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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
307/473

第307話「腐ったネズミども!」

明日追記します!

9/25追記しました

 腐ったネズミ達は振り切っていなかった。飛行して見えない位置に移動したというのに、上空にいるたけのこと私の方向に的確に近づいてきている。ということは、私は何か目印か何かをつけられてしまった可能性がある。このままだと、どれまでも追いかけてくるので、どこに逃げても意味がない。つまり戦わないといけなくなったということだ。

 ビスケットたちの姿も見えなくなっているが、ここはみんなで協力しないと切り抜けられない状況にある。このままだと、この腐ったネズミの餌食になるしかない。それは嫌だ。


「私を狙ってきたのは紫色のワイバーンのはずだけれど。」

「ドコニモイマセンネ。」

(どこかで母上を待っているという事でしょうか。)

 こんな姑息な手段を使いやがってと文句を言いたくなった。私はこんな奴らと戦いたくない。面倒なのではなく、きっとすごい疲れるだろう。あときりがない状況が嫌だ。ここまで倒せば終わりみたいなのが分かればいいけれど、そうじゃないと終わりが見えないので途中で挫折したくなりそうだ。

 

「あっ、ここで火薬草をひたすら落としておくか。」

「え? ねこますサマ?」

一応、この付近は、ビスケットがビームで荒れ地のようにしてしまったし、ここなら火災が発生する恐れも多分ないだろうと思ったので、火薬草で爆撃しようと思う。

「ほれほれ! 爆発だぁ! みんな爆発だぁ! 吹っ飛べええ! あはははははは!」

(母上、ストレスが溜まっているのですか?)

 かもしれないなあ。いつものことだけれど、いつものことであっちゃいけないんだよね。段々目的からそれていくのが本当に嫌いなのに、こんなことをしているのに腹が立ってきている。


「私はー! ドラゴンフルーツが欲しいだけなんだぁあ!」

 思いの丈を火薬草に込めてぶつける。そろそろ本気で目的以外の事はやらないようにしようかと思う。その結果他の事がどうなろうがしったこっちゃないくらいでやりたい。私は、面倒な事がやりたいんじゃなくて私がやりたいことをやりたいのに、なんでこう手間をかけてやらなきゃいけないんだ。

 薬草並みとまでは言わないまでも、大量に集めておいて、不安を取り払いたいだけなんだ。それをこんな腐ったネズミどもに邪魔されてたまるか!

「はっはっはー! くたばれー! くたばるんだ腐ったネズミどもがー!」

 ああ、こうやってただひたすら火薬草を投げつけるのって結構楽しいかもしれない。どんどん投げつけてこいつらを全滅させたい。数は徐々に減っていってる気がしているが、再発生の可能性も、徹底的に倒さないと駄目だな。


「おっと、飛行がそろそろ切れるか。たけのこ、そのままゆっくり降りていって。」

「ワカリマシタ!」

 そして、地上に戻ってくるが、そこに追いかけてくる腐ったネズミの群れは見当たらなかった。だけど反応はあるので油断は禁物だ。大量に倒したと思うけれどまだまだいるって酷いなあ。

「お?」

「マスター! すみませんでした!」

 密林の前で、ビスケットたちが待機していた。私達が来るのを待っていたようだ。あー良かった。そのままどこか遠くに逃げてしまうんじゃないのかと思ったよ。

「いやいいよ。それで、あの鼠の事は分かる?」

「ゾンビネズミです。噛みつかれると毒になります。」


 名前はそのまんまじゃないか。まぁいいか。噛みつかれる毒か。結構強いんだろうけれど、今の私達はみんな毒耐性があるから大丈夫だな。それでなんであのゾンビネズミとやらは大量に発生しているんだろうか。

「あのワイバーンの影響だと思います。というかあいつ以外に考えられません。」

「あいつ以外の可能性も一応考えておかないとだめだよ。あの紫色のワイバーンを操っている奴もいるかもしれないし。」


 そんな事を考えたくもないんだけれど、裏で糸を引いている奴がいたりするのがゲームではよくある話だ。まぁどんどん飛躍した物の考え方になってしまうけれど、ゾンビを大量発生させて軍隊的な物を作り出すとかいう計画を立てているのもありえそうだしなあ。

 あぁ、これもゲームでよく陰謀に巻き込まれてしまったことを覚えているだけに過ぎないんだけれど、そういうのがありそうだ。

「さすがマスターです。その操っている奴とかの場所が分からないのが困りものですが。」

「そうなんだよねえ。あのゾンビネズミどもはどうにでもなるからいいんだけれど。根本から断ち切りたいんだよねえ。」


 さっさと問題解決したいんだけれど、その元凶がどこにいるのか分からないから面倒な事になってきている。ドラゴンフルーツをさっさと探しに行きたいから、ここで隕石拳でも使ってゾンビネズミ共を絶滅させてもいいかなと思っている。もう物事は単純に行くようにしたい。後先考えずに突っ込んでいきたい。

「ねこますサマ。マタアノスキルヲツカウノデスカ?」

「まぁ最悪使わないといけないというかもう面倒だからさっさと使ってあいつらを倒したい。」

 誰だろうと私の邪魔はさせないという意志表明をしたいから使いたいだけなんだけどね。


「よし、それじゃあもうちょっと上の感知を使うか。」

 ひじきの出番だ。確か前に魔力探知っていうのが使えるって言ってたからそれを使って紫色のワイバーンか毒狸の母を探してみよう。というわけでひじき召喚!

「召喚ありがとうございます。母上、早速使っていきますよ。」

「オーケー! よろしく頼むよ!」

「うわぁああ!? 蛾だぁ!?」

 突然叫びだしたビスケットだった。あれ? 初対面だったっけ。でもそれにしたってその巨体で蛾の一匹に驚いてちゃだめだろうと思った。意外と小心者なんだろうか。

「えーと。私は黒蛾のひじきと申します。母上、ねこます様の召喚獣ですのでよろしくお願いします。」

「ムムム、虫が喋った!? うぉおお。」

 なぜそんなにビビっているんだビスケット。虫が弱点な理由でもあるんだろうか。そこまで驚かなくてもいいと思うんだけどなあ。

「あの、私が何かしました?」

おずおずとビスケットに効くひじきだった。この二匹、もしかして相性が悪いんだろうか。


「蛾は怖い! なんかこう飛び回っているのが怖い! うううう。」

「ビスケット。ひじきハ、コワクナイゾ。」

「ソウダコワクナイゾ。クロイガハキチョウデエンギガイイシナ。」

「え、それは私、初めて知ったよ。」

 黒い蛾が貴重ねぇ。私が見たことある蛾と言えば確かに白が多かったので、珍しいもモンスターである事は確かなようだ。

 それにしても、私の周りにいるモンスター達は、みんなどこか珍しい気がしてくる。たけのこだって角が生えてかなり大きいサイズだしなあ。普通の狼とは違うんだろうあ、


 「マスター頑張って慣れようにします。オレ、虫がなんとなく苦手だけれど頑張ります!」

そんなに見た目が嫌なのかどうかはよく分からないけれど、出来るだけ仲良くしてもらえないと肝心な特に仲間同士で見苦しい争いが始まってしまうから、今のうちにどんどんぶつかり合って欲しいなあ。

「あっと、話が脱線してきた。えーと、魔力感知って奴を使って欲しいんだけど。」

「かしこまりました。魔力感知!」

 何かが周囲に張り巡らされていくような感覚があった。そうか、これが魔力探知か。だけど何にも引っかかっていない。えー。この流れは紫色のワイバーンか何かがいることが確認されて殴り込みにいくようなノリじゃなかったのか。


「何も効果が無いみたいだけれど、ひじき。私の魔力が不足しているなんてことはある?」

「いえ、そのあたりは大丈夫なはずです。となると、やはりこのあたりに怪しい者はいないのではないかと思われます。あ、一旦戻りますね。」

 そういってひじきは私の体内に戻っていった。うーん。何もいないかあ。だけどそれなら一体どうしてあの腐ったネズミ、ゾンビネズミ達は執拗に私を追いかけてきているのか。

(母上が魔者だからではないのですか? 単純ですがそうなのではないかと思っています。)

 何か、事あるごとに魔者だからってなってきているのに腹が立ってきている。魔者だから敵が襲い掛かってくるとか、そんなのばっかりだ。

「それじゃあこのまま奥に突き進むでみようか。ネズミ達もこちらにどんどん近づいてきているみたいだし。敵を探しながら前に進もう。」


ゾンビネズミ達を生み出した奴を叩かないといけない。このままだと、私達のチームは、徐々に消耗していって、最終的に全滅なんてことも起こり得るだろう。

「それじゃ、たけのこ、また頼むよ。そっちもよろしくね。」

またしても移動だ。逃亡生活を送っているみたいで嫌だなあと思ったが、ここで下手に立ち向かったところで疲れるだけなのでこのままひたすら逃げる、というか元凶をとっ捕まえないとな。

「ああ。こんなことなら、寝ている時にさっさと攻撃すればよかったよ。」

 私の甘い考えだった。もう後で面倒くさいことになるかもと頭の中に入ったが、失敗してしまったことはどうしようもない。

 ただし、次からは失敗しない。後々になって嫌な事をしなきゃいけなくなるのであれば、最初に片付けてしまったほうがいいだろう。


「はぁ、疲れるなぁ。さっさと戦いたいのにできないのが辛い。」

「ねこますドノ。ダンダン、ブッチドノノヨウニナッテキテイマスネ。」

 はっ!? 戦いたいなんて言ったら確かにそうじゃないか。そんな、私も戦闘狂みたいなことを言い出してどうするんだ。もっと戦わないで何とかする方法を考えたほうがいいじゃないか。あぁさっさと解決したい! 追われるのは本当に嫌になってくるんだよお。あぁ。

(母上、大丈夫ですよ。きっと敵が見つかりますよ。)

 そうだといいいんだけどね。どこにいるのか当たりがつけられないというか、大体どのあたりにいるのかなんてことでも分かればよかったんだけどそれすら分からないからなあ。


「マスター。威圧を使ってみればいいのでは? 周りに強敵がいれば、威圧をやり返してくるかもしれないですし。それで位置が分かるかもしれません。」

…え、そんな便利な使い方が? その話、詳しく聞かせて貰おうじゃないか。


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