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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第4章「人間の大陸」
281/473

第281話「スライム」

ちょっとここ最近の回でおかしな表現がいくつもあると思うので、土日に文章自体の読み直して訂正をかけようと思います。すみませんがよろしくお願いいたします。

8/30 訂正しました。

 空から、とても大きな水の塊のようなものが地面に落下した。水として飛び散る

かと思ったが、よく見ると液体ではなくゼリーのように固体化している。これは、

ゲームで定番のスライムのようだ。

 だがサイズが大きい。とても大きい。全長100メートルはあるかもしれない。

このスライムが姿を現わした今、ずっと降り注いでいた雨は止んだ。ということは

つまり、こいつこそが元凶だったという事だろう。ふざけやがって。

 今、こいつは地面から少し浮いてふよふよと私達の元に近づいてくる。攻撃した

ことに怒っているような雰囲気が漂っている。


「アヅウウウウウウウイ!? コレヲヤッタノハキミタチダネエエエ!? クソウ

ブッコロシテヤルウウウ!」

 おっ、物騒な事を言い始めたぞ。やっぱりこいつが元凶だったのか。よし、これ

であとはこいつを倒せばいいだけだけか。でもちょっと待て。スライムが相手か。

これは結構まずい状況な気もするな。よし、試しにこのスライムに向かって石ころ

でも投げてみるか。そう思って足元に転がっている小石を投げつけてみた。それが

スライムの体に触れるや否や、ジュワァと言う音を立てて、消滅してしまった。こ

れは溶解液じゃないか。近寄りがたいというか近づいたらまずいな。

「ソンナノキカナイ!」


「じゃあこれならどうだ。アリボール!」

 私の右手からこぶし大のボールが、スライムの足元目掛けて飛んでいった。これ

が地面に激突すれば爆発が発生するし、ダメージを与えることができると思った。

「ソンナモノトカシテヤル!」

 だが、溶かすということはかなわなかった。足元に投げたのも、本体に当てたと

ころで溶かされてしまうことが予測されたからだ。今、地面にぶつかったアリボー

ルは情け容赦なく爆発を起こし、スライムに衝撃を与えた。

「ウグググ!? イダイヨォオ! ナニスンダヨォ!?」

「お前がずっと雨を降らせるからいけないんだよ。だからここで倒す。」


 仮にこいつが湿地帯に雨を降らせることで栄養を与えている的な存在だったとし

ても、攻撃は辞めるつもりが無い。こいつがとても良い奴だったとしても、草刈り

を中断させられた恨みがあるので辞めるつもりが無い。ここでこいつを倒したら何

かまずいことになるかもしれなくても、倒すと決めた。

 これが、一時の気の迷いみたいなものだったとしても目の前のスライムを倒さず

にはいられない。草刈りが出来ないことはそれだけ私にとって重大なことだったと

いうことだ。


「ボクァ! コノシッチタイニアメヲプレゼントシテヤッタダケダ!」

「そのおかげでこっちはここが通れなかったんだよ! 長期間な! だからお前に

は地獄の苦しみを与えてやる! 狐火!」

「アッチイイ!? モウユルサナイ! アシッドアシッドアシッドセット!」


スライムは、液体を私達に向けて飛ばしてきた。アシッドとか言ってるので明らか

に酸だろう。これをくらったら溶けてしまうのが分かり切っていたので、狐火で防

御することにした。更にエリーちゃんが魔法で迎撃した。そう簡単に当たったまる

か。


「くそー。俺は触れられないじゃないか。ダメージ覚悟で殴りに行くのもなんだか

嫌だしなあ。」

 ブッチが悔しそうにしているが、前回まで大活躍していたんだから、この程度の

奴くらい無視しても構わないじゃないかと思った。たまには私に任せて欲しいと思

う。


「時代は間接攻撃って言うのもあるんだよ多分! 真空波!」

さて、真空波はあまり効かないと予想しているのだが、それでも撃ってみた。これ

は実際に効果が無いのかを確認したかったからだ。

 案の定というか、スライムの体に一瞬大きな切り傷を作ったが、それがすぐに閉

じてしまった。

「ヘヘヘヘ。バーカ。ソレハキカナイゾ!」

 やっぱりそういうことだったのか。最初に上空に行ったときの攻撃は効果が無か

ったというだけだったか。やれやれ、もっと色々試しておけばよかったんだな。だ

けど、空にいる時は姿が全く見えなかったしな。闇雲に撃つだけというわけにはい

かなかった。

「ならこうだな。」


火薬草をスライムの足元に向かっていくつも投げつけていく。すると、何度も爆発

が発生し、スライムの体が焼け焦げたようになっていく。スライムは、自己再生な

んかをするタイプもいるはずだが、そういう能力は大体使える回数が決められてい

るはずなので、このまま攻撃し続ければ勝てるだろう。

「ウウウウウ! オマエエエ! ナンデソンナヒドイコトスルンダ!」

「一週間以上も私達を足止めしてきてからな。ここでたっぷりとお返ししてやろう

と思っていたんだよ!」

「タダ! アメヲフラセテイタダケジャナイカ! マダタッタノイッシュウカンテ

イドデソンナコトイイヤガッテ! ホントウハイチネンハ、ヤリタカッタノニ!」


 え。今なんていったこいつ。一年だと? つまりここで私達が攻撃を仕掛けなか

ったらこいつはここでだらだらと一年間延々と雨を降らし続けていたってことにな

るんじゃないのか。ゆ、許せん。こいつのせいでそんな目に遭いそうだったのか。

「お前は許さん。私から趣味の草刈りを奪ったらどうなるか、思い知らせてやる必

要がある!」

 そして私は、アイテムインベントリから、吸魔石を取り出し、スライムに向かっ

て投げつけた。さて、これならどうなる!?

「アハハハ! バーカ! コンナノキカナイ…。ナ、ナンダコレ!? トケナイ!」


 吸魔石は、生命力や魔力などを吸収する効果がある。このスライムの液体に魔力

などが含まれているのであれば、それをどんどん吸収していくだろう。今、この吸

魔石は、私が思いっきり投げつけたことで、スライムの体内に入り込んだ。これだ

と沢山吸収し続けるだろうが、当然限界もある。限界値に達したらどうなるのかと

いうと。それ以上吸い続けられなくなるわけじゃない。

「キ、キモチワルイイイ! ウアアアアア!」

スライムの体内に入った、吸魔石が赤黒くなっていく。これはもう吸魔石の限界を

越えようとしているということだ。つまり。どうなるのかというと。私達の体にと

ても大きい衝撃がほとばしった。ってあぶなっ!? まさかここまで威力がでると

は思わなかった。


何をしたのかと言うと、限界点を超えた吸魔石からエネルギーが溢れ出たというこ

とだ。凝縮されたエネルギーが暴走して、スライムの体内で爆発を引き起こしたの

だった。

「グググアアア。」

この巨大なスライムの体がほぼ半分吹っ飛んでいた。体内からエネルギー暴走した

結果だろう。通常はここまでの威力は発揮しないだろうが、スライムにはこの吸魔

石が天敵だったようだ。

「たけのこ。重圧を使って!」

「ハイッ! ジュウアツ!」

「オモダイイイ!? ナンデコンナ!? フザケルナ! オマエラシネ!」

 半分になった体から液体を飛ばしてこようとしたが、たけのこの重圧によりこち

らにはほとんど飛んでこなかった。よーしいいぞ。たまには楽に戦闘が終わりそう

じゃないか。100メートルもある巨大なサイズだったからまずいかと思ったけれど

すごいあっさりいけそうな気がするぞ。このまま一気に終わらせてやりたい。


「ナンデナンデナンデナンデナンデ!?」

「分かる分かる。よーく分かる。私もこのあたり一帯がずっと雨だった時はお前と

同じように、なんでって叫びたくなったよ。」

 このスライムのせいでそんな事になったのかと思ったらなんだかとても腹が立っ

てきた。そして、今ここで確実に仕留めなければと思った。

「クソオ! オマエラ! ゼッタイニユルサナイゾ! ウオオオオオ!」


 そういえば、このスライムってどこから声を発しているのだろうか。もしかして

魔力か何かを声に変換しているとかんだろうか。それは気になってきてしまったが

こういう奴はさっさと倒すに限る。

「グォオオオオアアアア!」

とても嫌な予感がした。スライムの全身が震えていた。これは何かやらかす兆候だ

ろう。みんな後ずさりをする。気圧されてはいけないと思ったその時にブッチが前

に出た。

「ねっこちゃん! あいつ、多分この湿地帯の地面から水分を吸収しようとしてい

るかもしれない! さっさと決めないとやばいよ!」

「マジか! あの野郎! まだこの私にたてつくかあああ!」

スライム許すまじ。

「オマエコソ! ボクニサカラウノカアアア!」


 これは平行線だな。私はこのスライムが邪魔してきたことが許せない。このスラ

イムは私が邪魔したことを許せない。つまりお互いが憎しみあっているということ

のようだ。戦いと言うのは悲しいものだな。

「恐竜力!」

うん。折角錬金術士として基礎を教わったのに、いつもとやることが変わらないこ

とにむかついてきたが、これならさっさと倒せるはずなので、今回もこの後のスキ

ルに頼ってとどめを刺すことにした。というかこいつがこのまま巨大化し続けたら

手に負えなくなりそうだし。


「みんな後ろに下がってね! オラァ! いくぞスライム野郎!」

「ウルサイ! オシツブシテヤルウウ!」

 元の100メートルサイズに戻ろうとしているスライムだった。私は、みんなが後

ろに下がったことを確認し、錬金術士の杖を取り出した。

「スキル調合! 雷獣破とぉ!隕石拳でぇ! 雷獣隕石拳!」


グローリーアント戦以来の全力の攻撃だ。というか、こいつはそれくらい強いかも

しれなかったということじゃないか。一体何なんだこのスライム野郎は。実はクロ

ウニンの親戚みたいな存在だったりするんじゃないだろうか。まぁ余計な事は後で

考えるとするか。まずはこのまま勢いよく飛んでいってしまうだろうから、構えて

いかないっ、いっきたあああああああああ! 私の右手が巨大な岩、すなわち隕石

のようにどんどん膨れ上がっていく。そしてそのまま前方にいるスライムに襲い掛

かっていった。


「くたばれやあああああ!」

「ナ!? ナンナンダヨオマエハアアア!」

それを言いたいのは私の方だ。いいからさっさとくたばれってんだ。

「押し潰してやるぞおおおお!」

「ググッ!? コ、コンナノショウカシテヤル! ウガッ!? シビレル!」

雷獣破の効果もしっかりと受け継がれているんだ。そう簡単に攻略できるわけがな

い、正に必殺技だぞ! さぁこれでおしまいだスライム野郎! 私から草刈りを奪

いとって生きて帰れると思うな!

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