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アノニマスターオンライン  作者: 超電撃豚豚丸
第3章「魔者の大陸」
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第132話「青い鳥」

 青い鳥が、幸福の象徴なんて言われていたとしても、このゲーム内では、冷気を

吐く魔鳥なのであれば、むしろ身内に不幸にでもありそうだなあ。なんて考えたの

と、さっさと倒すことで幸福になれるという事じゃないのだろうか。

 ところで、ふと気になったことだ。なんか最近群れるモンスターには襲われてい

ない気がしている。まぁ、私だけかもしれないな。私としては、そろそろ群れで襲

い掛かってくるモンスターと言うか、チームワークがすごいモンスターが現れてい

いのではないかと思っている。


 ここで、青い鳥が一匹だけとは限らないだろうとみんなに伝えておく。これにつ

いても、一匹倒したらもう一匹が現れるなんて展開があるので、それを見越した戦

いをするようにしたい。

 

「私とエリーちゃんが中距離支援。ブッチとたけのこ、イッピキメとニヒキメは接

近戦。たけのことねずおは撹乱と奇襲狙いでよろしく。そんでもってだいこんは、

私とエリーちゃんの壁ってことでよろしく。」

 みんな頷いてくれていたが、だいこんだけは、渋っていた。だいこんは結構耐久

性があるからあるから壁役にぴったりだろう。


「では、かかれ。」


 向こうもこちらに気が付いている事前提で戦うので、いきなり攻撃をしかけたと

しても対策されて、大してダメージは与えられないだろう。なのでまずは、どんな

動きなのか様子を見てもらうようにしないといけない。

 ブッチが草むらから飛び出して、青い鳥に奇襲をかけた。しかし、青い鳥は空へ

と逃げたので、攻撃は当たらなかった。いきなり空中に動かれるのは嫌だなあ。こ

っちの攻撃は届きにくいのに、相手は、いつでも好きな時に攻撃を仕掛けてくるこ

とができるというのが一方的で気に入らない。


「たけのこ。あいつが近づいてきたら重圧をよろしく!」

「ハイ! マカセテクダサイ!」

 重圧だったら、あいつの空の動きを制御できると思うが、ある程度近づいてきて

くれないと射程圏外になって当たらないかもしれない。だから、こちらに攻撃して

くるときに合わせて使う必要がある。


 空高く飛んでいる青い鳥が見える。こちらに攻撃してくる気配がないが、急降下

して私達全員を吹き飛ばそうとしているかもしれないなあ。飛行速度がどれくらい

なのか分からないが、かなり速いことが予測されるので、いつ仕掛けられてもいい

ように体制を整える。

「なんやあの鳥。空に逃げ追って。正々堂々向かってこいや。」

 だいこんが、なぜそんなに威勢がいいのかは分からなかったが、私も同意見だ。

見た目的には強そうって感じなんだからさっさとこいやって思う。それとも、あん

な巨体に見えて臆病者だったりするんだろうか。


「エリーちゃん。ここから、魔法であいつを撃ち落とせそう?」

「多分、攻撃は届きますけど、向こうも警戒しているので回避されちゃいますよ。」

面倒くさい奴だなあ。これまでにいなかったタイプだ。あんなでかい図体している

のに、ものすごく慎重派なのかな。


「おっし。じゃあ木でもぶん投げてみるか。」

 ブッチがモーニングスターを取り出し、近くにある木に何度も叩きつけた。する

と簡単に木が倒された。あれ、ブッチが木を取るのにもっと時間かかっていたと思

うんだけど、これも魔者の塔で武者修行した結果なんだろうな。

「飛び道具を現地調達することになるとは思わなかったな。ひとまず木を2本採れ

たわけだし、後はこれを、空にいる青い鳥に向かって投げつけてみるか。」

 言い終わるのが早いか。ブッチはそのまま丸太となった木を上空へと放り投げた。

が、それは簡単にかわされてしまった。そしてもう一本も投げつけるが、これまた

青い鳥に当たらずに、その場に落ちてくる。近くに落ちてきた丸太を何回も上空に

投げ続けるブッチがすごかった。


「ずっと上空を飛んでいるだけの体力がどれだけあるのかだよねえ。」

「翼を使って浮いているのか、魔力を使って浮いているのか、あるいはその両方な

のかってところですね。」

 おっと、エリーちゃんも分析をし始めたか。何かしらの力で上空にいるのだろう

がずっと飛び続けてはいられないだろう。飛行するというのはエネルギーを結構使

うことだと思う。あ、それを意識しないくらい、かなりのエネルギーを持っている

っていうなら別か。だからいずれは、地上に降りてくるとは思っているのだが、魔

力なんかを利用しているなんてことになると、ずっと飛行し続けられてしまう。


「オラオラぁ! 逃げてばかりで楽しいかこの臆病者が!」

 ブッチが青い鳥に向かって安い挑発をしながら丸太を投げつけていた。だがそれ

も当たらない。上空へと投げるが、青い鳥にぶつからずに、丸太が落下してくる。

地面に落下するときの音が意外とうるさいな。そしてこれはこれで危険だ。くそう。

あの青い鳥、面倒くさいなあ。


「私がイエロードローンで向かって行きましょうか?」

くろごまの申し出があった。確かにイエロードローンなら空を飛べていいんだけれ

ど。

「んんー。あの高さじゃ届かない気がするんだけど、どうかな?」

「あの高さまで飛んだ事は無いですね。」

「あっ、あたしも羽があるので念のために言っておきますけど、あの高さまでは届

きません。」

 あの青い鳥、そんな高く飛べて凄いな。だってのに何で攻撃仕掛けてこないんだ

よ。何とかならないのか。いや何とかするのがこの私だ。


「よし、けむり草でちょっと煙たくなるけど、これで視界を遮るよ。そのタイミン

グで、ブッチ、丸太を投げつけてね。」

「あいよー!」

鳥の目は遠くまで見渡せるなんて言うが、周辺にけむり草を使えば、どこから攻撃

されているのか分からないという状況になるんじゃないのかな。煙の中から飛ばせ

ば多少は回避しにくくなるだろう。

「最悪のパターンは、ここで逃げられてしまう事だなあ。私は、それが回避できれ

ば現状は満足だな。」


「くっそーあとちょっとなのに当たらなかった。やっぱり丸太が2本だけはだめな

のかな。となると、2本増やすか。」

「増やしている時に、襲われないように。こっちでもどうするか考え中だし。」


「この青い鳥は、何がしたいのか分からんのやで。」

「私だって分からないって。さっさとかかってこいやーって感じなのにもう何なん

だ。」


 青い鳥に何もさせてもらえないんだが、どうすればいいんだこれ。青い鳥はた

だ、のんびりと空中を飛んでいるだけで何もしてこないままだし。あっ。

「おっ。何か思いついた?」

「なんで分かったんだ?」

「いやー顔つきで分かるんだよねえ。で、どうする?」

「私が丸太に乗っかるから、私ごとあいつに投げつけるんだ。」

「え!? マジで言ってる?」


 大真面目に言っている。というか正しくは、私とたけのこだ。青い鳥に近づいた

ところで、たけのこが重圧を使う、そして私は浮遊を使う。これで青い鳥の自由を

奪うことができるという算段だ。

「そんで、私達が落下しそうなあたりで、上手いことキャッチしてくれると助かる。」

「お安い御用だよ。ってそれは、俺もやってみるけど、だいこんも頼むよ。」


「ファッ!? なんでや? ワイ関係ないやろ?」

「巨大化してくれればクッションになるでしょ!」

「お、おおぅ。そういうことかい。よっしゃええで。」


 良い感じにまとめってきた。丸太投げ作戦が失敗した場合が怖いなあ。近づいた

らものすごく凶悪な攻撃をされるなんてことがあるかもしれないし。

近づかなければ勝敗なんてものがないままになる。だけど青い鳥との戦いは、白黒

はっきりさせたいな。


「今のところ何もしてこないって嫌な感じがするなあ。何が起こるか分からない状

態だからなあ。まだ冷気なんて攻撃されているわけじゃないのに、すごく不快な気

分だ。


「あの青い鳥、結構頭いいんじゃないのかな。」

「そうだと思う。だからこそ、こんな姑息な戦法に頼ってくるんだよね。こんなに

人をからかいやがって。


「よし。それじゃあ、ねっこちゃんにたけのこちゃん。丸太に乗って。」

口の中には薬草を含んでおく。武器は鎌と火薬石弾。さっきそのあたりに石ころが

あったのでそれを活用した。

 今回の作戦で一番怖いのは、空中落下だな。あの高さから落ちるのは怖いしなあ。

「俺が丸太を投げた後ってことか。俺のコントロールが下手すぎて、当たらなかっ

たなんてなると悔しいので、ねっこちゃん! 一発で当ててね!」


どうしてそこでプレッシャーをかけるんだ。ああプレッシャーと言えばたけのこに

重圧を使うタイミングについて話しかけておかないとね。

 ふっふっふ。ももりーずVの連携プレイを見せてやるとするか。


少し短めでした。

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