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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第4章「人間の大陸」
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第265話「ねこますVSブッチ」

 浮遊は連発出来ない。というかしたらそれに慣れて対応した動きをしてくるに決

まっている。じゃあこの状況はどうしたらいいのか考えた結果。鎌をしまい、カブ

トスピアーを取り出した。ここでやるべき事は。

「加速!」

迫りくるブッチから少しでも距離をとるため、加速を使う。これである程度はなん

とかなるだろうと思っていたら、ブッチと同程度の速さにしかなっていなかった。

つまり、このままでは、距離が縮まることもないのだが、これは甘い考えだ。ちょ

っとした動きで、距離を詰められてしまう、これはどうにもならない。というわけ

で、左手にカブトスピアーを持ったまま、火薬草をばらまいていく作戦をする。こ

れ勿体ないよなあ。勿体ないよね。後でみてろよブッチ。必ず使った分は回収させ

てもらうからな!


「そう簡単には当たらないよー!」

「全部かわすなぁ!!?」

腹が立つことに、かなりの数を手から出して投げつけているにも関わらず、全てを

回避する。何それふざけてんの? これは確かにサンショウのトラウマにでもなっ

ちゃうな。というかここからどうしろって言うんだよ。何か新しい手はないのか。


 他にアイテムは…。あ。あああああああ!? そういえば私、グローリーアント

の指輪を装備していないじゃん! これ、これを装備してみようか。呪われたりし

ないよね。ああもうやけくそで装備してみるか!


メッセージ:グローリーアントの指輪を装備したことでスキル「アリボール」及び

「土潜り」を使えるようになりました。


えぇー。アリボールはあの爆発する玉だよなぁ。これは火薬草があるから、そこま

で必要じゃなかったよ! でも、もう一つの土潜りってなんだろこれ、便利じゃな

いかな!? 使ってみるか!


「あと少しっ!」

「早いっての!」

 距離が詰められているぅ! なんなんだこの足運びは。狡いだろ!

「ええいっ。このままじゃ埒があかない! くらええええ!」

「おっ!? 観念して直接戦闘に来たね! いいねええ! おらぁああ!」

「土潜り!」


そして視界が真っ暗になる。え? 普通に土潜った? それだけ? 私は今、土の

中にいるってことか? どうなんだ? 何も聞こえないし何も見えないんだけれど

あ、照眼でも使ってみるか。

「照眼!」

 しかし何も照らされない。真っ暗なままだ。あれ? 違うな、なんか粒のような

物がある。ああ、石ころか。となるとやっぱりこれ土の中だな。そうか、やっぱり

地面にというか土の中に潜ったのか。それでこれは動けそうだ。上を見上げると地

上が見えたり、はしないかぁ。くそう。それじゃあ、あまり使い勝手はよくないな。


 このままやり過ごすなんてわけにもいかないだろう。折角戦っているのにこれじ

ゃ白けるし、私だって納得が出来ない。それに、これがいつまで使用可能なのかも

よく分かっていないし、使用期限が切れたら即死亡みたいなペナルティがありそう

なので、早めに出たいところだ。で、ひょっとしてこれは、解除とかできるのかな。

やってみるか。


「解除!」

「あだっ!?」

あれ!? と思ったら私はブッチの真下から突然でてきたらしい。おお! これは

攻撃が当たらないブッチにまともに当てたことになるな。まぁ狐火も当てたといえ

ば当てた部類だけれど、あれはブッチから当たりに来ていたから違うだろう。そう

いう意味で捉えると、これは私がブッチに初めて当てた攻撃になる! 偶然だろう

けれど、かなり嬉しい!


「攻撃が当てられるなんて! 結構くやしいなー! ってわけで反撃ぃ!」

地上に戻ってきて攻撃を当てたと思っていたら即座に反撃に回ってくるのも反則だ

よ! ってわけで!

「土潜り!」

 もう一回土に潜る私だった。これで何をしているのかバレただろうけれど、一旦

引くことにした。距離をとってそこから出現しよう。だけど、その後はどうしよう

かな。出来る攻撃手段なんて限られているし。この戦いで隕石拳は使わないけれど

雷獣破は使ったほうがいいんだろうか。でもブッチに当てて倒しちゃったらそれは

それで怖いし。本気で戦うとは言ったものの、この二つはやばいと思うんだよね。

 他にやれそうなことと言ったら…。あるにはあるけれど。まずは距離をとるしか

ないな。といっても、私の移動する位置にブッチがいたら嫌だし、私もどこに出る

のかは分かってないんだけどね。というわけで解除!


「発見!」

「うわっ、割と近い! 真空波!」

 鎌を持ち直して一応撃っておくけれどやっぱり当たらないなあ。牽制で撃ったよ

うなものだから当たらなくてもいいんだけれど、軽々とかわされるとむかつくな。

やっぱりここは覚悟を決めるっきゃないか。


「甲殻化!」「恐竜力!」

これでどこまで強化されるか分からないけれど、このくらいやってもどうせブッチ

と同程度かそれ以下なんだろう。でもやらないよりマシ! というわけで久々に本

気の接近戦だ!


「おりゃあああああああ!」

「くらえブッチぃいい!」


ブッチの張り手に鎌を思いっきりぶつける。すると、体にすごい衝撃が走った。だ

けど耐えられないもんじゃない。よし! これはいける! と思った時、ブッチが

サイコロの顔で口なんてすごい小さくて表情が読み取れないのに、すごい笑ってい

るように見えた。

「おおっ!? それじゃあもっと行くよ! のこったのこったあ!」

張り手の連打がきたけれど、私もうまく鎌を当てて相殺していく。だけどすごい衝

撃だよこれ! 何なのこれ! 通常性能がこれって何!?


「アリボール!」

「おっと!? あぶないなぁ! 油断も隙もあったもんじゃないね!」

初めて使うスキルだったがかわされてしまった。ボールは遠くに飛んでいき、爆発

を引き起こしたようだ。

「もっと油断してくれないと私が困るんだけど! 浮遊!」

「危ないなあ!? だけどそれにも慣れてきたよ! はははははは!」

 さっき一回使っただけなのにもう浮遊に慣れたとか言ってくる始末。なんなんだ

こいつは。だけど私だって同じだ。なんだかブッチの攻撃をかわせるような感じが

してきたぞ。張り手は脅威だけれど、動きが読める気がする。どういうことなのか

は分からないけれど、こうかわせばいいという感じがしてくる。


「やっぱり!? ねっこちゃんは強いね! 俺の攻撃をかわせるんだもんね!」

「は? 何も凄くないっての! こっちはもう必死でかわしているだけだよ!」

買いかぶるような事を言ってくるブッチ。もうね、本当にしんどい。大体の攻撃を

間一髪で回避しているんだよ。心臓に悪すぎるよ。


「じゃあこっから本気! 狂戦士!」

「はっ!? えっ! ちょ!!」

嘘だろ! こいつ狂戦士を使いやがった! ふざけるなよ。時間制限ありとはいえ

かなりパワーアップしちゃうじゃないか。か弱い般若レディ相手に使っていい攻撃

じゃないっての!


「ねっこちゃん! これならどうかな!?」

早すぎる!? 何その熾烈な攻撃! ものすごい勢いで私に迫ってくる張り手だっ

た。これはどうしようもないっての! うああああもうやけくそだ! そっちが本

気ならこっちも!

「雷獣破!!」

そう。私はブッチの攻撃の恐ろしさから左手を突き出し、雷獣破を放ってしまった。

威力は折り紙つきだ。これをブッチは耐えきれるのかと思ったのだが…。

「おりゃああああああああ!」

怒涛の張り手ラッシュで私の左手から放たれている雷獣破の威力を削ごうとしてき

ているようだった。まじで!? そんなことができたのか!? としか思えなかっ

た。なんて事だよ。ブッチの張り手が私の雷獣破に触れるたびに、雷獣破の威力が

抑えられているような気がしたのだがいや、違う。

「そんなんじゃ威力は落ちないよ! これで終わりだあああああ!」

「蜘蛛の糸ぉおおお!!」


ブッチの手から蜘蛛の糸が飛び出してきて、私の左手に絡みついていく。こ、こい

つこれで威力を相殺しようとするきか! ええい小賢しい! 私の雷獣破がそんな

事で負けるはずがない! と思っていたら割とあっさりと蜘蛛の糸を消し飛ばして

いく。よおおおおし!


「いっけ。え!?」

「はっはっは! 消えたね! これで俺の勝ちだ!」

左手から雷獣破が消えた。まさか消えるとは思わなかったがやはり蜘蛛の糸の影響

が大きかったのだろうか。そしてこれは、負けるなと思った。ブッチの張り手が眼

前に迫ってきている。本当に刹那の瞬間だったので、どうしようもなかった。だけ

ど、ここで私は、命乞いするかのように右手を突き出しており、ほぼ無意識の中で


「雷獣破。」

右手から放った雷獣破が、ブッチにの張り手に直撃した。単に威力が削がれるだけ

だろうと思っていたら、そうじゃなかった。私の全身に強い衝撃が走ったと同時に

後方に思いっきり吹っ飛んだ。そしてブッチも私とは反対方向に思いっきり吹っ飛

んだ。何が起きたのか分からなかったが、同程度の威力の攻撃をぶつけると、この

ように吹っ飛ぶゲームがあったが、それと同じような事が起きたのだろう。


「ううっ。ったぁあ。」

「あ、あはははははははははっは。あははははははは! やべー!? すごい楽し

い! 何コレ! あはははははは! あーっはっはっは!」

笑い声をあげてはしゃいでいるのは当然ブッチだった。いや、はしゃいでいるとは

いえ、体を動かしていると言った様子はない。恐らく私と同じように吹っ飛んで寝

転がっている状態で笑っているんだろう。


「ぶ、ブッチーーー! これで満足かバカタレー!!」

「うーん! いやー楽しかったよ! 大満足! これはすげえ楽しい! ねっこち

ゃんどう!? もう少ししたらもう一戦しない!?」

「するかばかあああ!?」


冗談じゃない。こんな戦闘狂と戦いたくない。こんな必死になって戦うなんて御免

だよ。戦いの練習みたいなのならいいけれど、本気になって戦うとか、そんなのき

つすぎるっての。それに雷獣破がまともに効かなかったってどういう仕組みだよ。

おかしいよあのサイコロプス! 何なんだよ!


「えー!? そんな事言わずにさあ! ねっこちゃん思った通りすげー強いし、も

っと戦ったほうがいいって! 更に強くなれるよ!」

「強くないし! それ勘違い!」

 何故かすごい過大評価されてるし困るなあ。やれやれ。それにしても、これから

どうしようかな。ブッチが満足できるような戦いができるようにもしたいし、そう

じゃないとまたこういうことになるだろうからなあ。はぁ、何か色々やることが多

すぎるな。楽しいからいいんだけどね。でもこういう戦いはもうしたくないや…。

多分、ねこますは逃げるのがとても得意なタイプです。

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