#49 (♪)
【作者より】
今回の第49話は説明図が2つあります。
画像が見づらかったらすみません。
また、「【原作版】」の第17話と「スピンオフ」の第23話と同じ説明図を使用しております。
あらかじめご了承くださいませ。
友梨奈はその状況が理解できず、悶絶しているようで「なぜですか?」とジャスパーに問いかける。
「先ほど、僕が言った通りあなたはすでに魂は前世にあります。しかし、あなたの身体はそこには存在しないのです。よって、あなたの両親やお友達にも会えないのです」
彼は自分の口から彼女に分かりやすく説明したつもりだったが、さらに複雑になってしまって頭が混乱しているかもしれない。
ジャスパーはそう思ったので、何か図を書いたら分かりやすいかと思い、彼は机からメモ帳を取り出し、次のような図を描いた。
ジャスパーはその図を描いて友梨奈に見せた時、「……そんなぁ……」と肩をがっくりと落とす。
「今の友梨奈さんの容姿を見ることができるのは僕だけです。ただ、どうしても前世に行きたいならば……」
「ん? それは……?」
「別の人間になるか亡霊になるかしかないのです」
彼は先ほどの図に新たにこのように追記した。
「わ、私以外の人物になる……?」
「ええ。それしか方法はございません。それでも、前世に行きたいですか? それとも、そのまま亡霊になりますか?」
「……うっ……」
「選べませんか?」
ジャスパーが彼女に突きつけたのは「亡霊になるか」、「友梨奈以外の人物になるか」という選択肢。
現に前世に戻れる方法はその二つしかなく、友梨奈にとっては究極の選択肢である。
彼女は亡霊になるのだけは嫌だが、どうしても前世に戻りたいという願望。
しかし、今の自分の姿で戻れないのならば、自分以外の人物になればいい――。
よく考えているうちに友梨奈は心の整理がついてきた。
「……お願いします。私は前世に戻れるならば……手段は選びません」
「畏まりました。手術は明後日にしましょう」
「はい」
「では、こちらの紙に友梨奈さんの要望を書いてください。僕があなたの要望に添った人物にしますので、ね?」
彼は彼女に紙とペンを差し出し、「あとで取りに伺います」と言い残し、病室から去る。
友梨奈が今から書こうとしている紙は「転生手術のための要望書」だということを彼女は知らない――。
「【原作版】」の「#17」の後半部、「スピンオフ」の「#23」をベースに改稿。
2018/11/07 本投稿
2018/11/07 サブタイトル修正
※ Next 2018/11/08 0時頃更新予定。




