表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第4章「人間の大陸」
273/473

第273話「樹海から海底洞窟へ」

最近は、前日分更新+次の日分更新となっています。

ご迷惑をおかけいたしますが、最新版を読む前に前の話が更新されているので

そちらをご確認いただけたら幸いです。

「ねっこちゃんが強そうって言ってた6人の馬鹿共と戦いたかったなあ。」

樹海をお喋りしながら歩く私達だった。ここにもモンスターが出てきたりするはず

なのだが、その様子はなかった。もしかして、威圧が発動しちゃっているからなの

かと思ったが、その様子も無かった。これは、偶然なのか分からないけれど、逆に

モンスターが出ないことが不安だ。何か不穏な気配もある気がするので注意しない

といけないな。

「多分、廃人とか言われるレベルのプレイヤーだと思うよ。ブッチも多勢に無勢に

なっていたかもしれないって、なんか嬉しそうだな。」

「そりゃもう、そんな上の連中がいるってことが楽しみだよ。俺のねっこちゃんと

エリーちゃんに手を出したからには落とし前はつけさせてもらうぜ!」

何かっこいいことを言っているんだ。どうせ一回くらいそういう発言をしてみたか

っただけなんだろうが、復讐に燃えるよりも楽しそうな雰囲気が漂ってきているぞ。


「おしゃべり中のところ悪いんやけれど、みんな、ワイに乗って移動したくはない

んか? ちょっと狭いと思ったが割といけそうな感じやで。」

「おっ、本当か。それなら海岸の方に出た後に、そのまま移動していけばあの扉ま

で行けるはずだから行ってもらおうかな。」

「分かったやで。さぁみんな乗り込むやで! おっとわんころは修行が好きやった

なあ!? 走りでもええんやで。」

「バカメ。ワタシナラヨユウダ。」

 うんうん。たけのことだいこんの喧嘩するほど仲がいい感は安心できていいね。

だけど、こういうのをからかわれるのが苦手そうなのもあると思うで、私はそれを

敢えて口には出さなかった。

「いやぁ、君たち二人はが喧嘩するほど仲が良さそうなのはいつ見ても安心できて

いいねえ。」

だ、か、らっ! 折角私が配慮して口に出さなかった事を容易く口に出すんじゃあ

ない。全く。

「はぁ。まぁとにかく乗ってくれやで。」

私達は巨大化しただいこんに乗り込んだ。


「で、ねっこちゃん。言いたいことがあるなら口に出すのがいいんだよー?」

「ああそう。じゃあそこのイッピキメとニヒキメ。お前らが死ぬとクロウニンのレ

ッドドラゴンが復活するとか言うらしいから死ぬんじゃないぞ。」

「エ!?」

「ナ、ナニ!?」

突然話題を振られたので、驚く二匹だった。こいつらとも本気で仲間意識を持って

いきたいと思うようになってきたし、こういう話もしておかないといけないな。

「ねこます様。それは本当ですか?」

「本当。で、ドロヌマオロチはサンショウに封印されているんだよね。」

「ええ、私が鍵となっています。他のクロウニンについてはどうです?」

「分かってないのは、タイショウイカ、エレファントボス、ネガティブータ、マオ

ウペンギンって四匹か。」

 そのうち登場するんだろうけれど、どうなるのだろうか。まだこのゲーム内では

設定されていませんでしたとかいう状況だったりしないんだろうか。


「それでね。今後たけのこ、イッピキメ、ニヒキメは私と活動して貰いたい。」

今後は、全員でまとまって活動するよりも、分かれて活動したほうがいいという考

えだった。人数が多くてもまとまりにかけるし。というかこのリザードマン二匹の

戦い方とかがいまいちつかめていないので、もう少し実力を底上げしたい。後は、

ここでもう少し仲良くなっておきたい。もしもレッドドラゴンとやらが、こいつら

の魂か何かで復活するとか言うのなら、私との仲間意識が芽生えていれば、襲い掛

かったりしてこないんじゃないのかという淡い期待を寄せているためだ。


「ああ、他にも組みたいとかいう者同士がいればここで言って。」

「俺は全力で走ればだいこんより早いから、魔力のあるサンショウにするか。」

「我とですか?」

「まあまあ。俺にびびっているのは分かっているけれど、そんな酷い事にはならな

いから大丈夫だって。」

「いえ、むしろご迷惑をおかけしないかと心配です。」

「俺には魔力が無いって言ったろ。そういう時の為の対応だよ。」

物理系と魔法系の組み合わせというわけか。バランスがいいな。あれ、でもそうな

ると…。

「じゃあそうなると、あたしが、ねずおちゃん、だいこんちゃん、くろごまちゃん

という組み合わせになりますね。これは、あたしが一番弱いので頑張らないといけ

ないですね。」

何を言っているんだ。一番弱いのは私に決まっているじゃないか。あれ、というか

私の面子は魔力が無いじゃないかって思ったけれど、ひじきがいたか。一応私にも

魔力があるにはあるらしいから、この組み合わせでなんとかなりそうだ。

「とはいえ三組に必ず分かれなきゃいけないってわけでもないからね。」

「交流を図るってためだよね。分かってる分かってる。俺なら誰とでも仲良くなっ

てしまうコミュ強だからサンショウと二人でも大丈夫って言うねっこちゃんの意見

はよーく分かっているよ。」

 自信満々に言いやがって。お調子者というのはこれだから困るんだ。


「そうだね、私なんかこの中で最弱で最も友達がいなそうな感じだしな!」

……。おいどうした。何みんな黙っているんだ。やっぱり私をそんな風に思ってい

たってことか。くそう。最弱で悪かったなあ! いや待てよ。むしろ友達がいなそ

うってところを信じているってことじゃないだろうな。

「まぁ敢えて何も言わないとして。あっさりついたね。」


軽く喋っているうちに、海岸沿いにある洞窟前まで戻ってきていた。良かったあ。

今回は早く来れた。でもなんだ敢えて言わないって。この話の続きは、また今度必

ずするからな。

「それじゃあ、洞窟の中に入ろうか。」

これで門が無くなっていたらどうしようかと不安になりながらも洞窟の中に入り、

まっすぐと進んでいく。帰ろうと思ったら道が無くなっていたっていうのがよくあ

るパターンだったんだよなあ。それなのに、RPGの場合だけれど、セーブをしてしま

って戻れなくなったなんてことになったりして、とても困ったことがある。そうだ

そうだ。セーブをして戻れなくなるのが不安だったので複数のセーブデータを用意

何ていうのもやったなあ。


「お。あったあった。あー良かった。ここで門がなくなっていたらどうしようかと

思ったよ。」

すぐに見つかって良かった。さて、これですぐに扉を開けたいところだけれど、念

のため気配感知っと。よし、誰もいないな。これなら開けてもよさそうだ。

「まぁちゃっちゃと戻っていこうか。」

そして私は、海底洞窟門の鍵を取り出した。鍵穴に差し込み。ぐるりと回す。そし

て海底洞窟の門が開いた。

「今さらですけど、これオートロックだったんですね。」

「確認しておけばよかったね。私も今、はっと気が付いたよ。」

オートロック機能がなければ、私達が開けた後、誰でも好き勝手に入れてしまった

じゃないか。これは危なかったな。今後は、というかこちらから通った後、鍵は勝

手にしまるか確認しないといけないな。


「危なかったなあ。」

「今も危ないって。誰かきたらこの場所の事バレるし。さっさと行こう。」

おっと、そうだった。ここも誰かが来るかもしれなかったんだった。扉も開いたこ

とだし、さっさと反対側に行かないとな、という事で私達は海底洞窟の門をくぐっ

た。海底洞窟の内側からは鍵が使えないようなので、鍵は外側専用のようだこの状

態で外側から鍵なしで開くかどうかも念のために試してみたが、開かなかった。こ

れで安心だな。


「…この扉って破壊できたりするのかなあ。」

ブッチは扉を凝視していた。気になるところがまだ結構あるらしい。

「すごい強いプレイヤーだったら可能じゃないでしょうか。」

この門を破壊できるくらいのプレイヤーがいたら嫌だなあ。だって。この場所が壊

れてしまったら、みんなこぞって魔者の大陸を歩き回りそうだし。

「耐久性が高いのなら、この門で張り手の特訓をしたいなあ。壊れないサンドバッ

グなんかすげー欲しい。」

 少しならしてもいいと思ったけれど、ここでひたすら練習させたら、いつの間に

か壊されてしまうかもしれない。なので、許可はできないという結論を伝えた。

「しょうがないなあ。じゃあねっこちゃんは俺と戦闘訓練付き合ってよ。」

戦闘訓練が楽しめそうな場所も見つけないといけないな。私だけが楽しみよりもみ

んなが楽しめるような状態にしたかった。


「全然道を覚えてないんだけれど、だいこんに乗ってひたすら突き進めばなんとか

なるかな。」

「ここで蜘蛛と追いかけっこしましたし、案外今回も単純にまっすぐ行けばいいだ

けかもしれませんね。」

 迷路のようになっていなくて良かったとつくづく思う。特にRPGでは、道を間違

ってしまうと消耗していき、最悪全滅なんてことが考えられる。それがない今は大

分楽に感じられる。迷路を攻略する際は、いかに戦力を温存して進むかが重要にな

ってくる。だけど、そこは正解の道を当て続ける運の要素もあるのでなかなか難し

いところだろう。当然何度もプレイしたゲームであれば道順を知っているから楽に

なるが、初めてだと、どうしても突破するのに苦労する。


「ワイ、活躍の場ができて嬉しいやで。本当、乗り物でしか役に立たんけど、今こ

の瞬間はワイが一番輝いていると思うで。」

だいこんの背中に乗り、洞窟内を移動していく。すいすいと進んでいくのはやはり

気分がいいものだった。このまま順調に進めば、湿地帯には戻れそうだな。余計な

事さえ起きなければだけれど。

「モンスターがでないのが不気味過ぎるなあ。何かイベントが起きているんじゃな

いかと不安になってくるよ。」

「それならもう起きているってことじゃないのかな。ねっこちゃんってそういうの

に巻き込まれやすそうだし。」

勘弁してくれ。たまには順調に行きたいものだし。運がいい時だっていいと思うん

だよね私は。


「俺は何か出てきてくれたら嬉しいけどなあ。戦う楽しみができるし。あぁ楽しみ

だなあ。大体ねっこちゃんといる時は、そういうのが出るしなあ。」

「やめろ。縁起でもないことを言うんじゃない。」

「グギャアアアアア!」

突然、聞いたことがあるような声が海底洞窟に響き渡った。これは。

「ねこます様。出ました。サハギンでござる。」

折角順調だったのにな! くそう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ