第305話「密林の王者?」
明日、追記します!
9/23追記しました。
9/24支離滅裂な文章になっていたので、訂正しました。お詫び申し上げます。
そういえば、この密林に毒狸がいたり、毒を持っているモンスターがいたりするっていうのは、そもそも、紫色のワイバーンが原因なんじゃないだろうか。あいつ、実はこの密林を支配しているボスだったってオチはないよな。密林の王者的存在と言うか。
毒狸の母あたりが何か知っていそうな気がするな。結構な実力者というか強そうな気がするし。
私としては、ドラゴンフルーツの採集を邪魔してくる奴がいたら戦うつもりだ。だって、それが目的でここまで来ているし、それが必然だ。
毒狸たちだって、ドラゴンフルーツを食べていたと思うが、それなら私が大量に採取していったら邪魔になるだろう。自分たちの住処を荒らすなとかそういうオチになりそうだし。だがそんなので諦める私じゃあない。
ドラゴンフルーツが必要なのは、スキルを使うエネルギー、この場合スキルポイントとでも言っておこうかな。それを回復することができるからだ。そうじゃなかったら別にここまで拘らない。何かあった時の為に沢山持っておかないと安心できないから沢山集めたいと思っている。薬草を集めた理由だってそれだ。
「ドラゴンフルーツが欲しいだけで、密林の縄張り争いが始まるのか。嫌だなあ。」
「オオ。ねこますサマ。コノミツリンヲ、ねこますサマノモノニスルンデスネ!」
「マスターすごい!」
「スバラシイデス!」
「ミツリンノヤツラニオモイシラセテヤリマショウ!」
私の邪魔をしたら思い知らせる程度なんだけれど、話が大規模になってきている!? 縄張り争いとかそこまでやりたいことじゃないし、そんな面倒な事したくない。
私はドラゴンフルーツを採したいだけなんだ。気配感知が使えるようになってきているから、邪魔な奴には手出ししないで採取もできそうな気がするんだけれど、上手くいかないものなんだろうか。あー戦うのは、面倒くさいなあ。
「ねこますサマ。アマリ、ノリキデハナイデスカ?」
「毒狸の母と紫色のワイバーン以外にも沢山敵がいると思っているからね。」
あの二匹だけでここの縄張り争いをしているとは考えにくいと思っている。他にもあと二匹くらい強そうなやつがいるんじゃないのかなあ。四天王とかそういうのが定番だし。いや、このゲームはそういう定番要素を出さないか? 7匹以上いてもおかしくはないなあ、なん十匹いてもおかしくはない。
ドラゴンフルーツを大量に採取するために、縄張り争いに参加していく必要があるならかなり大変だ。仮にここで毒狸がいるドラゴンフルーツの縄張りをとったとしても、他の奴らに攻め込まれるとかありそうだし。
攻め込まれなように管理するっていうのも面倒くさい。だとすればこの密林全体の王者になるしかない。そんなのは御免だけれど。
「…まぁ最優先で倒さなきゃいけないのは紫色のワイバーンだね。」
だけどあいつが一番強いって事だったら困る。事前に、毒狸の母から情報を引き出したいところだなあ。多分何か知っていると思うし。
でも、毒狸の母の居場所も分からないな。いや、それ以前にドラゴンフルーツがある場所も分からなくなってしまっている。これは…私たち実は迷子になっているんじゃないのか? 大丈夫かこれ。このままこの密林から抜け出させなくなったら困るんだが。なんとなく歩いてしまったのが失敗だったか。
「はぁ、ここからはずっと気配感知で何がいるのか、探っていくしかないなあ。」
運が良ければ毒狸の一匹でも見つかりそうだし。運が悪ければずっと見つからないか。ああ、なんだか草原に帰りたくなってきた。でも帰りたくはない。ドラゴンフルーツを大量に採取してからじゃないと、ただ無駄にここに来ただけになってしまうし。
ドラゴンフルーツを沢山手に入れるためには、これから密林の王者決定戦みたいなことをしないといけなくなりそうだ。もしそうなら、当然私が統一できるようにやっていかないと。あーそういうの苦手なのになー!
「デハ、マジャノタイリクゼンドヲ、ねこますサマノモノニスルノデスカ?」
(母上は魔者なのですから、確かに大陸全土を支配していてもおかしくないですね。)
なぜそうなるのだろうか。ここが魔者の大陸と言う名前だったとしても、私は支配なんてしたくはない。ただ、アイテム、この場合はドラゴンフルーツを沢山集めて死なないようにしたいだけだし。
「そんなことはしないよ。私は、のんびりアイテムが取れて、私の邪魔をしてこないんだったら、危害を加えるなんてするつもりがないし。」
「マスター。モンスターは縄張り意識が強いので、アイテムがとりたいなら、戦うしかないですよ。」
「え、そうなのか。というかなんかビスケットそういう情報どこから仕入れているの。」
ビスケットは、仲間になったばかりだけれど、どうしてそんなことを知っているのだろうか。単純に気になったので聞いてみた。
「オレに、色んなモンスターの情報があるからです。」
「それそれ! そういうところを先に言おう!?」
ビスケットは、そういう情報収集が出来たり、敵の情報が詳しかったりしそうだ。だけどこちらから聞かないと何も教えてこないという設定になっているのかもしれない。
「じゃあ、あの紫色のワイバーンの情報は!?」
「ありません。不明です。」
知ってた。多分ボスの情報になると思うし、そう簡単に敵のことなんて分からないものだと思っている。多分、私が戦ってきた敵の情報とか限定になるんだろうな。
「じゃあ、毒狸の母の情報は分かる?」
「ドクダヌクイーン。という名前しか分かりませんでした。」
名前を聞いてそれはちょっとないと思ってしまった。あれはどう考えてもただの母親みたいなものだったし、それがクイーンって。ならキングもいるってことなのかな。
それと、ドクダヌクイーンって名前が会ったこともないのに分かるのはやっぱり私が会ったことがあるモンスターが対象な気がしてきたな
「ビスケット。縄張り意識が強いのは分かったけれど、それは群れのボスを倒すことでしか解決できないとかある?」
ゲームで単純な展開としては、戦いに勝利したほうに、負けたほうが付き従うようになるといったところだろうか。ああ、これはたけのこを仲間にしたことからそうだったな。戦って勝ったら、それからたけのこはずっと私の近くにいようとしてくれるし。
「他にも解決方法がありましよ。人質をとって、抵抗できなくなっているところをひたすら殴り続けるという方法です。」
酷い。なんて酷いことをするんだと思ったけれど、私が言えたものじゃなかった。私は、ドクダヌクイーンの子供を人質にしたことがあるからなあ。あの時は緊張したなあ。一触即発だったし。
(えぇ…。母上が子供を人質にとるなんて。)
ひじき。それが有効な手段だったんだよ。毒狸の母はかなり手強そうでね。あのまま戦っていたら間違いなく私が負けていたというか命を失っていたかもしれない。生き残れたのは運が良かった。
だけど、今ならどうだろうか。毒狸の母は倒せるだろうか。私の実力は大幅に上がったはずだし。勝ちたいな。負けっぱなしのまま放置しているみたいで嫌だし。
(母上…私が人質になったらどうするんですか?)
それは相手を許さないよ。毒狸の母だってそういう気持ちで私と対面していただろうね。だけど私は生き残るためには何でもやるよ。甘い事をしていたら即やられてしまうかもしれないし。
私が以前プレイしていたオンラインゲームでも人道的とかそういうのを求められたことがあった。人質とか卑怯だとか何だとか、いや、出来る制度があったらそりゃやるよと思ったからやっていたんだけれど、そういうのをやると大体悪評がついて周るんだよね。
評判が悪くなると、他のプレイヤーからアイテムを売って貰えなくなるとかあったっけ。そういうのが面倒くさくなって辞めたのもあるなあ。
と言うわけなので、私が嫌になったらいつでも言ってねひじき。召喚の契約みたいなのは解除してもいいから。
(そんなことしませんよ。私は、母上が私の事を心配してくれないのかと思っただけです。)
お、なんだそんなことか。あっはっは。仲間は仲間なんだから大事にするよ。仲間に裏切られて爆弾を投げつけられたりしたゲームはあるけどねぇ。ふ、ふふ。ん?
「あれ。上空?」
気配感知で空に何かがいることが確認された。何だろう。紫色のワイバーンか? おお、この密林から去ってくれるんだったら幸運だな。私の邪魔をしないならそれはそれでいいや。どこかでおとなしく暮らしてくれるといいんだが。
「ねこますサマ。ソラニナニカイルノデスカ?」
「うん。移動していくみたい。私達には気が付いていないはず。」
はず、というのは私が昔やった作戦を紫色のワイバーンがやってくるかもしれないということを考えたからだ。つまりこっちに気づいていない振りをして奇襲を仕掛けてくるという事だ。
「長距離攻撃を仕掛けてこられたらまずいね。」
私は用心深いということはない。ただの経験でこうなっただけだ。こちらから見えない位置で攻撃を仕掛けてくる敵というのは結構多い。そういう苦い経験を基に対策を考えられるようになったというだけだ。
「あの、マスター。オレは結構背が高いんで、見つけられているんじゃないですか?」
あっ!? そうだよ。ビスケットは空からでもなんとなく見えるじゃないか! なんか変な奴がいるぞってことで、注目していてもおかしくない。いきなりこっちに向かってくる可能性も出てきた。これはまずいな。よし、ビスケットは、膝を下げながら歩くように!
「歩きにくいです。」
「我慢して。」
ビスケットが目印になってしまうのなら隠すしかない。あの紫色のワイバーンにも気配感知が備わっていたら意味がないけれど。というかまず紫色のワイバーンかどうかも分からないんだよなあ。
「ひとまず、ここでじっとしていよう。何かが来たら戦うという事で。」
ふう、怖いなあ。敵の姿見えないからすごい不安だし。出てくるならさっさと出てきて欲しい。