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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第1章「般若レディと仲間たち」
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第27話「正体」

 目の前には、小型の白い蛇が一匹いた。先ほどまで大蛇が横たわっていた場所にいる。

つまり、今の声はこいつがしゃべったということか。


「ワイは、パシリスクやで。いきなりあんな爆発で死ぬかと思ったで。」

 なんだこいつ、パシリスクってバじゃないのかバって。弱そうだな。というか喋り方が

うざく感じる。

「つまり、さっきまでの大蛇はお前で、瀕死になったからか呪いか何かがとけてその白い

体に戻ったけど危うく死ぬところだったじゃないかコノヤローって言いたいのか?」

ブッチが先読みして話しだす。


「そうやで。ワイが死にかけたんやぞ。もっと労われや。ワイは偉いんやで。」

「ウマソウデスネコノヘビハ。」

たけのこがさらりと、言い放つ言葉に白蛇は身構えた。

「ファッ!?なんやこのワンコロ!ワイは旨くないで!むしろ毒があるんやで!」

大蛇の時と比較すると弱そうだなあこいつ。敵にすると手ごわいのに味方になるとすごい

弱くなる奴っているんだよなあ。まさにこいつがそうだろう。


「ええーっと。んであんたは何者なの。」

「ワイを知らんのかい。ワイは伝説の白蛇パシリスクやぞ。」

 きっとこのゲームの開発者が、ちょっとひねりをくわえようと思って名付けたんだろう

な。ご愁傷様としか言いようがない。というか何が伝説なんだコイツ。わけのわからん言

葉遣いをしおってからに。

「そんでそのパシリスクさんは何ができんの?うまいの?」

「ワイは食えへんっていったやろ!ええか教えたるで!ワイは突っ走りが得意なんや。だ

からパシリスクなんやで。」

「安直過ぎる。で、俺らになんか用事なの?」

突き放す態度を崩さないブッチであった。まあさっきあれだけ戦ったからなあ。


「いやいや!そこはワイを仲間にいれる流れやろ!あんな!ワイが巨大化したらその上に

乗ってもらってそこらへん楽ちんで行けるようになるんやで!ほな!よろしく!」

「さっきまで死闘を演じていたのに何そういう流れになっているの!いけしゃあしゃ

あと仲間になるとか図太すぎじゃん!」

たけのことブッチは攻撃が当たってないけど、私はしっぽで思いっきり叩かれたぞ。この

恨みは忘れないぞこの野郎。

「それくらい水に流すんゴ。そもそもワイもわけのわからんうちにあんな木箱に閉じ込め

られた上に呪いまでかけられて大変だったんやで!もっと同情しなきゃだめやで。」

「そもそも何で呪いをかけられたの?ほら!さっさと身の上話をする!」

「知らんやで。ワイの過去編を聞きたいんかい?そうやな、ワイの赤子の頃から話したら

きっと朝になってしまうで。それでもええんか。」


 いいわけないだろう。この白蛇。見た目的には綺麗なのに口を開くとだめだ。なんとい

うかすごい生意気な奴だ。

「今日はもうくたくただからいいわもう。とりあえず、私たちについてくるの?」

「そうやで。もう一蓮托生やで!ワイを見捨てたら呪い殺すで!」

「ダマランカ。」

 白蛇にイライラしてきたのかペチッと叩くたけのこ。

「ファッ!?イヌコロお前はなんなんや!ええか。ワイはえらーい白へ」

ペチッ。ペチッ。たけのこの連続ビンタ。

「ダマランカ。」

 白蛇撃沈。

「で、乗り物になれるっていったけどどうなの。」

 ここで移動手段確保と言うわけなのか?どんなもんなんだろう。

「こうなるんやで!変化!」


 白蛇の体が大きくなる。体の上には4~5人が乗れそうだ。

「どやあ!ワイの上に乗っかってもらえば快適に移動できるのが分かるんやで!」

 こいつ、ブッチ並みにうざいな。やはり、このゲームの癒しはたけのこだけだ。

「ちな、攻撃能力はないんでワイを守ってや。」

 こいつは、結局のところ戦うことができないから、私たちを頼ってきているという事か。

だったらそう素直に言えばいい物を。こういうタイプはこれだから扱いに困るんだよ。

「まあ便利そうだというのは分かった。とりあえずあんたは私の所有物扱いと言うことに

しておいてやるから。」

「おおーおおきにやで。顔は暗殺者みたいなのに実は優しいんやな。ほれたで。」

「何が暗殺者だぼけえええ!」

思わずチョップでツッコミをいれてしまった。くっそなんなんだ!

「漫才見たいでおもろっ。いいんじゃない。ねっこちゃんにぴったりじゃん。」

 全然ぴったりじゃないぞ。とにかくこんな奴をいきなり仲間にするのもなんだったが、

手ぶらで終わるのも腹が立つので一応仲間にするだけなんだよ。


「で、パシリスクだと読みにくいし、だいこんって名前にするから。」

「なんでや!?だいこん関係ないやろ!?」

「白いし。」

「ププッ。」

吹き出すブッチ。何が面白いんだコラァ!


「伝説のパシリスク様の名前がだいこんやとぉ。なんでやあ。もっとかっこいい名前を。」

「だいこんで決定だよ!分かったな!」

 散々投げつけた火薬草を目の前にかざすとすんなり黙るだいこんであった。

「ありえん。ありえんでーまったく。」

 まだ、ぐちぐち言ってやがる。こんな濃い奴が仲間になるとは思わなかった。


「あぁーとりあえず今日はもう疲れたから、また明日から頑張ろう。」

洞窟探検や大蛇退治やら流石にもう疲れた。とりあえず今日のプレイはここまでにしてお

きたい。本当にもう休みたい。

「おっし。じゃあ俺も。おっつー。」

「なんや、出会ってすぐにさよならかい。」

「デハ、ねこますサマ。マブダチドノ。オヤスミナサイマセ。」

「うんじゃあね。バイバイー。」


そして残された二匹。

「なあマブダチってあのサイコロの奴のことかい?」

「ソウダガ、オマエハタイドガエラソウダナ。ワタシガチョウキョウシテヤル。」

「え?ちょ、たんまたんま!なんでや!ワイのことはほっといてくれー!」

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