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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
331/473

第331話「沢山集める!」

昨日に引き続いて今日もすみません。

明日追記します!

10/19追記しました。支離滅裂な部分も訂正しました。

 ドラゴンフルーツ狩りを邪魔するものは誰もいなかった。そのため私達はしばらく黙々と作業を続けた。雨が降ってくることもなかったので、ドラゴンフルーツは大量が集まっていく。

 それにしてもやっぱり私は、こういう繰り返し作業が好きなんだというのを実感してしまった。別にルーチンワークじゃないとだめってわけじゃないんだけれどね。

「ドラゴンフルーツが大量だ! これでボスとかと戦っても、力尽きることがなくなるね! 多分だけれど。」

 ドラゴンフルーツを沢山食べればスキルを使い放題になるし、ボスと連戦することになってもなんとかなるだろう。だけど、絶対に大丈夫なんてことはないのでそういうところはきちんと考慮しておかないといけない。

「マスター? なぜ多分などと言うのですか? マスターだったら、耐久できればどんな奴でも葬り去れそうじゃないですか!」

 だからね、私も謙虚に言っておこうって思っただけなんだよ。ところで、どんな奴でも葬りされるってということなんだ。私はそんなことできないぞ。そんな思い込みをされても困る。ああ、街では魔者の件が話題になっているようだが、そういう事を言われていてもおかしくはないのか。


 私は強い人間でもないし、このゲームのねこますだってそれは同じだしなあ。純粋に強い人間のプレイヤーと戦ったら、負けて悔しい思いをしてしまう気がするな。結構ゲームをプレイしてきたけれど上達はそこまでしなかったからなあ。残念だ。

「私が強かったら毒狸の母もどきをもう少しうまく使えたんじゃないかと思うんだけどね。」

「流石マスター! 自信に満ち溢れていてすげーです! 尊敬します!」

 しなくていい。というかビスケットがすごいうきうきしている感じだなあ。なんでこんなに元気なんだろうな。

「ビスケットはなんでそんなに元気なの。」

「その辺の木からエネルギーを吸い取っていたら力がみなぎってきたからです!」


ん? その辺の木ってどういうことだろう。あれ、なんか干からびた気があるな。あっ、粉塵のようになって消えた。えぇー。ビスケットってこういう木からもエネルギー吸収ができるのか。すごいな。

「これから邪魔な木があるたびにエネルギー吸収を使えば、パワーアップできるかもしれません!」

 邪魔な木って、この辺りの木はみんな邪魔みたいな扱いをしていたと思うんだけれど。ビスケットがやろうと思えばこの熱帯雨林全域にある木からエネルギーを吸い取りまくりってことなんだろうか。

「いやー。最高だなあ。」

 待てよ。本当にそこらの木だけに使っているのか? この辺りのドラゴンフルーツが生えている木のエネルギーも吸い取ってしまっていることはないか? その可能性はあるし、このあたりで使うのはやめさせたほうがいいな。

「ビスケット。このあたりで使うのは禁止ね。ドラゴンフルーツの木からもエネルギーが無くなって狩れなくなったら困るし。」

「え、ええー。そんなぁ。」

 残念そうに言うが、これはしょうがない。もう少し離れたところでやるならいいんだけれど、ここで使っているうちにドラゴンフルーツの発生頻度が落ちてしまったり、消えて無くなってしまったりしたらそれは取り返しのつかないことになってしまうし。

「エネルギーなら他のところで集めればいいでしょ。」

「うーん。それもそうですね。」

「あ、でも何でエネルギーを集めようと思ったの。」

「俺、もっとこうゴーレムらしいゴーレムになりたいので、エネルギー集めればなれるんじゃないかと思ったんですよ。」


 足だけゴーレムの形態が嫌だったのだろうか。そうなると私にも責任があるので、申し訳ない気持ちになってきた。だけどエネルギーを集めれば元の姿に戻ることができるのかな。

「ゴーレムラシイゴーレムデイイノカ?」

「ワレワレハ、ソノスガタノホウガ、ねこますサマニ、ツカエルニフサワシイスガタダトオモッテイルゾ。」

 え、何で急にそんな事を言いだしたんだこのリザードマン達は。私に仕えるって言うのも変じゃないのか。ああ一応ご主人様的な扱いにはなっているんだろうけれど、仕えさせているなんてことはない気がする。マスターなんて言われているけれど。

「え、俺のこの姿ってそんないいんですか? イッピキメ先輩、ニヒキメ先輩。」

 先輩って言い方なのか。ああ、なんかこういうノリは結構好きだな。この二匹が先輩としての貫禄がないってところなんか特にいい気がする。ギャグ漫画っぽい雰囲気がして和むし。


「ウム。アシダケノゴーレムナンテミタコトガナイカラナ。」

「ソレダケオマエハ、トクベツナソンザイナノダ。」

「うわ、そんなに褒められると照れちゃうなあ! へっへっへ。たけのこ先輩はどう思います?」

「ワウッ!? ワ、ワタシカ。ウウム。ナカナイイノデハナイカ?」

 あっ、たけのこにも飛び火した。となるとここは勢いでひじきを召喚しておくとしよう。

(えっ!? そんなっ! 母上!?)

 まぁまぁ、いいじゃないか。普段は交流が少ないんだから、こういう時くらいもっとお喋りを楽しもうじゃないか。

「あー嬉しいなあ。はっはっは。あれ!? レアキャラのひじき先輩じゃないですか!」

「レアキャラって…。私は普段は母上の魂の中にいるだけですよ。」

「えっ!? マスターってひじき先輩のママだったんですか!?」

「ソウイエバ! ソウナノデスカ、ねこますサマ!?」

「そんなわけないっての!? あっいやひじき、そういう意味じゃないって事で説明しようとしただけでね。いや別に仲間じゃないとかそういうことを言いたいんじゃなくて。」


 まずいぞ。話がおかしな方向に進んできてしまった。ええい、こんなお喋りをしたいんじゃなかったんだ。

「あ、あー。私としてもビスケットは特別感のあるゴーレムだと思っているから、そのままの姿でいいんじゃないかなって思うよ。」

 ああっ思わず言ってしまった。でも個性的と言えばそうなんだから、これでもいいのかなとは思い始めてきているけれど。ゴーレムって感じが全然しないんだよなあ。

「やったー。マスターからも褒められた! それで、ひじき先輩はどう思います!? 俺に愛の告白しちゃうくらい見惚れちゃいます!?」

「そんなことあるわけないじゃないですかっ!? ゴーレムらしくないゴーレムですよ!? オリジナリティはあるかもしれないですけれど、デザイン的にどうなんでしょう!? 私も見た目としては全然自信がないですけれど、己惚れるのもよくないと思いますよ!」


 おお、はっきり言うひじき先輩かっこいい! 私に出来なかったことを平然とやってのけるなんて!

やっぱりすごいよ!

「母上~からかわないでくださいー!」

「あっはっはー。もうひじき先輩ってば、その黒い羽とかすげーかっけーじゃないですか! いやーマジで尊敬しちゃうなー!」

「え!? あっ、そのありがとうございます。」

 ひじき、ちょっと褒められた舞い上がっちゃだめじゃないか。恐らくビスケットは天然だぞ。ああいうことを平気で言ってしまうだけなんだよ。

「ああ、もう! 私は戻りますからね!」

 というわけで、ひじきの召喚は終了した。いやー面白い物が見れたなあ。やっぱりこんな風にみんなでワイワイできるのはいいなあ。NPCにも感情があるってこのゲームで好きなところだな。


「で、ぶっちゃけ俺のデザインは、オリジナリティがあるらしいですけれど、もうちょっとかっこよくなりたいところなんですよ。」

 もうそれでいいじゃないか。かっこよくなろうと思う心だけでいいと思うよ。私なんて、可愛くなろうなんて思っているのに、装備品のせいでなんだか凄い事になってしまっているし。ファッションセンスの欠片もない姿だよ。ふ、ふふふ。

 それに、可愛い恰好は人間化すればそれでなんとかなりそうだからいいんだ。般若レディの時はこのジャージ姿が似合うようになってしまったし、これでいいや。

「ジュウブンカッコイイトオモウゾ。」

「本当ですか! たけのこ先輩! だったらワンダフルかっけえって褒めてください!」

 何がワンダフルだ。そう言わせたいだけだろう。そしてたけのこは犬じゃない狼だ。ワンワン言わせようったってそうはいかないぞ。


(母上。ビスケットさんと話しているとまた時間がどんどん過ぎていきますけれどいいんですか?)

 …そうだったね。またビスケットのペースに乗せられてしまったよ。はぁ。もしブッチとビスケットが出会ってしまったら相当な事になるような気がするよ。会話が弾むのかもしれないけれど、意味が分からない方向に進んでいきそうな気がする。

「ビスケット。ソロソロコノワダイハオワリニシヨウ。ドラゴンフルーツヲアツメナイトイケナインダカラナ。」

「えぇー。もっと話をしましょうよー。ねこますサマってそんな仕事中毒みたいなのでいいんですかあ?」

「え? これは仕事でも何でもなくて必要な事だからやっているだけだよ。」

「義務を感じていて、仕事をやっているように見えますよ。」

 ……。確かにそうだ!? 元々、こんなになってまでドラゴンフルーツを集めなきゃいけないとかなかったはずなのに、段々義務を感じてきていたぞ! そりゃあクロウニンとか強敵が待ち構えているけれど、それって私が戦わなきゃいけない義務なんかは元々無かったはずだよね!

 そうした戦いを強制的にさせられようとしているのに、私は今まで何をやっていたんだ!? あれ、もしかしてビスケットの発言って結構核心をついていたりするのか!?

「あ、あー。何かあった時の為にも必要だからね。」

「そんな一杯集めて戦争しにいく感じですよね。敵は誰ですか?」

 クロウニンだ。というかもう私が苦労人じゃないかこんなの!? うわーもう当然だけれど戦うことを放棄したくなってきたー。面倒くさくなってきたー。


「クロウニンってすごい強い奴だね。私の命を狙ってきているんだよ。」

「うわ、マスターの命を奪おうとするなんて、極悪非道ですね。」

 ビスケットも元はそういう感じだったとかひじきを除いた他の皆も元々はそうだったので、なんだかバツが悪そうな感じだった。

「まぁそんなわけでね。ドラゴンフルーツが必要なんだよ。で、この話は一旦終わり! ドラゴンフルーツをある程度集め終わったらまた聞くから!」

 無理矢理話をしめたが、私もプレイ方法を考えないといけないなあと感じたのだった。


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