第330話「今日の目的」
すみません。明日追記致しますorz
10/18 あまり字数を増やせませんでしたが追記しました
10/19 最後の方が支離滅裂な文章になっていたので訂正しました
マブダチからのメッセージ:ねっこちゃんすげぇことになったな! おめでとう! こりゃもう<アノニマスターオンライン>で最強を目指すっきゃないね! ねっこちゃんならできるよ!
…まったくもって嬉しくない。何もめでたくない。何が私に出来るというのか! 魔者という存在が広く知れ渡ってしまったというのが駄目すぎる。というかこのゲーム内で魔者の評価がどんなものだったのかすごく気になっている。今度、街に行ったときに情報収集してみようかな。
エリーからのメッセージ:ねこますさん! 私は今、街にいるんですけれど、すごいですよ! みんなが魔者はどこだとか魔者の正体は誰だとか大騒ぎになっています! 街全体が魔者の件でもちきりです!
…へぇ、なんでみんなそこまで魔者に興味を持っているんだろう。おかしいなぁ。こんな称号なんて、ただ塔に登って取得できてしまっただけだというのに。なぜブッチじゃなかったんだろうか。ブッチだったら、誰がかかってきても喧嘩上等みたいなノリでいいんだろうけれど、私は平和主義なのでそんな争いごととは無縁でいたい。
はぁ、こうなったら、ほとぼりが冷めるまで街にはいかないようにしよう。自分の事が、そこら中で噂になっているのが嫌だし。きっと時間が経てば忘れられるだろう。こういう話題は、飽きられるのだって早いはずだ。私が街に行って下手に騒がなければ、いずれは忘れられていくだろう。
オンラインゲームってお祭り騒ぎになることも結構あるけれど、今回の事は本当に驚いたよ。まさかわざわざ魔者の事を告知するなんて予想外の出来事過ぎた。魔者の存在に関して問い合わせが多かったからとかなんとか言ってたけれど、なんで多かったのかとか、とても気になるな。それと、このタイミングだったのは偶然なんだろうか。毒狸の母もどきを倒したことが何らかのきっかけになったとか言うわけじゃないのかな。考えても答えは分からないけれど、きっかけが何だったのかは今後調べることができたらいいなあ。
そういえば、エリーちゃんは特に問題なく町の中に入れたんだな。サキュバスだから、入れなくなるとか言うわけでもなかったのか。それとも実は正体がばれている、とかありえるかもしれないな。そのあたりは一応聞いておくとしよう。
そうだ、転移石の事をブッチとエリーちゃんに伝えておかないとな。これがあれば大分移動の手間が省けるのだから、熱帯雨林から草原に戻って合流した時に渡すようにするかな。
おーっと! だからドラゴンフルーツだよ! まだ全然集まっていない状態なんだよね。今は捕らぬ狸の皮算用だな。いや、狸はもう倒したじゃないか! 何言ってるんだ私。ドラゴンフルーツだよ!
「みんな、毒狸の母もどきは倒したことだし、ドラゴンフルーツを集めに行こう!」
「ガッテンショウチ!」
…なぜか全員ガッテンショウチと言ったのが面白かった。
「マスター。毒狸の残党狩りとかしたりするんですか?」
「そこまでするのは面倒くさいから、襲い掛かってきた奴だけだね。」
毒狸の母もどきを倒したのは良いけれど、毒狸自体は多分沢山いると思うのでそこは警戒しておかないといけないな。今は気配感知で何もひっかかってこないからいいけれど。
「それじゃあ歩くか。…は!?」
私達が移動を再開しようとしたその時だった。辺り一面にドラゴンフルーツが無数の樹で成っていた。
これは、今までずっと幻覚でも見せられ続ていたってことか? うーん! こうなってくると幻覚耐性みたいなスキルが欲しくなってくるなあ。
「ドラゴンフルーツ。デスネ。ニセモノカハワカリマセンガ。」
これが全部偽物だったらなんて、やりきれないなあ。よっし、確かめてみれば早いんだから、さっさと手に入れてみるとするか。私はドラゴンフルーツを一個取ってみた。
メッセージ:ドラゴンフルーツを手に入れました。
メッセージは出た。そしてアイテムインベントリに残っていたドラゴンフルーツに、今回入手した分が1個カウントされた。よし! よおし! ようやくじっくりとドラゴンフルーツ集めができるよ。あー長かった。
「みんな聞いて、私達はこれからドラゴンフルーツをひたすら集め続けるからね。」
「ねこますサマ。イッコモタベテハダメナンデスカ?」
「え? あっそれはないよ! 食べるのも勿論いいからね!?」
飲まず食わずでひたすら集めろなんて言うのは無茶なので、それについては否定する。おなかがすくのはしょうがないし。食べる分は食べて、集める分は集めるというのがベストだな。だけどフルーツばかりだと飽きてしまうだろうから、アイテムインベントリに溜まっている豚肉を焼いて食べたりしないといけないな。これもこれで、薬草集めのついでに、たけのこ森林で黒豚狩りをして集めていたから溜まっている。
「ああ、水は・・・。」
川はあるけれど、浮遊の川の水並みに綺麗かというとそうでもなさそうなのがな。まぁあそこの水が綺麗過ぎるって言うのもあるけれど。蜂蜜の空き瓶の水もそう多くないからなあ、なくなってしまったらこのあたりの水をとるしかないか。うーん。蒸留水の生成。錬金術で出来るようになりたいなあと思ったその時だった。そういえば忍術の水遁で水が出せるじゃないかと思い出した。
だけど、水遁からでてくる水って飲んでも平気なんだろうか。気になってきたけれど、そちらの検証よりも前に、まずは、ドラゴンフルーツを集めることが先決だ。
「また脱線しかけているし、さっさとドラゴンフルーツ狩りをしよう! 他の事はその後考えようじゃないか!」
というわけで、ようやくドラゴンフルーツ狩りを始められることになった。あぁ長かった。たったこれっぽっちの作業をするためだけにどれだけ時間を費やしたと思っているんだ。
ああ、久々のドラゴンフルーツ狩りだ。ひたすら実になっているドラゴンフルーツを狩っていく。皆も結構いい感じで狩れているな。
面白いのが、狩りとった傍からすぐに実が復活するところだ。これはねこます草原での草刈り並みのペースだな。
「ふふっ。大量だぁ。大量に手に入る! おおおっ!」
薬草と違って、必ず手に入るというのがいい。これなら目標数集めるのも早いかもしれないな。
「ドラゴンフルーツが沢山だぁ! これこれ、これだよ! 私がやりたかったことは!」
こうやってガンガン集めておきたかったんだけなんだよ。なのになぜかみんなして邪魔しにくるし。予定より大分収集が遅れてしまった気がする。
「ねこますサマ・ココニ、シバラクタイザイスルトイウコトデヨロシイデスカ?」
「そのつもりだよー。」
たけのこが心配そうに私の方を見てきた。どうしたんだろう。まさか薬草が恋しくなってきたなんて言わないよね。
「イツモノバショトハスコシチガウノデ、ナンダカヘンナカンジデス。」
ああ、草刈りとはまた違うもんなあ。それに熱帯雨林と森林って似たような感じだけれどやっぱり結構違うし動きにくいってなっているのかもしれない。
草原近辺はもう地元って感じがして大分動きやすくなったもんなぁ。ここもそのくらい慣れていかないといけないな。ああ、ここだけじゃないか。湿地帯にしろ海底洞窟にしろ、どこでも戦えるくらいにならないといけないな。環境や地形が変わっただけで能力が落ちて戦えなくなるっていうのはあまりよくないし。
それに、地形がどんな状態であっても突っ込んでくることが出来るモンスターなんかも結構いるだろうし、そういう奴と戦う時に困らないようにしておかないとな。
「…なんか考え事しながらドラゴンフルーツ狩りができているような。」
(おそらく母上は、草刈りで慣れてしまったから自然とできるようになったんだと思います。)
ひじきのフォローが入る。そうか、自動採取できるレベルになってしまったということか。やはり何度も同じことを繰り返すと体に覚えさせることができていいな。体が勝手に動いて気が付いたら大量に薬草を持っていたり、ドラゴンフルーツを持っていたりって最高だな。
こんな感じで他の場所でも動けるようになれればいいんだけどなあ。うーん。あっそうだ。この辺りの事もそうだけれど、地図が欲しいんだよなあ。どの場所に何があるのかを私の方で全部把握しておきたいし。もしかしたら地図の機能くらいは何か設定で表示できてしまいそうな気がするけれどそれは見たくないしな。
自力で作ってみるか。このゲーム内でも多分紙くらいはあると思うから、エリーちゃんに頼んで勝ってきてもらおうかな。よし、後でメッセージをしておくとするか。今はドラゴンフルーツ狩りをしないといけないし
「なかなか集まらないなあと思っていたら1000個もある!?」
思わず叫んでしまった。おお、これだけ集まるのであれば、割とすぐ終わるんじゃないだろうか。ふふふふふ。やっと私に風が吹いてきたかもしれないぞ! よーし、このままガンガン集めていくとしよう。楽しいドラゴンフルーツ狩りはまだ始まったばかりだ! 最終回的なノリだけれど、実際この後まだまだ続けるけれどね!