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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第1章「般若レディと仲間たち」
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第22話「地上へ戻って木箱を開けよう」

 私たち一行は、地上までの出口に向かって移動し始めた。良くない感じの木箱を抱えて

いるのはブッチ。平然と持っているが、こういうので問題があるといけないと思い、途中

で交換しながら持つことを提案してみた。

「そこそこ重いけど大丈夫?」

「まぁなんとか・・ねっ!」

うん。確かにそこそこ重いけどなんとかなるレベルだ。重量の感覚もあるってやっぱりす

ごいな<アノニマスターオンライン>は。もう何でもありだな。

「こういう物を持っていたりした奴が突然体を乗っ取られて、不敵な笑いを浮かべて騙し

討ちしようとしてくるんだ。実は私も既に乗っ取られているのかもしれないな。」

「いやーもう既にその般若の面にのっとられてそうなきがするんだけど」

「黙れ小僧!そっちもサイコロに頭乗っ取られているんじゃない!?」

「チンチロリンがしてえ。してえよぉ。半か丁かあ。」

「ギャンブル中毒になっているじゃねえか!!」

「というジョークなので、まぁお互いなんともなくてよかったね。」

 私は正気に戻った。いやいつも正気だけど。この木箱を触っていてもとくに何の影響も

ないし大丈夫な気がする。なんとなく呪われてそうな気がする木箱だけれど、もしかして

私には呪いの類が効かないとかないのかな。そうなってくれたら嬉しいんだけどね。


 こうして、木箱を交換をしながら雑談を交えて地上に向かっているが、モンスターが一

切出てこなくなったのが気になっている。何かのイベントが進行中なのかもしれない。可

能性の1つだけれど、洞窟内部で木箱を開けなければいけなくなるかもしれない。そした

らすごい面倒くさいって思う。

「ボスの予感しかしないんだけど」

「私もそう思う。」

 ゲーマーの勘というのが出てしまう。大体こんな風に進めたらボスが出るんだろうとか、

ここでこうしたらボスになっちゃうんだろう、どうせ強制イベントが始めるんだろう!

みたいな予想を組み立ててしまうのだ。


「一応、ボス戦があるって気構えだけしておこう。」

「パーティでボスと戦えるのか、面白そうだな。」

「おお、そうかパーティか。」

言われてみれば洞窟に来てからブッチとはパーティを組んでいることになるんだもんなあ。

そこでボス戦っていうのは燃える展開かもしれない。

「善は急げなので走って出口まで行こう!」

私達は気合十分で走り抜け、そして、地上の出口付近まで来たところでいったん止まる。


「うぉおおおおお明かりだ!地上が見える!!!」

ブッチが感動していた。ようやくお外だね。

「逃がさんぞみたいな事はありそうなんだけど。」

こういう時にここから生きて返さないぞ的な奴が出てくるのが定番だ。

「いや、入り口の10歩あたりからイベントが開始するかもしれない。三人同時にゆっくり

と進んで、最後は一気に駆け抜けよう!」

ゲーマーというのは何に対しても疑り深くなっていくものなのだなあとまた感心する。残

りあと10歩くらいのところまで全員が来る。そして一斉に走り出す!

どたどたどたどた!!これでようやく!ようやく!


私達は地上へ戻ってきた。あたりはすっかり夜になっていた。満天の星空だ。

「すっげええええええええええええ!綺麗だああああああああああああああああ!」

ブッチはとても感動して大はしゃぎだ。1か月の洞窟生活に別れを告げられとかったね。

そんな感動しているブッチをよそに私はここで逆さに木箱を置く。


「で、これを開けてみようと思うんだけど」

「おぉー箱を逆さまにして開けるんだね。いいじゃん!」

木箱に擬態しているモンスターだったとしても多分逆さまだったら動きにくいだろうしそ

の他のモンスターだったりしても逆さは有効と思える。というか最初の木箱からこれをや

っておけばよかったっていうのを最後に気づいたよ。禍々しい感じがしたからやろうと思

ったっていうのもあるけれど。


「よし、じゃあたけのこ、開けてみて!」

最後はたけのこと決めていたのだから頑張ってもらう。

「ハイ!デハアケテミマス!エイッ!」

たけのこが木箱を開ける!そして!何かのモンスターみたいなのが出てこようとしてきて

いたので、すぐさま私とブッチが動き、木箱を閉じようとする。

「出てくるな!」

そして押さえつけるブッチ。だが、木箱はガダガタと暴れだすように動く。

「これ無理っぽい。何が出てくるか分からないけど戦うしかないね!」

「わかった。よし、じゃあ出て来たらすぐさま攻撃しよう!」


いったん離れたると木箱から大きく黒い影が出てきた。徐々に形作っていく。その影に向かって何度か攻撃してみるが当たらなかった。どうやら待つ必要があるようだ。そし

て、徐々に姿がはっきりしていき、目の前に


「シャギャアアアアアアアアア!」


黒く巨大な蛇が姿を現した。その姿はどこからどう見てもボスだった。ここまできたらこんな奴には絶対負けたくない。戦って勝って最高の感動を手にするんだ。

強敵だろうけど、仲間がいる。私達は負けない。絶対に勝つ!


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