緒ですげー悔しい。穴を掘るなり何かするなりで絶対出てやるから、ねっこちゃんは手を出さなくていいよ。


 えぇ。自力で出るって言ったって、こんなのどうするっていうんだ。闇に覆われているのになんとかなるのか? いや、ブッチならなんとかするのか。したいんだろうなぁ。前と同じような状況だったらそれはなおさらか。何も出来ないままってやっぱり悔しいよね。私にも経験がある。

 苦手なアクションゲームがあった。一生懸命進めててきたが、どうしても進めない場所があってそれが得意な友達に頼んで進んだことがあった。だけど、後になってそれが心残りになってしまって、結局自分で何度もやり直してクリアした。その時の達成感は今でも忘れられない。

 そうだ。できないとか無理とか言ってたらずっとそのままになってしまうんだよね。中には本当にできないこともあるかもしれないけれど、精一杯やってもいないで飽きらめるっていうのは何か違う気がするし。

 よし、ここはブッチ達を信じてみよう。むしろ私達がやらなきゃいけないのは、どこのどいつがこの攻撃を仕掛けてきたのかってことを調べることだな。気配感知でも出てこないのが怪しいけれど、手掛かりを探すことはできるだろう。


「私達は、この闇を発生させた奴を探すよ。」

「ブッチドノタチノコトハイインデスカ?」

「なんとかするって言ってるから、私達は邪魔したら悪いよ。ブッチならなんとかする。」

 どうするのかは知らないけれど、やってみると言ったからにはなんとかすると思う。私達は手助けをするのではなく別方向からやれることをやる。

「たけのこ、空からこのあたりがどうなっているかみたいから協力してくれる?」

「ガッテンショウチ!」

 たけのこに飛行を使って、この辺りがどんな状況になっているのか上空から探ってみることにした。そして私はたけのこの背に乗り、空高く舞い上がっていく。あっという間に樹木の遥か上まで移動した。辺りを見下ろして、驚愕した。

「ねこますサマ! マ、マックラデス!」

「本当だ…!」

 ブッチ達がいると思われる熱帯雨林の領域は、漆黒の闇に覆われていた。地表ではうっすらとした霧のような闇に覆われているのが見えたのだが、上空からだと本当に真っ暗だった。これは、なんかやばいんじゃないかと思い始めてきた。こういうのができるのって、魔王とかそういうやばそうな存在じゃないのかと思ったけれど、そんなのはまだ見たことが無いので、予想でしかない。

「他に怪しいものは…ないなぁ。敵の姿も何もないし、気配感知もなんともない。しょうがない、たけのこ。戻ろうか。」

「ハイ!」

 あっさり戻ることを決めたのは、あまり空を飛んでいたくもなかったから。上空は目立ちすぎるので、どこからか一斉射撃などされる危険性があるし。とにかく急いで私とたけのこは地面へと戻ったのだった。ビスケットが目印になったのが良かった。


「空から見てきたけど、ここから先は暗闇に覆われていて、中は何も見えなかったよ。入ったら出られなくなるっていうのも納得できるものだったし。」

 この暗闇を生み出した奴は誰だ! なんて問い詰めたいところだけれど、そんな奴はどこにもいないようだ。もしかしてこれは自然発生したものではないのかと言う考えもあるが、入ったら出られなくなるような現象が発生する理由がよく分からない。なので、私達を狙う敵が仕掛けてきた何かと言った方が分かりやすいだろう。

「んーそれじゃあ、この先って一方通行って事ですね。でもこの暗闇の中に途中で入るのやめたらどうなるんでしょう?」

 ビスケットから疑問の声が上がった。確かにそれは気になった。そうだなぁ、それじゃあ試しにその辺に落ちていた木の棒で試してみるかな。

「えいっ。おいしょっと。んぐぐぐぐぐぐ! ぬ、抜けない!」


 真っ暗になっている部分に入れてみたのはいいものの、それを引っ張り出そうとすると、取り出せなかった。なんだか網を使った漁業にこんなのがあったような気がするな。外から入れるけれど、内側からは決してでられないようになっているって仕組み。

 これ、ブッチは本当に大丈夫なのかな。もう一回メッセージしておくとするかな。するとすぐに返事が返ってきた。


マブダチからのメッセージ:これ、多分何度も攻撃し続ければ出られるんじゃないかなと思って、ひたすら攻撃しているよ。手ごたえはあるから、多分あと何万回か攻撃すれば出られる気がする。


 何万回って…どれだけ攻撃をし続けるんだ。この闇に触れたらダメージとかはないってことなのかな。それと、この闇は、ブッチの物理的な攻撃で壊れるんだろうか? 難しい気がするんだけれど、こういうのは挑戦してみないといけないというのはよく分かる。ちまちま時間をかけてぶっ壊すというのは私もやってみたことがあるし、出来ないと決めつけてしまうと挑戦する事もなくなってしまい結局つまらないことになることも多々ある。

「えーと、やっぱりブッチはこれをひたすら殴りまくってぶっ壊すらしい。」

「マスターのお友達さんはこれを壊そうとしているって本気ですか? こんなの壊そうなんて無謀じゃないですか。」

 私もそうだとは思うんだけれど、でもぶっ壊したいってことなんだろうな。私にもそういう経験があるのでよく分かる。

 ダメージを1ずつしか与えることができないモンスターを、ひたすら攻撃し続けて倒すということをしたことがある人ならきっと分かるだろう。どれだけ時間を要しても、時間をいくらでもかけていいのであれば、挑戦し続けるプレイヤーというのはいるものだ。

 ブッチは今、それに挑戦しているというわけだ。今頃、この闇を物理的に破壊しようと、何度も攻撃を加え続けていると思う。


「ブッチが頑張っているし、私達も敵がいないかもっと真剣に探してみないといけないね。」

「コノヨウナヤミヲ、ツクリダスコトガデキルモノガイルトハ…。」

「オソルベキチカラヲモッテイルノデハ。」

 紫色のワイバーンと毒狸の母もどきを倒してここまで来たけれど、まだそんな強敵が出現するのかと思うと気が滅入ってくるな。ブッチは楽しめるんだろうけれど、私の周りは敵ばっかりなので、もう少しどうにかならないものかなと思ってしまう。

「私の邪魔をするものばかりな気がしてきた。」

(母上、元気出して下さい。みんな母上の味方ですよ。)


 そうなんだけれど、敵が、私を付け狙う敵が多すぎてやっぱり腹が立ってくる! まぁ今回はブッチ達がここに紛れ込んだから何者かが攻撃してきただけなのかもしれない。だけれど、私の方も探りを入れられてたかもしれないので、ブッチ達が捕まった原因も私にあるかもしれない。あぁー、さっさと私のところまで殴り込みにでも来て貰いたいっていうのに、そんなこともないし。ん? さっさとかかってこないのはなんでだ? あっまさか!?

「夜行性のモンスター!?」

 …今、全然襲い掛かってこないのは光を浴びたら死ぬみたいな設定だからかもしれない。そうだよ。ヴァンパイアか何かがこういうことをやってのけたのかもしれない。ゲームでは結構上位モンスターになるはずだから、こういうことが出来てもおかしくはないだろう。

 となると、これは夜になったらもっと闇で覆われてしまって、私達もブッチ達と同じように捕らわれてしまうってことじゃないのだろうか。うわぁ、それは嫌だな。


 このあたり、私の妄想みたいになっているけれど、闇を生み出すモンスターなんてそうそういないと思うし、かといってこのゲームの完全オリジナルのモンスターではない気がしている。ヴァンパイアと言えば闇に生きる吸血鬼。これが一番しっくりくる。

 この漆黒の闇が相当頑丈であるのは、ヴァンパイアという強いモンスターが生み出したからかもしれないな。

 だけど分からない。仮にヴァンパイアが相手だとして、何で私達を狙ってきているんだ? まさか私が毒狸の母もどきを倒した程度の事でびびっているってわけではないと思うんだけれど。

「ヤコウセイ、タシカニアリエソウデス。コノアタリニヒソンデ、コシタンタントワレワレヲネラッテキテイルノカモシレナイデス。」

 イッピキメの言う通りだ。ヴァンパイアってのは影に隠れているなんてここともあるそうなので、私の気配感知だけじゃ探しきれないのかもしれないな。くそー影になんて隠れやがって。最悪、私達の戦い方とかをどこかでのぞき見していた可能性もあるな。

 こちらの手の内が相手には分かっている状態って言うのは腹が立つなあ。


「マスター。それじゃ深夜まで待つんですか?」

「いや、待たない、むしろ深夜までに、どこにいるのかを探さないといけないよ。」

絶対夜になると強化される系のモンスターだろう。だとすれば、明るい今のうちに発見しておきたい。運が良ければ、弱体化していて倒しやすいかもしれないし! よし、こうなったら徹底的に探してとっちめてやるぞ!


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