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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第1章「般若レディと仲間たち」
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第15話「洞窟探検」

 洞窟の中は、少し肌寒く感じられた。洞窟内部の天井は3メートル程度、幅は5メートル

程度かな。床は意外と綺麗に整備されているようだ。ゲームによく出てくるダンジョンで

は、床が平面であることが多いが、その理由が知りたいなどとよく思った。だって、それ

は高度な工事ができるってことだろうし、そんなことができるならダンジョンを造るより

も、もっと立派な家でも作れと思ってしまったから。ダンジョンが魔力で作られている設

定なんかはよくあるから、魔力万能過ぎと思うことがある。もう全部魔力で解決しろとよ

く罵ったものだ。ちなみにダンジョンって地下牢なんて意味もあるから私としては「洞窟」

って言っておきたいところなんだよね。ちょっとしたこだわりだよ。

 10分ほど慎重に歩いた。今のところ道はずっと一直線。何か面白いことはないかと期待

しているが、罠があるかもしれないので、怖さもある。念のために、道中の壁を鎌で軽く

叩いてみたりもした。打音検査というわけではないけれど、実は隠し扉的な物があって、

そこからモンスターに挟み撃ちされる可能性も考えたからだ。

 それと、実は入る直前たけのこには少し待機していてもらったんだ。理由は、突然閉じ

こめられるかもしれないという不安があったから。少し進んだところで何ともなかったの

でたけのこを呼んだけれど、閉じ込められるという事は無かったみたいだ。何かの罠を踏

んでしまったら、そういう可能性はあるかもしれないけどそれはひとまず無視する。

 こういう所には、蝙蝠とか鼠でもいそうな気がするけど、それに出くわさないところを

みると、何かいるとしか思えない。まぁ出て来たらこの鎌で掻っ切ってやるというやる気

に満ち溢れているので、きっとなんとかなるだろう。

 敵が一匹だけなら、薬草で窒息作戦が使えるかもしれないし、複数でも多分なんとかな

るんじゃないかと思う。威圧が効果を発揮してくれそうだし。今の私には恐れるものなど

何もないの・・・

 ガチッ!何かを踏んづけたようだ。罠か!?罠なのか!?とりあえずその場からジャン

プして離れる。落とし穴にだけは気を付けようと思っていたところだ。

何かの足音が聞こえる。前方からだけだ。小さな影が見える。そいつらが現れる前に私は

「ゲヒャ!ヒャ!ヒャ!ヒャー!!!!」

私が、そう叫んだ。一度やってみたかったことだ。モンスターがゲヒャヒャとか叫ぶ前に

私から叫びをあげて、威嚇して攻撃したかったのだ。とりあえず、獣の骨を投げつけた。

「ゲヒャヒャヒャ!!クタバレクタバレー!」

気分は上々だ!なんというか初めて般若レディらしさを全面に出したような爽快感がある。

「ゲゲーェ!?」

小さく緑色の体をした人間みたいな奴に獣の骨が命中した。こ、これはいわゆる、そうだ

これこそ正しくゴブリンではないのか!ようやくモンスターらしいモンスターと戦えるぞ。

よーし、気合いが入ってきた。

「たけのこ行くよ!」

「ガッテンショウチデス!」

そこからゴブリンが群れで一気に襲い掛かってきた。こいつらには私の威圧が聞くのだろ

うか。

「オメエラノ「血」ヲ飲ミ干シテヤルゾソオオ!」

これも私の台詞だ。敵が言いそうな事を先に言う。これが醍醐味だ。あぁ楽しいなぁこの

VR。

「ギギィ!?」

ゴブリンどもが怯える。威圧が聞いているようだ。叫べば効果を発揮できそうだと思った

けれど予想通りだ。

「ゲヘヘ。ゴブリンノ血ハウマソウダナァ!」

鎌を口元に構えて、満面の笑みを浮かべる般若レディこと私ねこます。うふふ。

獣の骨を何本か投げた後は、鎌で斬り裂いていく。血飛沫が飛ぶがそんなもので私は怯ま

ない。

 たけのこも頭の角でゴブリンを突き刺したり、鋭い爪で引き裂いていく。たけのこやる

な。以前しまうまと戦っていた時よりも強くなっている気がする。

「ゲギィイ!」

抵抗してくるゴブリンもいるようだ。棍棒が私の肩に当たる。痛いじゃないかこの野郎!

「アホウガー!」

鎌で反撃する。情け容赦なく、ゴブリンを撃沈させる。数が多いのでどうしても攻撃は当

たってしまうようだ。威圧のおかげでなんとか戦えているが、やはり攻撃を食らうのは気

に入らない。

 戦っているうちにゴブリン達は一匹、また一匹と倒れていく。そして最後の一匹を倒し

たところで、気が付いた。

「血生臭い!!!!!」

今までのゲームでは経験できなかったことが経験できたが、血生臭すぎたのだった。

 こうして、戦いに勝利したのでゴブリンが着ている布やらを手にとっていく。

メッセージ:薄汚い布を手に入れました。

 薄汚いとか言うなよ。これは何に使えばいいんだよ全く。次は

メッセージ:ゴブ棒を手に入れました。

棍棒じゃなくてゴブ棒かよ。なんかとげとげがついでいるんだけどこれ。これも飛び道具

として使っていくことに使用。で、ちなみにこいつらだけど

「たけのこはこいつらは食べるの?」

「マズソウナノデタベマセン。」

「ですよね~。」

私もゴブリンの生食は勘弁願いたい。般若レディ的にはなんか食べていそうな気もするけ

れど、私個人がとても嫌なので断固拒否する。

ひとまず、これで決着がついたので、私とたけのこは先に進もうとしたけれど、気になる

こがあった。こいつらの死体このまま置いてたらどうなるんだろうか。よくある設定では

死骸はいつの間にか風化されるらしいけどそうだといいなぁ。そこに関してはゲーム的設

定でお願いしたいところだ。

「じゃあ行くとしようか」

「ハイ」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文章に勢いがあり読んでて楽しい。 こういうタイプの作品だと割とすぐに勢いが衰えてそのままフェードアウトというパターンが多くてなかなか読む側としても難しい物があるのですが、300日以上もそ…
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