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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
333/473

第333話「修行が必要」

10/21追記しました。

「ねこますドノ。ワレワレハ、コノママデハアシデマトイナノデハナイダロウカ。」

「ウム。マルデヤクニッテイナイキガシテイル。」

 なんてイッピキメとニヒキメが言い出したので何事かと思いきや、戦闘で大して役に立っていないことを気にしているらしい。だけど毒狸の母もどきと戦った時は、私の補助として役に立っていたじゃないかと説明する。しかし、あの程度では駄目だとか、満足した結果ではないとのことだった。

 そこで、たけのこも同じようなことを言い出した。

「ワタシモ、ねこますサマノ、オヤクニタテテナイデス。」

 しょんぼりしているたけのこの頭をよしよしとなでるのだけれど、これはどうしたものかと思った。私としても、なんとかしてやりたいことだけれど、私自身も大して強くないので、何をどうすればみんなが強くなれるのだろうと思った。


「俺は強さに自信がありますけれど、先輩方って自信なさすぎじゃないですか?」

 ビスケットが煽りだして皆一斉にぎらついた目をしていた。

「お、やればできるじゃないですか! そういうぎらついた勢いが大事ですよ。あはは。」

「ツヨサニジシンガアルノハイイガ。」

 ひょいっと、たけのこが、ビスケットの足元のあたりまで移動する。そして、その後ろに素早く移動して、右膝の裏を軽くどついた。そして素早く左膝の裏もどつく。

「あわわわっ!?」

 バランスを崩して、倒れるビスケットだった。まぁこれはしょうがない。あれだけ煽られたら腹が立つのも分かる。

「うー。酷いですよ。たけのこ先輩。」

「ワタシハ、コレデモヨワイノダ。ツマリオマエモヨワイノダトイウコトヲシレ。」

「えー嫌ですよ。俺は強いって思ったほうが強くなれますし。そんな弱い弱い言ってたら気分も晴れないですし。」


 ビスケット…! なんて前向きな奴なんだ。こんな事を言いだすなんて、私は嬉しいよ。ところで、ひじきは自分の事をどう思っているのかなー?

(私は、母上の魔力が無いと何もできないです…。ごめんなさい。)

 そこで落ち込まないでよ!? 魔力があれば何でもできるってことなんだろうからさぁ! そんな自分を責める必要ないよ!

(ありがとうございます。そうですね、魔力を別などこからか供給できるような仕組みを考えてみますね。)

 そうそう、何かできる事から探して行けばいいんだよね。というわけで、みんなにもそんな感じで伝えておく。

「あー、だけど修行って言うのも大事だね。」

「ブッチドノカラ、シュギョウヲシテモライマシタガ、アノウゴキニトウタツデキマセン。」

「ドウシタラアノヨウナウゴキガデキルノデショウカ。」

「ワタシモシリタイデス。」

「そんなの私が聞きたいよ!!!」

 無茶な事を言わないで欲しいと思った。あの動きはブッチにしかできない特別な動きだろう。あんなのが出来る奴が沢山いたらそれはそれで大問題だ。

「あー。だけど、ドラゴンフルーツ集めも結構いい感じのペースで進んできているし。みんなで修行もするようにしよう。」


 毒狸の母もどきを倒した後は、何とも戦っていないので、動きが鈍っているかもしれないしなぁ。うーん、でも武器を持って戦うのも大変そうだし。そこらへんの木の棒でも使ってイッピキメとニヒキメと戦ってみようか。

「エ、ねこますドノトモギセンデスカ?」

「そう、この木の棒でだけどね。武器を使うのはちょっと嫌だし。まぁかるーくいこうよ。というか私なんて道具に頼ってばかりだから大して強くないって言うのも分かるよきっと。」

 実際、私が大したことが無いと分かれば、もっと気楽な感じになれるだろうと思った。


「じゃあやってみよう。」

「ワカリマシタ! シヌキデヤリマス!」

 まずはイッピキメと戦ってみることにした。木の棒使ってチャンバラをすることになるとは思わなかったけれど、まぁ面白そうだしいいか。

「よーし。じゃあ俺が合図しますよ。では位置について。えーっと。初め!」


「ウォオオ!」

 イッピキメが棒を持って私に向かってきた。あれ? 何その動き。すごい遅いというか、あれ? こんなの簡単にかわせるんだけれど。もしかして、私に失礼だと思っているから全力でこないとかそういうのじゃないよね? うん、かわしたかわした。ちょっとー真面目にやりなさいよー。

「イッピキメ! 本気できていいからね!?」

「ウッ!? ウォオオ!」

 立派な掛声をあげるんだけれど、やっぱり遅い。えー、そんなことしなくていいっての、ここはお互い手を抜かずにやるべきところでしょう! まったくもう!

「えい。真面目にやれい。」

「ブワッ。」

 イッピキメの頭を着の棒で叩いた。まったくもう。冗談はいいんだからさぁ。


「オオオオオオオオオ!」

「…おりゃー!」

 今度は脇腹あたりをどついてやった。いやいやいや、本気でやって欲しいっていってるよね私! そういうのはいいんだからさ! やめてくれない!?

「あ、あのねこますドノ。」

「ん、何?」

「ワタシハ、ホンキデヤッテマス。ゼハーゼハー。」

…え、マジで!? あの動きで本気!? 嘘だよね。嘘じゃないのか。ええっ、どういうことだ。わけが分からなくなってきたぞ。これはあれか? 私がいつの間にか強くなっていたとかそういうオチだったりするんだろうか。いやまさかなぁ。アハハ。

「じゃあ、今度はニヒキメも一緒に私に攻撃してみてくれないかな?」

「ム。オレモデスカ。ワカリマシタ。」


 これで真偽が判明するだろう。私が強くなったとは思えないが、二匹を相手にして余裕だったら多分強くなっているのは確かなんだろう。

「デハ、イキマス!」

 二匹が私に向かって攻撃を仕掛けてきた。私はまず、軽く後ろにステップをしたのだがそこへニヒキメが棒を持って斬りかかってきた、これは…遅い! なんだその遅さはと思うような感覚だった。そしてイッピキメが私から見て左側から斬りかかってきていた。これも遅い! どうなっているんだ。何かそういう超感覚的なものに目覚めたということなんだろうか。

 きっとゲーム内でレベルアップしているのだと思うが、その影響というのも考えられるな。現実ではこういったことがないと思うし。


 私は、最初に突進してきたニヒキメの棒に自分の持っている棒を叩きつける。これで私は無防備になると思ったので、イッピキメが横から攻撃してきておしまい、のように思っていたが、動きがゆっくり過ぎたので、難無く回避する事ができた。

 棒を使うのは慣れてないけれど、動きが遅ければ、当てるのも簡単だと思い、そのままイッピキメの頭を軽く叩いた。ニヒキメが棒を両手で下から振り上げてきたが、これも軽く後ろに体をよじって、かわす。直後にニヒキメの脇腹を棒でどついた。


「…マジだったのか。」

「ね、ねこますドノ。ウゴキガオカシイデス。」

「マルデ、ブッチドノノヨウデス。」

 私をあんな戦闘狂と一緒にしないで貰いたい。あんなに動けるのはおかしいし、私はあんな動きをすることができない。あれが私のしたい動きなので、今の動きはそのレベルには全く達していないわけだし。だけど、二匹を相手にして余裕だったということは、私も強くなっていることは確かのようだ。信じられない話だけれど、強敵と沢山戦ってきたし、それこそブッチとも一回戦っているから、素早い動きに慣れてきたというのもあるかもしれないな。


「イッピキメ、ニヒキメ、二人とも修行が足りないだけ! 多分そう! もっと動けるようならないとこの先死ぬよ!」

 この二匹に死なれたらまずい。レッドドラゴンが復活してしまう。だからといって、この二匹だけずっと弱いままというのも駄目だ。折角仲間になったんだし、ここで生き延びてもらうことが目標だ。強くなれば、それだけ死ぬ可能性も低くなるのだから、ここは一生懸命頑張ってもらう。

「ムゥ。ワカリマシタ。デハ、ねこますサマノ、オジカンアルトキニ、シュギョウヲツケテイタダキタイノデスガ。」

「オネガイシマス。」

「あ、え。まぁいいけど。」

 ドラゴンフルーツを集めながら、ここで修行か。悪くないかもしれないな。だけど私との修行なんて模擬戦にしかならないから。この辺り一帯の敵とも戦いたいなあ。威圧を抑えれば、他にも色んなモンスターが出てきたりするのかな。

「ね、ねこますサマ。ワタシニモシュギョウヲツケテモライタイノデスガ。」

 え!? た、たけのこも!? いやいや。たけのこはまた戦い方が違うから無理でしょうと思ったのと、動きはかなり素早くなっているし、私と戦う必要はないと思うんだけれど。


「たけのこはわたしよりも動きが素早いし強いと思うんだけれど。それに棒も持てないので修行は厳しいんじゃないかと」

 仮に棒を口で咥えたとしても、棒だし折っちゃうだろうから難しいだろうな。

「デアレバ、ジッセンケイシキデ…。」

「それは私が死ぬ! たけのこはもう超強いし!」

 ここは素直にそういってみた。私は、今のたけのこに勝てる自信が無い。たけのこの主として情けない気もするけれど、そうとしか思えなかった。

「ソンナコトハアリマセン! ねこますサマハツヨイデス! サイキョーナンデス!」

 そんな力説しなくてもいいのに! うーん、どうしようかなあ。私も無傷では済まないだろうし、たけのこに全くダメージを与えないかと言うとそこまでではないと思うし、実戦かあ。


「ヤ、ヤクソウヲイタダケレバ、ケガヲシテモダイジョウブデス。」

「ん? んー確かにそうなんだけれど。」

 そこまでやる必要があるのかなあと思っていたんだけれど、たけのこがこちらに期待の眼差しでじっと見てきている。あっ! これ分かった! 戦いと言うより、遊んでもらいたいときの顔だ! これはそうに違いない! イッピキメとニヒキメばかり構ってずるい! みたいなノリなのかもしれない。となるとやっぱりたけのことも戦ったほうがいいんだろうなあ。

 遊びというわけでもないんだろうけれど、最初期に仲間になったわけだし、このままほったらかしにするのはよくないね。よし、たけのことも戦うとするか。軽くだけれど。

「うーん。じゃあたけのことも軽く! 軽く戦う事にするからね!」

「オオ、アリガトウゴザイマス!」

「マスター…お、俺だけ仲間外れな気が。」

「ビスケットはひとまず保留で!!!!」

 ここでビスケットの相手までしたら私は死ねるのでそれは却下した。


暇な方はぜひ、感想、評価などを頼みます。

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