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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第5章「般若レディは備えたい」
301/473

第301話「密林を探検開始」

すみません。明日追記します!

9/19追記しました。

 下半身しかないゴーレム、ビスケットの挙動不審の行動に手を焼きながらも、なんとか密林の手前まで移動することができた。

 徒歩だけだったらここまで早く移動はできなかったので、たけのことビスケットの働きには感謝だ。ビスケットはもっと教育しないとおかしなことをしでかすので問題があるけれど、それさえ改善されれば役に立つようになるだろう。

 それにしても、久々だなあ。一回来ただけで、探索もそこまで出来なかったので、今回はじっくりとやっていきたい。

 とはいえ、後ろに毒狸の母が控えているので、あいつと遭遇してしまったら一筋縄ではいかないだろうな。他にも強そうな奴がいるかもしれないし。いざとなったら、密林に火をつけるくらいやりたいところなんだけれど、最後の手段ということにしておく。


「さぁて、気をつけなきゃいけないのは、状態異常なんだけれど、一番怖いのは毒だね。」

 密林には、毒を持つ植物などがありそうなので、毒耐性が無いと迂闊に動き回るのは危険だ。ここは慎重に動くようにみんなに注意を促す。

(母上、解毒の魔法なら私が使えますよ。)

「えっマジで!?」

 おっと、周りには、ひじきの声が聞こえていないので、私の方に視線が集まってしまった。これなあ、ひじきは召喚獣って扱いなのが少し辛い所だな。ずっと出し続けることができれば良かったんだけれど、それをするだけの魔力が私にはないので難しいだろうな。

(はい、なので毒になったとてもしても大丈夫です。)

 懸念事項が一つ消えることになったので、これはとても嬉しいお知らせだ。私自身は、毒耐性を持っているからいいんだけれど、仲間たちは持ってないし。


「あー、えっとね。ひじきを召喚すれば、解毒魔法を使ってくれるから、もしも毒になってもなんとかなるって。」

「ねこますサマ。ジツハ、ワタシ、ドクタイセイヲオボエマシタ。」

「え。」

 たけのこがいつの間にか毒耐性を覚えていたのか。うわぁその成長の瞬間に立ち会いたかった。きっと私が街の中で錬金術を学んでいる時に、ブッチ達と一緒に沢山戦っていたから覚えたんだろうな。

 うう、やっぱり出来るだけ一緒にいないと、成長度合いが分からなくなるなあ。

 それにしても、みんな戦いまくっていただろうから、新しいスキルとか結構覚えていたりするんじゃないだろうか。ブッチだって実は何か新しいスキルが使えるようになっていたりするかもしれない。

 となると、もしかして私が一番成長していないんだろうか。


「アア、ドクタイセイナラ、ワレワレモオボエタナ。」

「ソウダナ、スッカリワスレテイタ。」

 え、イッピキメとニヒキメ、今さらっと何を言った? すごい重要な事を言わなかったか。というわけでもう一回聞いてみた。

「ワレワレニハ、ドクタイセイガアリマス。」

 なんだとぅ!? ということは、みんな解毒魔法なんて必要ないって事じゃないのか!? あ、でも毒の上には猛毒があるはずだから、そういう毒にはかかってしまうかもしれないか。それだったらひじきの出番が来そうだな。

(私の魔法であれば猛毒も解毒しますよ。)


 それなら良かった。全員が毒耐性を持っていても、防ぎようのない毒にはどうしようもないしな。ってあれ、全員じゃないか。下半身ゴーレムのビスケットが毒になる可能性は、ないんじゃないか? 壁のような体というか体全体が硬い鉱石などで出来ているだろうから、大丈夫だろう。

 そもそも、ゴーレムが毒になるのかと言うとならないような気がするし。一応声掛けはしておくか。

「ビスケットは毒耐性がある?」

「え、そんなのはないです。毒分解ビームとか言うのは使えますけど。」

 何が毒分解ビームだ。ふざけるな。そのビームはどこから出せるって言うんだ。そんなご都合主義な展開なんて誰も聞いていないんだ! というか毒になるのかならないのかをはっきりしてくれ!

「毒分解ビームってどうやって使うの?」


「俺の足の裏からビームが出ます。使う時はこう、片足を上げてビームを出します。」

 そういって、片足を上げてみるビスケットだった。

「もうだめだこいつ。なんか存在がよく分からない。それでツッコミを入れたくなってくる。」

 とにかく、だ! みんな毒になる危険性が無いとしても、痺れたり、眠ってしまったりするような状態異常を引き起こす植物なんかがあるかもしれない。

 危険そうな物には近づかず、みんなで一緒に行動するように努めよう!

「あっ、ちなみに痺れ解除ビームとか、起きろビームとか、そういうのも使えるのでよろしくです。」


 なんだぁこいつぅ! 結構ハイスペックじゃないか! 新人の癖に優秀だなんて狡い! これじゃあ私の存在感がどんどん薄くなってしまうじゃないか! 私にあるのは、ももりーずVのリーダーの肩書と魔者の肩書だけになってしまう!

「はぁ。もういいや。みんなさっさと密林に入ろう!」

 ここで色々話しこんでいてもしょうがない。耐性があり、何かあっても対策ができるんだったらもうどんどん奥まで進んでしまえばいいだけだ。さっさと行ってしまおう。

 ここからは木々が生い茂る密林になり、狭い場所を移動することになるので、たけのこから降りることにした。リザードマン達も、ビスケットから降りてもらった。


「うう、マスター。なんかここ狭いですね。」

 足だけとはいえ3メートルの高さがあるのと、横幅もそれなりに広いので、ビスケットは動きづらそうに動いていく。これは…だめだなあ。ゆっくりしか動けない。入り口で待っていてもらうのも良かったけれど、一人だけ置いていくのは嫌だな。

「ビスケット、強引に通るのはきつい?」

「きついです。マスター、こんな密林なんて燃やしてしまえばいいのではないでしょうか。」

「ビスケットヨ、ソノヨウナコトヲカンタンニイウナ。ヒトタビ、カサイガオキテシマエバ、ソレヲショウカスルノハタイヘンナノダ。」

 たけのこが、安易に燃やしてしまえというビスケットを咎めた。

 自動で復活するから別にいいっちゃいいんだけれど、ビスケットは動きにくいということですぐに燃やしてしまえというのは攻撃的だなあ。どちらかと言うと、巨体なので、私達を守ることを重点的にしてもらいたかった。


「ううー。狭いなあ、木が邪魔だなあ、狭いなあ、木が邪魔だなあ。狭いなあ…。」

 一応ビスケットには、そのままついて来て貰うことにしたけれど、移動し辛いせいか、愚痴をこぼし始めた。言いたくなる気持ちは分かる。だけどずっと同じことばかり繰り返し言うのはやめてくれ。

「ミツリンハ、タケノコシンリント、スコシニテイマスネ。」

 え、そうかなぁ。たけのこがそう言うならそうなのかもしれないけれど、私としては、似ているようには見えなかった。

「ねこますサマ。ドラゴンフルーツヲアツメルノガサイユウセンデスネ?」

「そうだよ! 今ドラゴンフルーツの在庫が全然ないから、ここで沢山集めておこうと思っていたんだ。みんなもよろしくね!」

 私はみんなに声掛けをした。今回はあくまでドラゴンフルーツを大量に回収するのが目的だ。だから他の事は極力考えずに後回しにしてしまおうと思っている。


「よし、みんな、この密林には、色々アイテムがあるかもしれないから、見つけたら私に教えてね。」

 みんなが手に入れた物が実は私が欲しかったもとなんかになるかもしれないので、一応それについて連絡しておいた。

「マスター、早速発見しました。」

 いやいや、ビスケット、そういう冗談はいいからと思ってしまった。来て早々見つかるはずがないだろうと。また何かのボケをかましているに違いない。そうとしか思えなかった。

「はぁ。何を発見したの。」

「敵です。」

 あぁあそうだね! アイテムを発見したんじゃなくて敵を発見したってことだね! うんうん、私もどうせそんなことだろうと思っていたよ! 

「はぁ、それでどんな敵?」

「素敵です。この景色が。」

「えいっ!」

「わぁお!?」

 久々に電撃の鞭を取り出して、ビスケットの踵を叩いた。もう本当にこんなのばっかりだよこいつはぁ!? なんなんだ一体! そういう悪ふざけはやめるようにと注意していたのに、私はこういうコントというかお笑いとかがやりたいわけじゃないんだよ!

「ビスケット。ソウイウジョークハツツシムノダ。」

 イッピキメがビスケットを注意するが、きっとこれも無駄だろう。どこか体のねじが外れているんじゃないかと思うし。まぁ一度、ぶっ壊しているから、その影響かもしれないというのはあるんだけれど、くどい時が多いのでそれはなんとかしてもらいたい。なんとかなってくれ。


「マスター。オレは、真面目にやっています。マスターの真後ろにアイテムを発見しました。」

「もういいんだよ、そういう冗談は。また何かろくでもないことをしようとしているんでしょ!」

「いえ、本当にあるんです。後ろに。」

「分かった、もういいから!」

移動には大分役立ってくれるからいいんだけれど、こういう所がだめなので、無視だ無視。これ以上は付き合いきれないので、そのまま密林に進もうとする。

「いえ、本当に後ろにありますから!」

「分かったっての!」

 もう、いい加減にしてくれ。しまいには私もブチきれてしまうぞ。

「ねこますサマ。ビスケットノイウトオリデス。ウシロニナニカガアリマス。」

ん? たけのこまで何か言ってる? え、もしかして本当に何かあるのか? そう思って、後ろを振り返ってみると。

「これは…。」

 一本の木に実っていたのは、黄金に輝くリンゴだった。いや何でだよ。ああもう、ビスケットが散々アホな事をやるから無視していたのに、本当だったってオチとかそりゃないよ。


 それで…出てきたのが黄金のリンゴねぇ。怪しい。明らかに怪しい。偽装されているか何かじゃないのかこれ。実はモンスターが化けているだけとか、黄金につられて近づいた奴を食べようとするモンスターだったりしそうだ。こんな突然と出てくるはずがない。

 だけど、黄金のリンゴって有名なんだよね。確か…食べたら不老不死になれる、とか。

 うーん。気になってきたけれど、どうするかなあ。

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