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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第1章「般若レディと仲間たち」
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第20話「宝探しの続き」

 残り3つの宝を探しに私たちは歩きだした。道中ゴブリンが襲い掛かってきたが、難なく

撃破した。ブッチもたけのこも多分そこそこ強いほうだと思うけど、私は微妙な気がして

いる。

 大半が草刈りだけだったのだから、そんなに強くなっているわけないよなあ。これだけ楽

勝なのは二人のおかげだけど私も強くなりたい。

 この手のゲームでレベルの高い人に付き添って経験値を稼ぐ方法を寄生ともいうが、私

自身がこの方法を使うのは嫌いだ。そんなやり方でゲームをやっても面白くもなんともな

い。まあ楽したいって気持ちは分かるんだけれどね。


「ねっこちゃん、前線で戦う?ほらぁ!血生臭くなれるよぉー。」

私の気持ちを知ってか、ブッチがからかってくる。こんにゃろう。

「いえいえお構いなくー。さっさと行くよ!」

そんなわけで、またしても行き止まりに来た。どうせ木箱だろうと思ったら木箱だった。


「おーし、俺だ俺だ!俺の番だった!」

子供のようにはしゃぐブッチ。いや実は中身は本当に子どもかもしれないけど。

「伝説のアイテムこーい!」

木の箱が空く。中身はと言うと

「なんじゃこれ。ん?」

「何だったの?」

「これだった。」

ブッチが見せてきたのは、どうみても「腹巻き」だった。

「腹巻きじゃん。」

「そうだね。メッセージもでてきたね。装備してみるか。」

全身が緑色で腹巻きを巻いて廻しを巻いて、そしてモーニングスターを持つサイコロプス

の出来上がりか。なんか親父臭いな。

「なんか、日本酒の瓶でも持って暴れそうなイメージだね。」

私が笑いながらそう言うと。

「ちゃぶ台が欲しくなってきたよ。」

 なんだこいつ、お茶目なこと言いやがって。さて、モーニングスター、リュック、腹巻

きが出てきているわけだが、これはもしかすると。

「木箱を開けた人が使えるものがでてくるんじゃないかな。」

「俺もそれを考えた。こうなると使えない物はでないのかもしれないね。」

「デハ、ワタシガアケタバアイモソウビガデルノデショウカ?」

そういえばたけのこにも開けてもらうことになっているけど、装備がでるのかな。もしか

したら開けられないとかありそうだけど、それは嫌だなあ。

「きっと出てくれるよ!なんかもう、パワーアップアイテム的な物が!」

「そうだね!きっといいものがでてくれるよ!」

「ワタシハニクガイイデスネ。ワゥワゥ。」


 食べ物は偉大だった。食欲に素直なたけのこはやはり可愛いな。目の前のサイコロプスと

比べるとやはり見栄えが全然違う。というかこの面子で一番見た目いいのはひょっとする

とたけのこなんじゃないだろうか。角のある狼とかまじかっけー。

「俺も焼肉食べたいなあ。ログアウトしたら食うかな。」

「ピザ乙」

「力士っすからぁーサーセン。」


 軽口で言い合いながら、次の目的地へ移動する。道中は蝙蝠がでた。そこでブッチが変な

ことを口走った。

「あれ?こんな奴いたんだ?」

「え?私たちと会った時最初に潰していたじゃん。」

「いや、何を潰したかは分からなかった。これ蝙蝠だったのか、初めて見たよ。」

会話しながらも、ブッチは蝙蝠に簡単に攻撃を当てていく。巨体が羨ましく感じた。

「蝙蝠がでるようになったということはつまりヴァンパイアとかが出るんじゃ!?」

「いや~そんな安直なことありえないでござるよ。そんな安直なボスがでてきたら俺、真

剣に開発者に文句言いたくなってくるかも。」

「ははは。じゃあきっとでかい蝙蝠とかだよ。」

「ソレハオイシソウデスネ。」

ブッチが倒した蝙蝠をむしゃむしゃ食べながら話すたけのこ。

「たけのこちゃん。そいつ美味しいの?」

「ウマイデス。」

「あ、うんそう。」

若干引いているブッチ。

「やれやれって。お。行き止まりだよー。ほらほら木箱!」

「うっし!じゃあ私が開けてみる!」

「伝説のアイテムよろしく!」


急ぎ足で木箱に向かう。そして深呼吸。期待を込めて私は木箱を開ける。

 

「これは・・・?」

メッセージ:妖狐の尻尾を手に入れました。

「ほえ?尻尾だと?」

メッセージ:妖狐の尻尾は自動で装着されます。なお、外すときはダメージが発生します

のでご注意ください。

「なんだよそれってうぉあ!?尻尾が出てきた!?」

「おおー顔はあれだけど尻尾は可愛いじゃん!」

「ねこますサマ!オソロイデスゾ!!!」

たけのこが歓喜の声を上げる。いやまぁ尻尾としては同じだけど狼と狐の違いはある。

「なんだったの?」

「妖狐の尻尾だって。」

メッセージ:妖狐の尻尾を装備したことでスキル「狐火」を使えるようになりました。

「お!?スキル狐火を使えるようになりましたとか言われたよ!」

「いいじゃん!羨ましいわー。」

「よぉおおし!試しに!狐火!!!!」


・・・口から火がでた。しかもちょっとだけ。は?


「出でよ狐火!」


・・・やっぱり口から火が出た。般若レディの口から火が吐き出された。


「ハハハハハハハハハハハハハ。こういうの、普通、手から出るよね。くっ口って、やば

い。腹痛い。その顔から火が出るとかマジヤバイ。笑い死ぬ。はははははははは。」


ブッチの野郎が笑い転げてやがる。これはないわー。私もないって思うわー。せっかく有

用そうな「火」を使えるようになったのになんで口から出るんだよアホー。くやしいな。

これからは口から火を吐く大道芸人かよ。全く。


あっという間に20話まできました。今後もマイペースに続けていきます。

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