表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第1章「般若レディと仲間たち」
24/473

第24話「初めての」

 私たちは蛇と死闘を繰り広げていた。蛇の攻撃の瞬間に私が狐火で足止め。その隙に、

たけのことブッチで連続攻撃して、蛇が体勢を整えたら離脱ということを繰り返している。

 どのタイミングで私の狐火が使えなくなるのかは分からない。一応これでパターンが入

っているといえばそうだが、どのくらい削っているのかがまるで読めない。

 しまうまの時みたいに、追い詰められて急に動きが良くなる可能性もあるし、よくあるモ

ンスターの変身とかで全回復なんてされたらたまったもんじゃない。そんな悪い予想は結

構当たるので、なるべく考えないようにする。


「かてぇ!まじでかてぇ。こいつタフすぎだろ!」

「ナンドモヒッカイテイルハズナノデス!」

 みんなでひたすら攻撃を続けるが、突破口が見えない。嫌な展開だ。こういう時に私の

狐火が切れると予想する。なので、狐火をあてにはもうできないとだけ伝える。

「二人とも、多分そろそろ狐火が使えなくなると思う!」

「そりゃヤバイな。でもやるっきゃないだろ!」

「ソウデス!アキラメマセン!カツマデハ!」


全員、集中力を乱さずに戦い続けている。ここまでやっているのだから勝ちたいのは当然

だ。諦めて逃げるなんてこともしたくない。そもそも逃げてどうにかなる状況ではないだろ

うし。前も同じようなことがあったが、仮に逃げたら、たけのこを失う可能性がある。だか

ら私たちに後退の二文字はないのだ!

「狐火!」


口から火を吐き続ける。どうせもうすぐ使えなくなるのだろうから、使い切ってしまった

ほうが清々しいので気にせず使っていく。そして、忘れていた攻撃を追加する。

「いっけえええええ!威圧!」

しかし、大蛇には無反応だった。やっぱり効果はないか。どうせ効かないと思ってやらなかったけれど、予想通りだった。

「ねっこちゃんは前線ですぎないで!俺たちがなんとかするから!」

「わかった!」


 足手まといにはなりたくないのでいったん引く。ブッチは、そのまま大蛇に向かってい

き隙を見て攻撃を繰り返している。最初に比べて大分動きが良くなってきている。これは

もしかして、動きを見切っているのか?

「体と目線と舌の動きで大体わかってきたぞ!俺、天才だぁ!」

 あ、調子に乗りやがったぞ。危ない奴だな。こういうときに不意打ち食らうというのに、

と思ったらやはり!大蛇がブッチに向かって急速で攻撃を仕掛けてきた。

「嘘だよバーカ!オラァ!」


それを華麗に回避して、大蛇の頭にモーニングスターの一撃入れるブッチ。こいつ体勢を

崩したと見せかけたのか。やるじゃないか。

「へっへっへ。おめーの動きは見切ったぜ!」

大層なことを言い出すブッチだったが、大蛇の執拗な攻撃全てを回避しては攻撃を当てて

いる。本当に見切っているかは怪しいが、とにかく当たっていないということはすごい。

とても洞窟の中にずっといただけの奴とは思えない動きだ。よし、ここは私も頑張らない

といけないと気合十分で攻撃してみる。

「狐火!」


 だが、ここで火がでることはなかった。ついに使えなくなったようだ。まずいと思い即

座に後退する。が、しかしここで────。

「シャアアア!」

大蛇の尻尾が私の体にもろに当たり、吹き飛ばされる。うげげ。苦しいい。ま、まずい。

まさかこんなところで当たるなんて思わなかった。せっかく全部避けるつもりだったのに

ミスするなんてあまりに悔しすぎる。

「ねっこちゃん!?」

「ねこますサマ!?」

「私の事はいいから!こっちで何とかするから!」

足手まといになるのは絶対に嫌なので二人にはなんとか戦ってもらうしかない。この間私

は薬草を食べる。食べる。そして回復。念のためにもう1個、食べたところで違和感があ

った。何だろう?更に1個食べてみる。


メッセージ:狐火を取得したことで、口内で薬草を火薬草に調合することができるように

なりました。


な、な、な、なんじゃそりゃああああああああああああああ!?


 口の中で調合だと!?おいおいここにきてようやく錬金術士の本領発揮か!つーか口の

中でってなんだよ!なめてんのかよ!火薬草ってことは、投げつけると爆発するんじゃな

いのか!?よーしやるやるやってやる!火薬草に調合だ!

そんなわけで、二人が戦っている最中に口の中で火薬草をえっさえっさを調合していく。


メッセージ:火薬草が完成しました。


 ぺっ。口から吐き出すと赤い草が出てきた。これが火薬草か。これを大量に投げつけまく

れば、あの大蛇に大ダメージを与えることができるかもしれない。決め手に欠けていたこ

の戦いに終止符を打つ時が来たというわけだ。

 よし。とりあえず前線に戻る前に、できるだけ調合しないとな。まさかこんな形で錬金

術士デビューすることになるとは思わなかったけれど、タイミングは、ばっちりだ。

 とにもかくにも、ひたすら薬草を口の中に詰めていって調合だ!もぐもぐもぐもぐもぐ

もぐ!ぺっぺっぺっぺっぺっ。

メッセージ:火薬草が完成しました。火薬草が完成しました・・・。


・・・。この調合方法どうにかなんない?

まさか最初に適当に決めていた錬金術士でこんなになるとは思いませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ