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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第1章「般若レディと仲間たち」
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第28話「何しよう」

 翌日、ログインしたときは、明るくなっていた。<アノニマスターオンライン>と現実

の世界では時間の流れが違う。ぴったり同じだと、毎日夜にしかプレイできないなどとい

う問題が発生するからだろうなと私は考えている。

 早速、今日はどうしようかなんて思っていたら、そこには、逃げる白蛇ことだいこんを

追いかけて走り回るたけのこと、その光景に胡坐をかいて見守るブッチがいた。

「何をやっているのあの二匹は。」

「たけのこちゃんがだいこんとやらを鍛えるんだってさ、正にヘビーだね。」

 つっこみまないぞこの野郎。ログインして早々親父ギャグを飛ばすなよこいつは。

「もうええやろ!わんころ!ええ加減にせい!」

「タルンデイルゾ!ねこますサマのドウグトシテノイジハナイノカ!」

「もういややー!ってあっ姉御やで!姉御助けてくれいー。」

 だいこんが、私を見つけて駆け寄ってくる。

「姉御って私か。いやぁなんか成り上がった感じがするなあ。」

「貫禄があるよね般若レディって。もうなんか逆らったら八つ裂きにされそうな感じ。」

 そんな酷いことするわけないじゃないか。なぜこいつは私を暴力的に見るんだ。私は温

厚なことで定評があるんだぞ。私はか弱い般若レディってことを理解しろと、無言でブッ

チに視線を送る。

「ひっ!殺さないで!」

両手を上げるブッチ。

「そんなわけあるかいぼけえええええ!」


 思わず、チョップでツッコミをいれてしまった。いかん。このままじゃ漫才のようにな

ってしまう。

「ワイ的に今のツッコミは100点やで。」

余計なことを言わんでいいのにこいつは。流石にムカッとしたので試しに、ブッチとだい

こんに意識的に威圧が発動するかやってみる。

「黙れボケども!」

「ファッ!?」

「うぉっ!?」


 おお。どうやらできたようだ。前はきちんとできなかった感じだけど慣れてきたのか使

えるようになったらしいぞ。ふっふ、これでこのバカどもを黙らせることができるな。

「威圧はずるいよ、ねっこちゃん。」

「姉御はおっかないやで。怖いのは顔だけにしてえや。」

 私がバカだったようだ。こういう奴らは反省と言う文字を知らないのだろう。

「とりあえず、こんなバカなことやってないでこれからどうするか決めたいんだけど。」

「ワイは姉御の言う通りに動くで。」

「ワタシモデス。」

「あっ、俺も全部ねっこちゃんに任せるね。何でもいいしどこでもいいよ。」

 みんな受動的過ぎる!やりたいことがないのか!なんかこう色々さあ!あっそうだ。

「じゃあ兎狩りにでも行くか?美味いぞ。」


「なんだって!?珍味の旅にでるって!?よし行こう!案内してよねっこちゃん!」

「何で急にやる気になっているんだブッチ。」

「ファッ!?ブッチはんって、口はないけど食べられるんか?」

「口ならあるぞ?ほら!」

 サイコロの一の目の少し下を見ると確かに口があった。凝視しないと見えなくらいだっ

たが、口を開けると人間の口をしていた。

「サイコロプスってのもなんだかまともさがないよね。」

「そんな褒めないでよ。超照れる。」

「狐火使うぞ。」

「ごめん許して。」


 ああ、もうこいつ!話が進まないじゃないか!もっと真面目にやれ!って私は引率の教

師みたいなことを思うのだった。


「ここから、少し歩いたところに、兎がいるはずだからそこで狩るよ。」

「ねこますサマガイアツヲツカエバ、マエミタイニソクシサセラレマスネ!」

「ちょ、たけのこ!」

 苦い思い出を呼び起こさせないでくれ!いや本当に倒しちゃったけどさ!嫌な予感がす

ると思って、ブッチとだいこんを見る。


「兎をショック死させていたなんて、やばすぎる。やべえよ。般若レディやべえよ。こり

ゃ絶対喧嘩売っちゃならねえタイプの存在だよ。プッププププププ。」

腹を抑えて笑いをこらえようとするブッチだがこらえきれていない。こいつは、何がそん

なに楽しいんだよバカタレが。私は何も楽しくないっつーの!可愛い兎が自分の顔を見て

死んだとか悲しすぎるだろ。

「姉御はもっとでかくなって、女帝になるつもりだったんか・・・。恐れ入ったで。」

そういう話をしたいんじゃねえんだよ!うああああもう、こいつら嫌だ!ああ言えばこう

言う!というかお前ら私ばっかり話をさせるんじゃない!自分らの身の上話とかないのか!


「洞窟でさぁ、1か月間さぁ・・・。」

もういいや。そうだ、とりあえずだいこんに大きくなってもらって移動手段になってもら

うか。どんな感じなのかはまだよくわかってないし。


「ワイの出番やな!どどーんっ!さぁ乗ってやで!」

でかくなった、だいこんの体の上に乗っかる。しがみつくといったほうがいいか?

「ごっつぁんです。」

「グエーちょっと重いンゴ」

2メートルは、あるからなブッチは。たけのこはというと、さっさと上に乗っかっていた。

「まあなんとかなるか。よっしゃいくで!」

地面をスイスイと移動し始めるだいこん。おおっ!早いぞこいつ!白蛇で見た目だけはい

い役立たずのように思っていたけど乗り物として考えるだけならまともだ。関西弁ではな

い変な言葉遣いだから、小ばかにしていたけど、ちょっとこいつの株が上がったぞ。


「じゃあ向こうまでささっといってね」

「了解やで~。ワイの株上げといてくれやで~!」


なんか言われると上げたくなくなった。むしろ今の言葉で下がった。やっぱりこいつは余

計な一言が多い奴だったな。やれやれ。


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