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#51

 翌日――。

 ついに彼女は木野 友梨奈としての最期の日である転生手術の日を迎えた。

 彼女は病室で簡単に体操をしている時に足音が近づいてくる。

 そして、その足音は友梨奈の病室(ところ)の前で止まり、扉を叩く音が彼女の耳に入ってきたため、「はい」と返事をした。


「失礼します。友梨奈さん、おはようございます」

「おはようございます!」

「……あっ……一度、出直してきます……」

「で、出直さなくてもいいですよ? もうすぐ終わりますし」

「ならば、少し待ちましょう」


 病室の扉が開き、ジャスパーが姿を現したが、そこに入るタイミングを間違えたと思い、出直そうとする。

 友梨奈は慌てて深呼吸をし、体操を終え、ベッドに腰かけた。


「では、改めまして。昨日はよく眠れましたか?」

「……はい……」


 彼女は苦笑を浮かべながらそのように答えたが、実は不安でなかなかよく眠れなかった模様。


「そういえば、今回の手術は痛くないですか?」

「使う麻酔にもよりますが、今回は全身麻酔を使いますので、痛くないと思いますよ。あなたが目を覚ましましたら、別世界にいるかもしれませんね」

「……ジャスパー先生、最後のは()()()ですよ?」


 彼が今回行おうとしている手術では全身麻酔を使用する。

 また、手術前にできるだけ友梨奈が安心できるように声かけをしようとしたが、逆に今回は不信感を与えてしまったか不安になりかけ、冷や汗をかき始めていた。


「そう思いましたか? 実際には本当かもしれませんよ?」

「じゃあ、前世に戻れたら、素直に喜ぶことにします」

「さて、友梨奈さん。あと少しで()()()()()()()()()()()()のですよ?」

「そうですね」


 白衣のポケットからハンカチで汗を拭き取りながら、ふと腕時計を見るジャスパー。

 時計の針は手術開始二時間前の時刻を指していた。


「それでは、僕は手術の準備をしてきますね」

「分かりました」


 彼は彼女にそう言い残し、病室から出ていく。


 ジャスパーは今回の手術を失敗したくないと思っている。

 なぜならば、彼は友梨奈をどのような姿にするとしても無事に前世に戻すためには失敗は(ゆる)されないと思っているのだから――。

「【原作版】」の「#19」の前半部、「スピンオフ」の「#24」をベースに改稿。


※ 次回は少しだけですが、医療シーン(手術など)が入ります。

苦手な方はご注意くださいませ。


2018/11/09 本投稿


※ Next 2018/11/10 0時頃更新予定。

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