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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第4章「人間の大陸」
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第250話「闇の錬金術」

「ところで先生、闇の錬金術士っていうからには、闇の錬金術を使えるんだと思い

ますけど、どうせ使い方次第で善にも悪にもなるけれど、どちらかというと悪い感

じがするからそういう名前になっているとか言うオチですよね?」

「最初から分かったような事を言われるとムカツクわね! 概ねその通りよ!」

 大体そんなもんなんだよね。使い方さえ間違わなければ絶対に役に立つはずなの

に悪用が多くなると、その影響でイメージも悪くなっていくんだよね。そうなった

結果が多分、闇の錬金術だと思ったら当たった。概ねだけれど。


「それじゃあ、闇の錬金術は、どんなことが出来るか、当ててみなさい。」

「例えば、えーっと生命力を奪うとか?」

「ふんふん。で、それは恐ろしい効果を発揮すると思うんだけれど、そんなものが

役に立つと思う?」

「そこらの雑草とか、無駄に生えまくってくる竹とかそういうのを駆除する時はい

いんじゃないですかね。」

 竹は繁殖力が強いから、その結果、竹害が発生するなんて聞いたことがある。も

しそれを闇の錬金術で生命力というかそういう成長力を奪うことができたら、すご

い便利だなあと思う。まぁ竹以外にも影響がでてしまったらいい迷惑だろうけれど。


「まぁそういうことなのよね。けど、これで無尽蔵に生命力を奪っていったら、土

地全体が枯れてしまうっていうデメリットがあるのよ。だけど、その生命力を使っ

て死にかけている人間を救ったりなんてこともできるから、闇の錬金術をひたすら

使い続ける馬鹿もいたってわけね。」

「うわぁ、頭悪いですねぇ。そんなことしたら、結局、生命力が枯渇して、闇の錬

金術が使えなくなって商売上がったりじゃないですか。」

 自分で自分の首を絞めているとしか思えない。いや、あるいは一時の為にそうい

うことをやっていたと考えれば、納得が出来るが、余程自暴自棄にでもならなけれ

ば、継続して収入が得られるかもしれない方を選択するのがいいに決まっている。

あるいは、生命力をある程度まで奪っておいて、すぐに復活させるようなことをす

る自作自演をするなんてことをすれば儲かるのに。


「ねこます。あなた稼ぎたいの?」

「当然稼ぎたいですよ。でも、それは常識的な範囲で、ですよ。ここで先生から闇

の錬金術を習えたとして、それが環境を著しく破壊するとかだったら基本的には使

いません。でも、影響範囲が少なく出来るなら、普通にやります。稼ぎたいので。」

 ここは本音で話す。まどろっこしい事は御免だし。稼げる方法があるならきっち

り稼ぎたいし、それが出来ない場合は、自分用の道具は沢山作っておきたいって言

うのがある。

「あなた、常識があるのかないのかさっぱりだわ。一応言っておくけれど闇の錬金

術は、使い勝手が難しいのよ。私ですら、まだまだ使いこなせないし。それで、制

御するのが大変過ぎて、まともに学ぼうって思う人が少ないのも事実だしね。」


 私は好きだけれどね、そういう使い勝手が難しいけれど、上手くできれば何より

も凄いみたいなのが。というか、ゲーマーは総じてそういうリスクが高いものを好

むはずなんだけれど、他のプレイヤーはやらないということは、一生懸命闇の錬金

術士で頑張るよりも、、他の職を選んだほうが効率がいいからってところだろうか。

錬金術って考えようによっては地味だし。なんて言っても、世界中のプレイヤーが

いるんだから、もっといてもおかしくないとは思うんだけれどなあ。みんな錬金術

士をやらないのは何故なんだ。

 もしかして、なろうと思ってもなれないなんて言わないよね。それだったら、人

口が少ないのは分かるけれど。


「やっぱり私が目指すのは闇の錬金術士ですね。難易度の高いものに挑戦してこそ

だと思いますし。」

 どちらかと言えば、安定するものが好きな私なのだが、ここでそれを選択しない

理由は、安定は、上を目指せなくなるからだ。最初のうち、あるいは中盤まではい

いところまで行くのだが、そこから更に上を目指そうとすると、必ず、どうにもな

らなくなる。つまり詰むという状況になりやすい。

 色々なゲームをプレイしての経験なのだが、最終的に上を目指せないと、中途半

端な所までしか楽しめなくなってしまったという経験が多い。それならば、多少苦

しくても、失敗が多くても難易度の高い方向性で行ったほうがいいだろう。とはい

え、最初がものすごく苦労するので、根気が必要と言うのがある。


 しかし、ここで私はへこたれるつもりはない。道はそれしかないからだ。一番厳

しい道に進まないと絶対にこの先地獄が待っている。クロウニンが、その他、魔者

としての私を狙ってくる奴がいるだろう。ということは、弱いままだと死ぬしかな

いのだ。だから私はやるしかない。

「よく言ったわ。でも、私は、まだどうせすぐに辞めるなんて思っているから、そ

う思わせないようにしなさい。」

「辞めたら死ぬしかないんで、ここでやるしかないんですよ! いいですか先生!

私は、ここで諦めたら死ぬしかないんです! 辞めるなんて軽々しく言えるような

立場じゃないんですよ!」

「あ、姉御、そこまで追い詰められていたんか。」

「ねこますサン。思い詰め過ぎなのではないですか?」

(そ、そうですよ母上。そんな簡単に死ぬなんてありえませんよ。)


 みんなして何を甘いことを言ってるんだぁ! 人は死ぬときはあっさりと死ぬん

だから、それくらい認識しておかないとまずいぞ。

「いいですか先生。私はここで闇の錬金術を学ばないと死ぬんです。これは冗談で

もなんでもなく。だから私はやってやりますよ!」


「ね、ねえ。ねこますってなんであんなに臆病なやる気ものなのよ?」

「すぐ死ぬ死ぬ言うんやけど、結構なんとかなってるんやで。でもそういう偶然で

生き残ったことで心臓がハラハラするみたいや。」

「そうなのね。まぁ確かに命を拾ったとか言うのならそうなるかもしれないけど。」

「ねこますサンは、危機一髪を乗り越えてきました。が、それが嫌だったようなん

ですね。

 当たり前じゃないか。そんないつもぎりぎりで相手を倒すとか、緊張の連続しか

ないなんてゲームの面白さよりも重圧の方が強くなってしまうじゃないか。私は、

そういうのをなんとかしたいんだ。


「というわけで、先生、闇の錬金術を今すぐ教えてください。」

「まだ基礎の基礎ってところだから駄目。」

「むぅ。どのくらいここで学ぶのが必要ですか?」

「最低1年ね。」

 待て。そんなにできるか。というかこのゲーム内での時間ってことになるのか?

それなら行けるとも思うけれど、1年は長すぎるんじゃないだろうか。そんなにや

っていたら、色んな事ができなくなってしまうし。

「なら、それ以上の早さで基礎を習得するしかないわね。」


 やるしかないのかと思ったが、1年間ここにいなきゃいけないっていうのはやはり

納得はしていない。1年間もずっとドーラ先生のお世話になりっぱなしのゲームプレ

イになるのはやりすぎだろう。


「徹底的に調合するしかないってことなのは分かりました。じゃあ次は何を調合す

ればいいんですか。」

「慌てないの。これから私は、出かけるんだから。あなたはそれまで読書よ。ああ

市場にいって錬金術で使える素材を買ってくるから待ってなさいね。」

「はーい。」

「あら、やけに素直じゃない。」

 私を誘わないという事は何か不都合な事が発生するからだろう。そうではなく、

自分から自主的に動くかと思ったみたいな捉え方をされていたらどうかとは思った

けれど、そんなことは思われていないらしい。


「私を誘わないのは、邪魔になるからでしょう? 何かあるなら行きますけど、今

回は待機しておきます。先生が私をどうしても連れて行きたいと言うのなら別です

けれどね。」

じゃあ一緒に行きましょうとならないのは、先生が何か不都合な事を隠しているか

らだろう。あるいは、私を何かで驚かせようろ考えていてもおかしくはない。とい

うわけで、私はここで先生と一緒に行動をしないことに決めた。


「…。別に少しくらい外に出たっていいのよ?」

「興味が無いです。ここで読書するほうが余程気が楽です。」

魔法の実の採取は、だいこんとサンショウに任せて、私はここで優雅なひと時を過

ごんだ。ふっふっふ。ってあれ!?

「うーん。なら、分かったわ。特別にこれを研究させてあげる。」

先生は、黒い小石を私に手渡した。


「これが闇の錬金術士が作った偉大なる道具何ですね!」

何て言うと、ドーラが恥ずかしそうにしていた。この小石がなんなのかはよく分か

ってない。だけど、何かの効果がある石なのだろう。それなら、このアトリエでじ

っくり考えてみるとするか。

「我々は、本日も魔法の実をとりたいと思います。」

 取りすぎにだけ注意しておいた。また変なのがでてきても困るし。私は、やっぱ

りひたすら読書何だなぁ。はぁ。なんて思ったいたけれど、これはチャンスなのか

もしれない。ドーラ一人で行くなら、私はこの部屋にある本とかを探ってみるいい

ちゃんじゃないか。


「ところで、何か欲しいものはある?」

「闇の錬金術士について書かれている本!」

「私がおいおい説明してあげるからいいでしょ別に。」

「おいおいなんていつか分からないのは駄目ですよ。3日後くらいには知りたいで

すよ。」

 いつか分からないというのは一番厄介だ。予定をきっちり決めていかないと、作

業ができるタイミングを無駄にしたいるするので。

「はぁ。わかったわよ、ねこます。その石、その石がどんなものなのか、分かった

ら次のレベルに行きましょうか。どんな効果があって、どんな使い方がある。その

黒い石は一体何なのか、それを考えておきなさい。

 この黒い石がなんなのか。何に使えるのか自分でやってみないことには何の意味

もなくなるってことだからな。まずはこれを沢山使ってみないとな。ただの石でし

たオチもないと思っているので、ひたすら考えないといけないな。


「先生。本当にこれを好きに使っていいんですか?」

「まぁ、その程度ならいいって言うので渡しているからね。」


その程度か。大して貴重な道具ではないというのが分かる。先生は、これはそこま

ですごい道具という認識はしていない。だとすると、これの使い道を私が考える事

で、先生に認められてしまうだろう。それも考えておかないとな。


「闇の錬金術を学ぶためなら私は徹底的にやりますよ!」

「ワイらも姉御のフォローの為に、取りすぎず、少なすぎで魔法の実をとっていく

やで。」


よし、これで作業分担が出来ている状態だな。こういう、いつどこで誰が何をして

いるのかが分かるとうになるガントチャートが欲しくなるなあ。それがあればブッ

チ達の状況なども確認やら報告ができそうだし。なんてそこまで行くと、仕事をや

っているような感じになっちゃうかなあ。まぁいいか。そのうちそこらへんも充実

させるために頑張るよ。

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