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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
317/473

第317話「強敵現る!」

明日ー追記をします!!!

追記しました。

「ウオオオオオオオオン!」

 突然、熱帯雨林全域にでも轟くような唸り声が上がった。モンスターが何かを威嚇しているかのようだ。もしかして、たけのこ達と何かが戦っているんじゃないだろうか。それを考えると、すぐにでも向かわなければいけないと思った。

 気配感知で大きな反応がでてきる。西の方角だ。何だかすごい大きな反応だ。たけのこ達じゃないかもしれないとも思うが、少しでも可能性があるのなら向かわざるをえない。もう戦闘が始まってしまっているかもしれないし、駆け付けたら、死んでいたなんてことになったら後悔するだろう。

 うん、絶対に許されない。


(母上、急ぎましょう!)

 うん! 分かっている! 私はカブトスピアーを取り出し、加速を使って目的地まで移動する。折角天気が良くなったと思ったら今度は、何者かの襲撃か! くそう無事でいてくれよ、みんな!

 私は熱帯雨林を駆け抜ける。敵のいるところまでひたすら走る、走る、走り続ける。焦燥感にかられるが、たけのこ達ならなんとかなるだろうという想いもある。

 ああ、今日ログインができてよかった。もし私がいないときにやられていたら最悪だった。というかやっぱりこういうことにならないように対策を立てなきゃいけなかたんだ。私が迂闊だった。くっそーどこのどいつだ。こんなところにわざわざ出てくる敵は!?


 苛立ちながらもひたすら前に進む。すると、樹々のあまりない広い場所に出た。そこには、海底洞窟で会った、あの黒騎士と、そしてそれと向かい合うように、たけのこがいた。

 そうか、さっきの雄叫びはたけのこだったのか。精一杯黒騎士を威嚇したというわけか、なんて冷静に分析をしながらも私は、黒騎士に向かって鎌を振り下ろしていた。問答無用で先手必勝だ。私は今怒り狂っている。ふざけるんじゃないぞこいつ。なんでこんなところにまできてたけのこ達を襲っている。

「ほぅ。お前はあの時の。少しは強くなったか?」

「…!」

 何も言わない。こういう時にぺちゃくちゃ話すなんて余計な事もしない。黒騎士の剣が私の鎌を受け止めていても、何度も攻撃を加えていく。うん、なんでここまでしていたのかというと、たけのこ達はボロボロになっていた。沢山傷がついていた。これが許せるわけがなかった。そして私は薬草をたけのこたちに向かって投げつける。なんとか食べて欲しい。ビスケットも多分食べられると思うので大量に投げつけておいた。


「他人を気遣っている暇があるのか?」

「あるぞ雑魚。」

 簡単に返事だけはしておく。海底洞窟以来だが、こいつが強いのはやはりひしひしと伝わってくる。だがそれでも雑魚だ。たけのこ達を痛めつけているだけの雑魚。私にとってこいつは雑魚でしかない。こんな奴には私程度で十分だ。

「動きが単調だな。そんな攻撃が通用すると思っているのか?」

「ほぅ。お前はあの時の。少しは強くなったか?」

 質問には質問で返し、更にさっきこいつが言い放った言葉をオウム返ししてやる。動きが単調なんじゃない。単調にしているんだよ私は。決まりきった動きをしているんだよ私は。こういう動きをすることに何の意味があると思う。単調な攻撃をしていると思わせているんだよ。

「くだらんな。」

「雷獣破!」

 私が叫んだ瞬間だった。黒騎士はそのまま後ろに思いっきりとんだ。

「そいつはくらわ…。」

「真空波。」

 私は、ただ雷獣破と言葉を発しただけで発動はしなかった。こういう戦い方だってあるんだよ。


「ムッ。」

 黒騎士は真空波を斬りつけて消し去ってしまった。これも想定内だ。ふぅ、今日久々のログインだっていうのに、土砂降りで濡れた後の体だって言うのに、なんだかとても体が軽く感じる。ああ、ただひたすらにこいつが憎いと思っているだけなのに、体が、軽い。

 こいつはいきなり私の神経を逆なでしてきたのだから、問答無用で倒す。ここでやらなきゃいつまでもこいつに怯えなきゃいけない。そう思い、私は倒すことを決意する。


「威圧!」

 一見、こいつには何の効果もないスキルを発動させた。否、こいつも威圧のような物を常時出しているのでそれがうっとおしいのでやり返しただけだ。

「そんなことをしている暇があるのか?」

 黒騎士があっという間に私の背後に回り込んで斬りかかってきた。これは、普段の私だったらやられていたかもしれないが、

「…!」

 ブッチと戦った時の感覚を思い出し、鎌で迎撃した。黒騎士の剣と私の鎌が再び交差した。


「ほう。これならどうだ?」

 黒騎士の動きは実際かなり素早い。そして剣を振れば力強い一撃が襲い掛かってくる。先ほどの攻撃で手が痺れるような感覚があるが、現実だったらこんな鎌で剣なんて受け止めきれないだろう。しかしこれはVRゲームだ。だからこそ、この鎌でも攻撃を受け止めることができた。

「…!」

 なんだか。今の私は研ぎ澄まさているというか、黒騎士が攻撃してくる位置が明確に分かる。この剣は次にこの辺りにきそうだと思ったところに鎌を当てるようにする。するとそこにぷたりと黒騎士の剣が収まってくる。その繰り返して防御をしていく。


「ふむ、面白くなってきたな。」

 それは強者の余裕って奴なのか分からなかったが、こいつがまだ本気ではないということなのはすぐに理解した。だが私だってまだ本気ではない。こんな舐めたことしてくれた奴には目にものみせてやらんと気が済まない。私のたけのこ達を痛めつける様な奴なんだから、この程度で終わっていいはずがない。

 私は、黒騎士に向かって突っ込んでいく。一直線に行くのはやはり黒騎士にとってみれば単調な動きだろうが、私はこの単調な動きを何回でも繰り返すつもりだ。これが私の作戦だから。

 そして、いきなり攻撃の方法を変えるなんて言うのもするつもりがない。そんな安易な考えはこの黒騎士には読まれているだろうし、当然警戒もしているだろう。だから私はひたすら単調な攻撃を繰り返すだけだ。そう、鎌で斬りかかる。それだけだ。

「何を狙っているのか知らないが、そんな程度の攻撃だけしかできないのなら。」

 黒騎士が痺れを切らして別な構えをとった。よし! 予想通り! 私はこれを狙っていたんだ。私が単調な攻撃を繰り返せば、こいつが攻撃パターンを変えるだろう、


 私は先にこいつの動きの方を知りたかった。どんな攻撃を仕掛けてくるのか、まだどんな戦い方を隠しているのか、黒騎士の底が見えない状態で戦うなんてことは愚策だ。まずは様子見に限る。

 私が先手で実力を示してしまうというのは悪手だ。こいつの動きを全て読み切った上で戦うというのが今の私にとって一番の戦い方だと判断した。もしかしたらこいつも私がそうしようとしていることに気が付いているのかもしれないがそんなことは関係ない。


「漆黒の旋風!」

 黒騎士が剣を振りかざし、スキルを放ってきた。私の眼前に黒い竜巻が迫ってくる。私はこれに対して真っ向から体当たりしていく。

「うおおおおお!」

「愚か者が。その旋風を受けて生き残るつもりか?」

 ああ受けて立ってやろうじゃないかその安い挑発を。私はこんな竜巻程度に負ける様な奴じゃないんだよ馬鹿野郎。

「簡単に生き残れるぞ雑魚騎士君!」

 軽く挑発をしておく。黒騎士もこれに耐えられたら私がどの程度の存在なのかが良く分かってくるだろう。うんまぁ絶対に思い知らせてやると決めたからには、こんな攻撃でやられるわけにはいかない。


「そうか、ならばやって見せろ! 魔者よ!」

 あーはいはい。やっぱりこいつは私が魔者だってことを知っていたってことだね。なんとなくそんなつもりはしていたけれどまぁいいか。情報を掴めたのは良いことだが今はそんなのを気にしている暇はない。

 黒い竜巻が今すぐにでも私の体を包み、切り刻もうとしているのだからだ。よし、こいや黒い竜巻程度、どうってことはないぞ! そして黒い竜巻が私の目前に来た瞬間、黒騎士には見えなくなる位置で

私はスキルを使った。そう、土潜りだ。


 これを使っていることを見られないように細心の注意を払った。さて、私は土の中にいるわけだが、ここから少し斜めの位置にいったところで黒騎士がいるだろうから。すぐにそこから出てやる。まぁ出た瞬間に斬られるかもしれないが、それは無問題だ。

「おりゃあああ!」

 気配感知を極限まで高めて、黒騎士の位置を探り、土潜りを解除した。黒騎士だって私の位置をなんとなく把握しているだろうが、私に対して先制攻撃をできるわけじゃないだろうと判断した。

「避けた、だけとはな。」

 あんなものをわざわざ食らってやる必要性は私には無かったからな。あれはまずこいつのスキルが確認したかっただけだし。黒い旋風、注意しないとな。だけど連発は出来ないんじゃないだろうか。大技だった気がするし。連続で使われなければどうと言う事はない。それにあのスキルは見たところ、発動動作も結構遅いので接近戦をしているうちは使えないだろう。

 

 次は近接系で何かスキルが無いかどうか。そしてどの程度実力を隠しているのかだ。それが分からないでむやみに戦いを挑んだら、敗北必至だ。私は今怒りながらも、冷静ではいる。こいつを確実に仕留めるために何でもやらなければいけない。

 甘い考えは捨てる。やれることはやる。私の仲間を傷つけた罪は重いぞ黒騎士!


「お前はなかなか面白い魔者だな。いいだろう。もう少し遊んでやる。」

 何が遊ぶだ。こういう余裕しゃくしゃくの奴が苦しむ姿を見たくなってくるな。その兜の下に隠されたツラは必ず見てやるぞ。どうせこういうのはごつい系の顔をしているんだろう。私は知っているぞ。

 そしてさっさと実力を出せ、出しまくれ、そしてそれを全部私が防ぎ切った時に、お前の攻撃手段を全部なんとかしたときに、ボコボコにしてやるんだからな。誰がどうしようが、この私がお前を許さん。断じて許さん。

「遊び余裕があるのか?」

更に挑発を浴びせておく。へへへ、こういう奴って意外と挑発されると頭に血が上ったりするし、これはどんどん繰り返してやる!


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