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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第3章「魔者の大陸」
146/473

第146話「湿地帯の西へ」

4/17 加筆しました。

 湿地帯は、モンスターなど生き物こそいないが、様々な木や草が生えているよう

だ。だけどそれらを採取してみても何もメッセージが出てこないので、使えるアイ

テムになるものではないようだ。だけど、実はこれらのアイテムは重要なアイテム

として使えるかもしれないと思ったので、いくつかは収集した。

 トラゴンとの戦いで私のリュックはなくなってしまったので、エリーちゃんにお

願いして、入れてもらうことにしたが、布も持っているので、いくつかはそちらで

包んで持っておくことにした。


「序盤で何の変哲もないアイテムがとれると思ったら、一番最後に最強の道具に変

化するってあったから油断も隙も無いんだよ。」

「あたし、宝箱の回収率を100%にしないと許せない派です。」

 RPGではゲーム全体にある宝箱をどこまで回収できるのかというのが目標の1つに

なっていることがある。アイテムコンプリートを狙いたい人は、徹底的に宝箱を探

しまくるのが基本だ。あまり役に立たないアイテムもあるが、それらを含めて全て

収集するというのが楽しいというのがある。

 私もやったことはあるのだが、回収ミスを防止するためにセーブデータを複数用

意して、取り逃したアイテムがあれば過去に遡って回収を頑張った。


「回収をミスすると急にどうでもよくなったりするんだよね~。」

「あたしは、悔しくて眠れなくなるので最初からやり直すこともありますよ。」

 私もやったことがあるが、それが苦行だったりするので、ブッチの言う通り面倒

くさくなって辞めてしまったことがある。そこまで頑張って作ったセーブデータが

あっても、達成感が得られるけれど、プレイしなくなってしまったら意味がないの

でそれを意識してしまうと自然とプレイもしなくなってしまう。


「レトロゲームだと短いから楽なんだけど、最近のゲームだと長すぎるからなあ。

繰り返しやるのも時間がかかりすぎて大変だよね。」

 と言いつつ、最初のうちは、アイテム収集に必死になっている私がいる。だけど、

何らかの作業をしないと、手に入らないアイテムなんてものが出てきてしまうと後

になってそのアイテムの存在を知って唖然としてしまう。そんなの分かるわけない

じゃないかと言いたくなる。そういうことが嫌で、マップ内を一か所一か所徹底的

にチェックするなんてこともやったが、それをやると何のためにこんな作業やって

いるんだっけなんて思ってゲームが面倒なものになる瞬間がある。


「前にずっと進めないと確かに面倒に感じてくるなあ。そういう意味だと、まずは

さっさと攻略してみて、それが終わったら新しくプレイし直すなんていうのがいい

と思うんだよね。」

プレイヤー毎にどういうやり方をするのかって変わってくるのが面白いんだよね。

私も色んなことを試したい派なので、<アノニマスターオンライン>でも普通はで

きそうにないことをやっていきたいと思っている。


「はっ。それを考えると、今さらながら魔者の塔のアイテムを全部回収しきってな

いような気分になってきました。うう。でもまたあそこに行くのは・・・。」

「俺らが代わりに行ったところで納得できないよね。」

「そうですね。こういうのは自分で確かめてみないと、ああ、なんだか気になって

きました。」

 全階層を見て回ったわけじゃないので、何かがあるかもしれない。時期を見てま

た行きたいけれどって今はそれよりもこっち、湿地帯じゃないか。

 

「ドロヌマオロチの体内に侵入するなんてことになったらどうしようかな。」

ふと、そんなことを思いついた。この湿地帯全部だとしたら、体内が洞窟のように

なっていてもおかしくはないだろう。それに巨大な敵の体内に侵入して倒すなんて

よくある戦い方だ。

「体内に入らないと倒せないのかって思うと不満が溜まるっていうのはあるよ。俺

なんかはボスが一番強い時に戦って勝ちたいし。」


「タイナイ。ドロヌマオロチはタシカニ、タイナイニハイレタキガスルゾ」

おっとここでイッピキメが会話に混じってきた。こういうゲームの話をしている時

って、NPC達はぴくりと反応しなくなることが多いけれど、この会話で反応したと言

うことは、関係ある話だったのだろう。

「ええー。バカでかいボスと戦いたいんだけどなあ。それができないなんて。」

なんて言ったところでブッチの攻撃がこの巨大な体に通るなんて事は無いだろうし

正攻法じゃなさそうだから、勝てるようにできていない気がする。って自分で言っ

てて思ったけど、それ挑戦してみたくなってきたな。ブッチじゃないけど、これは

無理だなんてあるとやっぱりなんとかしたくなる。


「二人とも、そんな捕らぬ狸の皮算用を考えてもしょうがないですよ。そもそもド

ロヌマオロチがはっきりとここにいるって決まったわけでもないんですからね。」

それはそうなんだけれど、事前に何をどうするのかなんて考えるのも悪くないしね。

「問題は、行けども行けども終わりが見えないってことだよね。地平線の向こうま

で広がっているし、ここはやっぱりまただいこんに乗っかって移動したほうがいい

かな?」

湿地帯に慣れるために歩いているけれど、長すぎだ。ここは素直にだいこんに頼っ

て移動したほうがいいな。


「お、ワイの出番か。よっしゃ、いっちょやったるで。」

巨大化しただいこんに搭乗し、私達は湿地帯の更に西に進むのであった。


「今更だけど、だいこんって、この状態でどのくらい活動できるの?」

「知らんで。けど、この間みたいに人面樹が乗っかってきたらすぐ無理になるで。」

ああ、あの時は本当にきつそうだったなあ。ってそもそもどのくらい移動できるの

か自分が一番わかってなきゃいけない事じゃないのか。そんなんでいいのか。

「根性があればいくらでもできるはずだと思っているんやで! 姉御も草刈りして

いるとき言ってたやないか。」

確かにそんなことを言ってた気がするけれど、ん? なんか急にだいこんの移動速

度が上がって気がするけど、どうしたんだ。根性を見せているとでも言うのか。


「あれが、草刈りでついた根性なんだよきっと。」

「ソウデスネ。マサニコンジョウデス。だいこん。リッパニナッタナ。」

あれ、いつもはあまりだいこんのことを褒めないたけのこが褒めている。そうか、

だいこんもやる気になれば何だって出来るという根性を手に入れたんだな。


「それにしても・・・。いつもはこういう所を移動すると無限に繰り返したような

ところばかりだったのに、今回は全然そういうことないから違和感を感じるよ。」

「ねっこちゃんはいつもそういう場所に当たってばかりなんだっけ。」

「うん。マップの使い回しなんてゲームじゃよくあることだし驚かないけど、この

ゲーじゃ何度も同じ所をぐるぐるさせるだけって仕組みが多くてね。なんであの仕

組みにしているのかと思うよ。」


古いゲームをやっていないと解けない謎かけとかも酷いと思う。けど、あれ以外に

も何か方法があったのかもしれないなあとも考えた。正解は1つだけとは限らないし。

「マスターは、魔者なのですから、特別な事が起きてもおかしくはないと思います

ね。魔者になる前も恐らくそういう存在だったのだと思いますし。」

うわー。そんなんだったら魔者になんてなりたくなかったし今すぐにでも辞めたい。

なんだか面倒な事ばかりになりそうだし。というか魔者になったんだから豪華特典

くらい用意してくれってんだ全く。


「そっか。ねっこちゃんって魔者なんだよなあ。もう魔者様! とか呼ばないとか

な?」

「やめてよ。なんか悪そうなイメージが染みつきそうだし。」

「かっこいいチウ。マジャサマ!」

「私の名は魔者ねこます! 恐れおののくがいい!」

 ちょっと怖そうな声で後ろのみんなに宣言してみる。と、あれ。なんかブッチと

たけのこ以外が顔面蒼白になっていないか。ってまさか威圧が発動したとか?


「な、なんだか急に寒気というか、これが。ねこますさんの威圧ですか。」

「一瞬、恐怖を感じました。流石です。」

「ガクブルチウ。」

「ナンダイマノハ・・・?」

「オソロシイモノガイタキガスル。」

「ワイも一瞬だけびびっときたやで・・・。」


あれぇ。でも味方には威圧って聞かないんじゃなかったっけ。それとも悪ふざけで

みんなをびびらせてやろうかと思ったから発動しちゃったのかな。今後味方に使う

機会があるかどうかは分からないけれど、これはこれで何らかの役には立つのかも

しれないなあ。


「なんでブッチさん、たけのこちゃんは平気なんですか?」

「俺は慣れてるし。」

「ワタシモデス。」

まぁこの2名とは一緒だった時間が多いからなあ。とはいえ、慣れでどうにかなる

いうのであれば、もしかしてみんなに威圧を使っていけば耐性が出来上がるんじゃ

ないだろうか。


「ねっこちゃんが悪い顔をしている。」

「え? してないよ!?」

なんで私の考えを読むんだブッチめ。本当に、いつもいつも私の考えていることを

先読みしやがって。


「姉御。なんかおるようやで!」

「おっ?」

このタイミングで何がいるというのか。ようやくモンスターのおでましか。って言

う予想は大体違うんだろ。はいはい、分かってます分かってますよ。

「定番のモンスターじゃないか! 久々のモンスターじゃないか! 腕がなるぜ!

よし、野郎ども、あいつらをみなごろしだぁー!」

おい。ふざけるな。今度は私の考えを逆手にとった出来事が起こるなんて。ああも

う腹が立つなあってってなんだあれ、うじゃうじゃいる。泥みたいな、なんだあれ。

他にも何かいるみたいだが、こちらに向かってきているようだ。それにしても気配

感知で分かるはずなのに何で、ってうわ、普通に感知できてるじゃないか。これは

私が会話に夢中で気が付かなかってオチか。今後は気を付けないとな。


「よし、それじゃあみんな戦闘準備。多すぎてやばいと思ったら退却するからね。」

「おーー!」

というわけで戦闘開始だ。

今日は、短めです。明日以降加筆修正するかもしれません。


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