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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第4章「人間の大陸」
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第187話「狙われる般若レディ」

 ややこしい事態になってきている気がしたので状況整理だ。ここには強い蟻がい

る。そいつは、かつて魔者に封印されていたとか言う奴だ。こいつがブッチと戦っ

ていて退却したか何かのようなんだけれど、この樹海内に潜んでいるらしい。そん

でもって、私が魔者なので、恐らく私を狙ってくるということだ。


 次に黒アゲハ。これはどうやらひじきのことらしい。ダイダロスビートルとかい

うこの辺りの王と結婚させられるか何かされそうになっているらしい。それを私が

邪魔しているということにされてしまい、このあたりの虫やら何やらに喧嘩をふっ

かけてしまったので、恐らく今後、私は狙われるだろう。


 そして、プレイヤー。たまたま遭遇した魔法使い系のプレイヤーを倒したけれど

何が目的だったのかは分からない。何かを狙っているようなので多分一人じゃない。

そしてそのプレイヤーを私が倒してしまったので、きっと私の事が周知されてしま

い、今後私は狙われるだろう。


…え、何だこの状況。なんか各方面から私のようなか弱い般若レディが狙われる事

になるとかおかしくない? 私が何をしたと言うんだ。大体何もしていないはずな

のに、ただただ不運が続いてしまいこういう結果になってしまったのではないかと

思われる。なんてこったい。


 であるなら、樹海にいる限り狙われるなら、樹海から出るしかないな。とはいえ

たけのこ達がどこかに行ってしまったので、それを探し出してからだなあ。皆でこ

こから脱出すればあとはこんなところ用なしだ。

 そもそも、ここで何かしたいことがあったわけでもなんでもないんどえ、さっさ

と見切りをつけてしまってもいいし。


 そうと決まれば、私の事を狙ってきている連中を無視して、皆を探そう。という

メッセージをブッチに送った。蟻と戦うのは自由だけれど、まずみんなの安全確保

が最優先ということにしておいた。


 だけど、みんなどこにいったのかなあ。うろうろしているだけじゃ探せないんじ

ゃないだろうか。全員がエリーちゃんについているとしたらそれがいいんだけど、

そんな都合のいいことなさそうだしなあ。

 一番嫌なパターンは、他のプレイヤーと関わってしまっていた場合かな。エリー

ちゃんはキャラクターの容姿は可愛いし、そういうのが好きなプレイヤーがいちい

ち絡んできそうだ。

 そしてその状況でたけのこ達を連れていたら、更に色んな意味で目立ってしまう

だろう。


 無駄に他のプレイヤーがいたら嫌だなあ。あとむしろ仲良くなっていても面倒く

さくて嫌になるなあ。友達の友達って最初はすごいやりにくいからなあ。そういう

感じになっていたら嫌だなあ。ああ、面倒事は避けたいなあ。


マブダチからのメッセージ:たけのこちゃんとだいこんを見つけたよー。それでエ

リーちゃんたちの居場所も知ってるみたいだー。なのでこっちはもう大丈夫。だけ

どねっこちゃんは俺たちの場所わかんないかな?


いきなり発見できたのは幸いだった。ということは後はブッチに任せれば特に何事

もなく終わりそうってことか。余計なちょっかいをかけてくる奴がいなければ、私

もここから簡単に脱出できそうだな。


「もう、この樹海燃やしてしまってもいいんじゃ…。」

(母上、それは危険なのでは…。)


 いやぁ、段々面倒くさくなってきたとかいうわけじゃないんだけれど、いいから

さっさと黙ってかかってこいって感じなものでね。回りくどく感じているんだよね。

後、私も戦いたいわけじゃないのに巻き込まれてしまっているこの状況が気に入ら

ない。それならいっそ、何もかも焼き付くてしまえば万事解決するような気がして

ならないし。


 私の目的では、別に戦う必要ないんだよね。人間達のいる街とかにいって、アイ

テムを買えるようになりたいというのと、本格的に錬金術がやりたいから、わざわ

ざここまで来たんだし。

 

「それを、蟻含めた虫たちとよく分からないプレイヤーの抗争に巻き込まれるとか

一体全体私が何をしたって言うんだ。」


 というわけで、樹海の一つや二つ、むしろ樹海じゃなくて火の海にしちゃっても

いいんじゃないでしょうか。

(良くないです。)

 だめなのようなので、ここは一旦おとなしく引き下がるか。しょうがない。誰も

が思いつきそうでやらなそうなことを私はやりたいんだけれど、その機会に恵まれ

ていないというのならしょうがない。


 ここで気を取り直してどうしようかを考えたんだけれど、大体ひたすら真っ直ぐ

来ただけなので、ここから更にまっすぐ行こうと思った。ここで後戻りしたらそれ

はそれで何か嫌な奴に遭遇しそうだし。なのでいっそこのまま、突き抜けてしまう

のがいいと思ったのでそうする。


 こうして私は、代わり映えしない樹海を突き進むことにした。道中は特に何も発

見することはなかった。なんだか珍しそうな草を手にとって観たりはしたけれど、

ただの草としか認識されないのでどうしようもない。


エリーからのメッセージ:ねこますさん! みんなと合流出来ました! 私達は今

蟻退治の作戦会議中ですので、ねこますさんも協力してくださいね。


 え、いやだから蟻はわざわざ戦う必要ないんじゃないのかと思っていたんだけれ

どみんなどうしても戦いたかったんだろうか。そんなに言うなら協力するのもやぶ

さかじゃないんだけど、強そうな奴と戦うのはなあ。

 うーん。それならもう樹海ごと燃やせばいいんじゃ…。

(母上、そんなに樹海を燃やしたいんですか? そんなに樹海が嫌なんですか?)


 簡単に言うと、醜い争いの原因が何かあるはずだから、だよ。

(え?)

 蟻は封印が解けてここにいるらしいけど、何か目的があるんだろうね。次にダイ

ダロスビートルもそれを狙っているって事。最後に人間というかプレイヤーって呼

ばれる連中もそれを狙っている。

 それ、とは何か。膨大なエネルギーを生み出す古代のアイテムみたいなものだと

かそんなもんだろう。それを巡って争っていると考えるのが妥当だ。


(母上。真面目に考えていたんですね。)

 別に真面目でも何でもないって! こんなところに何のメリットもなく来るよう

なことはないと判断しただけだよ。私としては、そういう何かがあるから色んな連

中が集まってきていると思うんだ。ただ懸念事項としては…。

(何かあるのですか?)


 私が偶然そのアイテムを手に入れてしまったんじゃないのかということ。

(え? そ、そうなんですか?)

 キングモリコングの迷彩ジャケット。これで隕石拳を覚えたけれど、これの破壊

力は凄まじい。これがまず1つ。もう1つはこのティラノのバッジ。このスキルはま

だ使ってないけれど、スキル名が恐竜力。これは何かありそう。このアイテムが狙

われていたんじゃないかと思っている。まぁこれじゃない可能性もあるけれど、も

しもこれだったら、やっぱり私が狙われるはめになってしまう。


 だけど、これじゃない可能性だってあるし、まだ問題が起こると決まったわけで

もないので気楽にやっていけそうだ。


「とりあえず進もうか。」

 樹海にはもう慣れてしまった。たけのこ森林だけでなく密林にも行ったし、木が

多いところはもう感覚的になれてしまったという感じだ。そのせいか、変な気配が

するとなんとなく分かったような感じになる。これは多分気配感知は関係なく、私

が<アノニマスターオンライン>の五感というか六感というかそういうのを多少感

じとれるようになったからかもしれない。


 何かに見られている。つけられている。その他嫌な感じがする。気配感知には、

一匹だけ引っかかっているが、他にも数匹入るな。だけど何がいるのかは分からな

いので、警戒はしている。

 はぁ、また戦いか。ここに来てから戦いの連続な気がする。そういう戦いがなく

てもっとゆったりとしたことはないんだろうか。そうだよ。私は草原で草刈りして

いるくらいが丁度いいのにこんな争いごとに巻き込まれていいわけがない。

 

「平和~私は~平和を愛するもの~。」

これで、伝わってくれるんじゃないだろうか。平和の伝道師なんだ私は。

「死ねーーー!」

「お前が死なんかい!!!!」

「あっちゃあああああああああ!?」


あ、しまった。平和を目指しているのに唐突に闘争心が沸き上がってうっかり狐火

で攻撃してしまった。でもね、いきなり死ねとかそんな子供みたいなこと言われて

体当たりしてくるとか許せないよね。

 で、今度は体長2メートルくらいのカブトムシが一匹、と。なんなのこの樹海は。

揉め事を起こさないと死ぬ生物のたまり場なわけ? なんでそんなにもよそ者に厳

しいの。それが大自然の掟とか言うわけ?

 それで今そのカブトムシは狐火の直撃を受けてゴロゴロと転がっているんだけれ

ど。


「争いごとって悲しいね。」

(そうですね。)

「うおおお。焼けるううううう! てめぇ! 何をしやがる!」

「それはこっちの台詞だよ。いきなり死ねとかふざけないでよ。」

「ちょっとお茶目な声掛けをしただけじゃねえか!」

「どこがお茶目だよ! いきなり体当たりされたら死ぬっての!」

「黙って死んでくれよ!」

「嫌だよバカ!」

「あっ! バカって言ったほうがばかなんだぞ! やーい!」


なんだこのカブトムシ。子供なのか? すごいアホの子というかそんな感じがする。

それに付き合う私もアホっぽいけど、今はそういうノリにしないといけない雰囲気

がしていたのでやっただけなので問題なし。


「よーし。じゃあ私、馬鹿だからもう一回火を吐いちゃおうかな?」

「お、おい!? やめろ!」

「じゃあ二度と私を狙わないと誓うなら辞めるよ? ちなみに、それが嘘だったら

体が爆発する呪いをかけるからね?」

「な、なんだとぐぐぐ。」

そんな呪いかけられないけれど、一応警告しておかないといけないので嘘をついて

おくことにした。


「お、俺は誇り高きカブトムシ族の戦士だぁー!」

「狐火。」

「ぐあああああああああああああ!」


馬鹿なのかこいつは。またもがいているよ。こういうギャグキャラみたいな奴って

結構生き残ったりするから早めに倒しておきたいなあ。でもここで倒すのは少しお

しい気がする。


「あのさぁ、私は何発も撃てるんだけれど、降参するつもりがないなら本当に死ぬ

よ? どうする?」

「何!? 俺が降参しなければお前は死ぬのか!」

「お前だよ、お! ま! え! が! 死! ぬ! の!」

「むぐぐぐぐ。」


なんなんだこいつは。ふざけすぎているだろ。また妙に濃いキャラクターがでてき

たなぁ。それとまた面倒くさくなってきた。あぁーもう無視して先に進みたい。も

ういい加減にしてくれこの樹海。

私は毎日仕事をしながら、仕事の昼休みと通勤時とかに話を考えて

自宅に帰って一気に書き上げるタイプです。この話も勢いで書いた感じがしますが

これからまだまだ頑張っていきたいと思いますのでお暇な方は

ブックマークと評価と感想などをよろしくお願いします。

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