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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第1章「般若レディと仲間たち」
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第14話「ゲームの進め方」

 仕事が終わって家に帰ってきた。今日は<アノニマスターオンライン>をプレイする前に

私はこれからどういう風にプレイしたいのかと考えていた

まず私は、ここまで一度たりとも自分のステータスを見ていない。これは、ステータスという具体的な

数値に依存するのが良くないと考えているからだ。そのため、自分がどういう能力を持っているとか

具体的なことは何1つ分かっていない。だけど、たけのこが「威圧」を使っていると言ってきたので

私もスキルがあるというのは分かった。分かったけれど肝心の使い方がよくわかっていない。

常時起動しているのかもしれないし、特殊な条件で起動するのかもしれない。

もしかしたら般若レディの固有スキルみたいなものかもしれない。

それもステータスを見なければ分からない。見ればオフにする方法が分かるかもしれないし

分かればこの間のように勝手に兎を倒すこともなくなるだろう。

 しかし、それでも私はステータスを見たくない。見れば自分の限界も知ってしまう気がする。

それが嫌なのでこれからも見たくない。ひょっとしたらとても強いスキルなどを持っているかもしれないけれど

絶対に見たくない。 だけど今回みたいにたけのこから教えてもらったりするのはありにする。

そういう交流で分かるほうが楽しいし。何でもかんでも教えてもらうのはなしにするけどね。


よし、そんなわけで、今日も元気にプレイするぞー!

「ねこマスサマ。オカエリナサイマセ。」

「ただいまたけのこー!会いたかったよー」

このもふもふは最高だ。

「昨日の兎は全部食べたの?」

「ハイ!オイシカッタデス!」

どうやら美味しくいただいたようだ。今私は開き直っている。もう威圧で兎を簡単に倒せるなら

それでいいじゃないかと。たけのこが美味しく食べてくれるわけだしね。そういえば私はまだ食べた事が

ないのでそのうち食べてみるとするか。


今日からの目標は、村や町を探して行ってみることにした。

他のプレイヤーとは一切会わず、NPCとも全く会わないのはおかしいので、色々動いてみないといけないと

思ったからだ。恐らく人が集まるところがどこかにあるはずだ。

私は人じゃなくてモンスターみたいな扱いになる可能性もあるけれど、その時は戦う。


きっと私より先にプレイしてきた超強いプレイヤーとかもいるのだろうし、そういうのと出会う可能性

も無きにしもあらずだ。というかそんな強そうなプレイヤーをむしろ倒したい。ぶっ倒したい!

般若レディの強さを見せつけたいという気持ちがある。もう般若レディには愛着があるので、このキャラで

てっぺんを目指すつもりだ。


まずは草原を真っ直ぐ歩いていこうと思う。ひたすら真っ直ぐだ。

大体まっすぐ行くとそのうち何かがあるっていうのが定番だ。私の勘は大体正しいはず。


そうしてしばらく歩き続けたけれど、同じような景色が続く。

「これはまさかループしているんじゃないだろうか」

この草原はもしかしたら、そういう草原なのかもしれない。迷いの草原とでも言えばいいのか。


例えば、西に何回歩く、北に何回歩くっていう手順で行かないと目的地までたどり着けないという

謎解きにでもなっているのじゃないかと思う。ふむ、だとすると。

「北北南南西東西東鎌を振る、杖を振るをやってみよう」

何の儀式だと言われるかもしれないが、昔のゲームにこういうコマンドがあったんだよ。

私はレトロゲームも大好きなので知っているのだ。光景が変わるのが大体100歩くらいだから、

100歩歩いたら次の方向に進むとしよう。


「たけのこ、私の横についてきてね。はぐれないでね。」

「ワカリマシタ!」


こういうマップでは、後ろにいたり前にいたりするといつの間にか仲間が消えているなんてことも

あるのが常だろう。そして分断させられて、仲間を人質に取ったとか言う悪役が出てくるんだ。

私を騙そうったってそうはいかないぞ!私からたけのこをとろうとするやつには死あるのみ!

現状、私の癒しはたけのこのもふもふだけなんだ。これを奪い取る奴は死あるのみ!


そんな決意を胸に、歩き続ける。そして最後の移動が終わった。

「ここで鎌を振って、杖を振って・・・あはは。なんも起こるわけがないよね。ははは。」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!


なんか爆発音のようなものが聞こえてきた。地面から何かが盛り上がってくる!

じ、地震だ。なんだこれええええええええええ!?


「ゆ、揺れる。うわわわわわわわ!」

「ワォオオオオン」


まさか昔のゲームのコマンドが正解だったとは!さては社員も好きだったな!

とてつもない幸運に恵まれたが、この先何が起こるか分からない。

鬼が出るか蛇が出るか、それともお宝か!?


揺れが収まりそして、目の前には、洞窟の入り口のようなものが出来上がっていた。


「洞窟・・・?」

いきなりそんなものが現れても反応に困るね。いや本当に困るって。

ここから何か出てきたりしないか警戒する。とりあえず入り口に向かって獣の骨を

投げつけてみる。


カラーン・・・。何にも当たらない。入り口付近には多分モンスターとかはいないのだろう。

入り口の目の前まで来てみる。奥を覗いてみると、真っ暗ではなかった。

なぜか淡い光がでているため、一応先に進むことはできそうだ。

完全に真っ暗だったらどうしようかと思ったけど、これなら先に行ってみてもいいかな。


「たけのこ、この洞窟に入ってみるけど大丈夫?」

「ハイ!クライトコロハトクイデス!」

「さすがだね!じゃあ行こう!」

「ハイ!」


こうして私とたけのこは、洞窟に足を踏み入れるのだった。

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