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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第4章「人間の大陸」
225/473

第225話「宿が決まって」

すみません。またしても投稿だけしておき修正する予定です。・・・。

7/5(金)追記しました。

「それでは、10連泊で50スターになります。」

「はいどうぞ!」

 すぐに老人にお金を支払った。たったこれっぽっちで経営なんか成り立たないと

思うが、泊めてもらえるなら泊めてもらうとしよう。例えここが事故物件的な何か

があったとしても、だ。安いなら安いなりの理由はあるはずだ。しかし今ここで勘

繰っても何が起こるか分からないのであまり気にしないようにする。

 何か恐ろしい事故でも起こったことがあると言われても、これまで戦ってきた敵

のように強い奴はきっとでないだろう。まぁ虫系モンスターくらいは出る気がする

が、それにしたって恐怖するものでもない。


「やはりこの宿は、落ち着きますね。」

「気にいってくれて何よりだよ。」

 やはりサンショウは結構気に入っているようだ。単に古い物だから好きというの

がありそうだけれど、案外、リッチになる前はこういう場所で暮らしていたもかも

しれないなあ。リッチって元人間なのかどうかも分からないけれど、今が人間の姿

に化けているようだし、人間だったと私は勝手に思っている。

 それで、サンショウに比べてだいこんはと言えば…。

「ワイはこういうところ苦手やで。何かでてくるんやないか。恐ろしいで。」

そこまでびびるほとなのかと言うくらい、だいこんは震えていた。蛇なんだからこ

ういう薄暗いところにを通ったりするだろうに、何をそこまでびびっているんだ。

ひょっとして、だいこんってそういう見えない存在的な何かが見えているんだろう

か。…そんなわけないか。


「それじゃあ、私達は出かけてくるのでよろしくお願いします。」

「はい、気を付けて行ってらっしゃいませ。」

なんか見送られるっていい気分だな。いやぁ実に良かった。こんな立地のいいホテ

ルに泊れるなんて、リッチのサンショウがいたからかな。…うわぁ、物凄くつまら

ないことを考えてしまった。なぜか一瞬、ブッチの顔がよぎったせいなのか。いつ

でも、どこでもふざけているブッチがいないと自然とつまらないギャグが思い浮か

んでしまう。気を付けないと。


「…やっぱり外装はすごいなあ。」

 宿から出てみると、やはり外装は素晴らしい。豪華すぎる。これでもかってくら

い豪華だ。色んな紋章やら宝石のような物が取り付けられている。

「ねこますサン。内装も素晴らしかったですよ。とても落ち着く場所でした。」

 確かに味わいがあると言えばそうかもしれない、なんてことは全く思わなかった。

「そういえば、この宿の名前ってあるんか?」


「名前、名前。こういうのは目立つところに書いてあるはず。あ、あった。お。」

 文字が普通に読める。この文字は普通に日本語だった。確かこれも、接続する国

やら設定で変更が出来たんじゃなかったかな。とはいえ、このゲーム独特の文字な

んかは当然読めないんだろうけどね。


「えーっと、テボリハホテル。テボリハ…。」

文字を反対にしただけとかいう安直な名づけに愕然としてしまう私がいた。いや、

私も名づけは苦手だけどね。これはないでしょう。

「なんや姉御、どういう意味なのか分かるんか?」

「テボリハを逆から読むと張りぼてになるんだよ。」

「なんやて! おおすごいやで! 姉御は名探偵やで!」

「流石ねこますサンです!!」

だいこんとサンショウから褒めたたえられるが、正直馬鹿にされているような気分

になってしまう。


 こういう逆から読む系統は、定番になってしまっているせいで、謎解きとしては

初歩でしかない。なのでゲーム慣れしている私としては、どうもしょぼく感じてし

まう。

 だけど、ここでわざわざそういう白けてしまいそうなことは言わないでおこう。

この2名は悪い意味で言ってくるわけじゃないし。ブッチだったら、この光景を見て

凄い凄いと便乗で褒めたたえてきそうな気がする。ああそうだ、一応メールを送っ

ておこう。10日間はここに滞在するってことなどを。あとは、今くしゃみしただろ

うとでも言っておこう。


マブダチからのメッセージ:やっぱり俺の噂をしていたのはねっこちゃんだったん

だな。モてるサイコロプスは辛いなぁ。で、10日間だっけ。おっけーおっけー。こ

っちも色々あるけれど、ねっこちゃんに勝てるようになるくらいにはなるのでよろ

しく!


 また私の過大評価が始まっていたようだが無視することにした。というかいつも

思うけれど返事が早いなあ。実は暇だったとかなのかな。


「で、そろそろ行くところを決めておきたいんだけれど。」

 予定では西の方にある道具屋などだ。そこで、買い物をする。後は、プレイヤー

間でアイテムの取引が出来る場所があるので、そちらにも行く。何か掘り出し物で

もあればいいんだけれど、そう簡単には見つからないだろうなあ。


「姉御はどんな道具が欲しいんや?」

「色々あるけれど、一番はリュックだなあ。」


 そう、リュックが欲しいんだ私は。トラゴンと戦った時になくなってしまったあ

のリュックが。あの中にアイテムを詰め込んでおくのが好きだったので、ここで買

えるのであれば、是非とも欲しい。

 あぁ、懐かしのリュック。あれがなくなってからまた手に入らないかなあなんて

思う事が多かった。それと、今なら隕石拳とか強いスキルがあるので、火薬草を詰

めまくるなんて無茶をしないだろうから、普通に荷物入れとして使いたい。

 あっ、でもどうだろう。火薬草の威力が飛躍的に上がることがあったら、同じよ

うなことをするかもしれないか。ううん。安いのを買ったほうがいいのかなあ。


「姉御、また考え事に集中し過ぎとるでー。」

「あ、えーと。まぁリュックだよ。すっごい欲しいんだ。あ、折角だしお金に余裕

があればサンショウの分も買おう。」

「よろしいのですか?」

「勿論だよ! 荷物持ちが増えるのはいいことだし!」


 素直に荷物持ち要因ということを伝えておく。私が持っているアイテムをリュッ

クにいれて持ち歩いてもらえれば、便利になるのは確かだし。サンショウの場合だ

と蜂蜜か。魔力回復も多分できるはず。

「姉御の持っている薬草いれたらすぐ容量オーバーやで。」

「薬草だけ渡すわけじゃないっての。」


当然他にも色々渡すに決まっている。火薬草だとかも渡すつもりだし。

「じゃあいい加減に行くとするか。」


 という感じで、テボリハホテルを後にして西の方にある商業区域に行くことにした。

ようやく錬金術の材料にもなりそうな道具が手に入るのかと思うと、わくわくしてく

るなあ。いよいよだ。私は、この時が来るのを楽しみにしていたんだ。

 漫画なんかだとこういうことを言うと、突如来訪したモンスターとかによって、商

業区域が壊滅状態になるなんてことがありえるけれど、まさかそんな稀そうな出来事

が起こったりはしないだろう。

「姉御。ウキウキしてそうなところ悪いんやが、そういう時こそ一番問題が発生しや

すいんやで。だから気を付けるんやで。」


分かってる分かってる。

(母上。お願いがあるのですが。)

「うあっ!?」

「?」

通行人たちが叫んだ私の方を見たが、笑顔を向けて頭を下げると、歩くのを再開した。


ひ、ひじき、最近結構黙っているなって思っていたんだけど、突然語り掛けられたか

ら驚いちゃったよ。

(すみません。私も今起きたところだったんです。実は、母上の魔者としての力が私

にも影響があったようでして。)


 ひじきって生まれたてでもあったし、そこから私の召喚獣として契約したものだか

ら、その影響を受けてもおかしくないか。というか魔者の力なんてものが私に備わっ

ているような気が全然しなかったのに。隠れたところで発揮していたのか。なんて言

うことだ。


「それで、お願いって何かな?」

(リュックを買ったら、私もその中に入りたいです。実体を持ちたいのです。)

あー、そういうことか。でも召喚しっぱなしってどうなるんだろ?

(心配いりません。特殊な事をしない限りは母上の魔力は消費しないはずです。)

はずです、か。それなら別にいいか。うん。じゃあリュックがあったらだけれど、そ

ういう方向性で行くよ。

(はい! ありがとうございます!)

なんか喜んでくれているな。これは本気でリュックを見つけないといけないな。


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