表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第1章「般若レディと仲間たち」
21/473

第21話「最後の木箱」

 妖狐の尻尾というアクセサリーが手に入ったのは嬉しいが、スキルが口から出るという

ギャグだったのは残念なところだった。このアクセサリーはなんと自在に動かすことがで

きるという優れものなのになぜスキルは口からでるのだろう。残念でならない。

「いやー面白かったよ。火吹き芸人でお金稼げそう。」

「金くれ。」

「残念ながらない。売れるのはこの魅惑のボディ。」

力こぶを作り出すブッチであった。アホなのかこいつは。アホなんだな。

「ねこマスサマガ、ヒヲハクノハカッコイイデス。」

「ありがとうたけのこ。」

褒められたからよしとしよう。

 さぁ、これで残り最後の1個になったか。最後はたけのこに開けてもらうことになるけれ

ど、何が出るのか楽しみだ。

「最後はちょっと遠いところにあるんだ。」

「面倒くさいなあ。最後の最後は罠とかありそう。」

「俺が昔やってたゲームは、最後のアイテムをとると、後ろから壁が迫ってきて時間制限

内に脱出しろってあったなあ。勿論落とし穴とかもよくあったよ。」

そうそう、そんなのよくあったなあ。こいつもやはりゲーマーなのか。

「私がやったのだとラスボスを倒したら爆発するから早く帰れって奴だった。」

「懐かしいねえ。」

しみじみと語り合う私達。そういう苦難を乗り越えているから警戒心はそこそこ強いはず。

優しいゲームばかりぷれいしてきたわけではないということだ。

「それじゃあ、最後の木箱を求めて歩くか。」

「ママー抱っこー。」

「むしろあんたが私を抱っこしろよ。」

「おっいいよ!?あっでも肩車でいい?」

「はっ?何!?おい!?」

ブッチが私を簡単に捕まえて肩車した。なんじゃこのパワーっておいそれはセクハラだぞ!

「そしてたけのこちゃんを抱っこ!」

貴様あああああああ!たけのこをお姫様抱っこしおってからに!許さん!

「じゃあ走るよおおおおおおおおおお!」

「うあああああああああああああああああ!?」

「ワォオオオオオオオ!?」

ブッチが全速力で走りだした。こいつ、滅茶苦茶早い!流石パワー系だ。このマッチョは

飾りじゃないんだな。もう全部こいつ一人でいいんじゃないかななんて考えた。

 それにしても、いきなり肩車とか行動力ありすぎだろ。案外本当にコミュ力が高いのか

もしれない。ネットだけ明るい奴もいるからその可能性も否めないが。

しかしこいつの頭の上にサイコロの目があるけど、これ触ったら痛いのかな?ちぇい。

「ブフッ。くすぐったいなぁ!やめてよセクハラだよ!」

「くすぐったいんかーい!っておいこら。そろそろ下ろせっての!自分で歩く歩く!」

「もうちょっとだから我慢して!うほほーい。」

「くっそテンションたけーこのサイコロプス!」

「ワタシハラクヲシテテイインデショウカ・・・。」

良くないよね。ちょっとこんな肩車とお姫様抱っこってなんかね。こんなのにされてもな

なんていうかゲテモノ臭しかしないよね。

 ひたすら目的地に走るブッチ。そういえばこいつ裸足だけど大丈夫なのかな。こいつの

巨体に合う靴でもあればいいと思った。

 

 しばらく走り続けたブッチが止まった。どうやら目的地にたどり着いたようだ。私はブ

ッチから飛び降りた。タケノコもそそくさとブッチの手を抜け出す。

「ここ出る時も担いであげようか?遠慮はいらないよ!」

「遠慮しておく。」

「照れちゃってー。」

「おい、いいから、最後の木箱をたけのこに開けてもらうぞ!」


予想通り、木箱はあった。しかし、どことなく禍々しいオーラが漂っているように見える。

「あれ開けたらやばくない?」

「黒い煙っぽいの出てるしやばそうだね。スルーしようか?」

「いや、あの木箱ごと持って行って外で開けよう。」

「ぷっ。いいねその案。」

「でしょ?もしかしたらここで開けたら危険だけど外で開けたら何もないかもしれないし。

最悪外で開けられなくなったらそんときゃそんときでいいや。まず安全が第一。」


 石橋を叩きまくっていくスタイルだ。外で開けることにもリスクはあるけれど、例えば

洞窟の中に閉じ込められてしまう可能性なんかを考えると、やはり外のほうが圧倒的にい

い。逃げるという手段も使いやすいし。


「というわけだからごめんねたけのこ。後で開けてもらうから。」

「ダイジョウブデス!アトノタノシミニシマス!」

「それで、これは俺が持っていけばいいのかな?」

「悪いけどお願い。その前に木箱に全員で触ってみよう。」

「なんで?」

「誰か一人に悪霊が乗り移る展開とか防げそうだし。」

疑心暗鬼になっているかもしれないが、私は慎重派なのだ。

「よっし。じゃあせーので触るよ!」

「せーのっ!」


何も起こらなかった。ただ長く触れていると悪影響があるかもしれない。さっさと出口に行こう。

「ふぅ。大して重くはないな。」

「持てる重さで良かったね。これであとは地上に行くだけだー。

「やっと外に出られるのか。感激だ。」

1か月間洞窟だったんだもんな。ようやく外に出られて嬉しいのだろう。

「じゃあ地上にレッツゴー!」

私達は歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ