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塩。~拳精、思い付きを行く(仮)~  作者: 天爛
チュートリアル的な
8/33

(8)紹介。

(2016/05/29)誤字修正

「じゃあ、みんなにも紹介したいから呼んでみるよ」


 そう3人に声を掛けつつ、メール画面を開く。


「To:ソルト 友達を紹介したいから来れるようなら来ない?」


 送信っと。


[来た]


 瞬時にして僕等の目の前に現れるソルトちゃん。って、来るの早過ぎない?


[暇だったからモニタしてた]

「そ、そうなんだ」

[トルテは私の初めての友達。見逃す手はない]


 ……なんか、微妙に病んでないですか、ソルトさん?


[それにこの3人と知り合いだったのにもビックリ]

「あれ? 知り合いだったの?」


 でも、3人ともソルトちゃんの事を知らないみたいだったけど。


[直接は知らない。でも運営内ではいろんな意味で有名]

[例えば……]

「えっと、お兄ちゃん。そろそろ紹介してくれない?」


 そう言ってスケッチブックの後半を隠すようにアルスが割り込んできた。

 続きが気になるけど、確かに紹介もまだなんだよね。


「こっちは僕じゃなくて俺様のキャラメイクを担当してくれたソルトちゃん。喋れないけど仲良くしてあげて」

[正式名称:ソルトNo.40。ソルトでいい]

[あと、喋れないのじゃなくて喋らないだけ]

[そういうロールプレイと思って]


 ソルトちゃんはぺらりぺらりとスケッチブックをめくり、言葉を進める。


「わかった。ボクはアルス。お兄ちゃん、トルテとはリアル兄妹。運営で有名なら知ってると思うけどこう見えて男だからよろしく」

[よろしく。”六色災厄シックス・ディザスター”にして”憤怒の天使”アリス]

「ぐふ。その厨二な肩書きは忘れたかったのに……」


 災厄に憤怒って一体なにやらかしたんだよ。


「えっと、俺はナイトだ。一応トルテの幼なじみだ」


 一応ってなんだ一応って。


[よろしく。”怠惰の騎士”にして”器用貧乏(マルチウェポン)”ナイト]

「せめてバラすなら”百器騎士”の方にして欲しかった……」


 分かりやすくorzのポーズをするナイト。怠惰ってそっちの方でも有名なんだね。


「え、えっと自己紹介するのがなんか怖いんですけど、βでのことは黙っててくれますか?」


 その問いかけにサムズアップで返すソルトちゃん。

 あっ、絶対言う気だ。これ。


「チィサちゃんだけ言わないのはずるい」

「そうだ。チィサ。死なば諸共だ」

「死なばって、……そんなにイヤだったの?」

「いや、いずれバレるとは思ってたけどよ。流石に初日でバレるとはな?」


 なるほどね。確かに僕だってあんな厨二な渾名はバレたくないかも知れない。


「えっと、チィサです。ナイト兄さんの妹でアルスちゃんとは同じ歳です」

[よろしく。”ぬいぐるみの女王さま(ぬいぐるみクイーン)”チサチサ]

「あう。言わないでって言ったのにっ」


 悲鳴を上げ崩れ落ちるチィサちゃん。ぬいぐるみは兎も角女王さまって感じしないけどどう言うことなんだろう。


「あの、ソルトちゃん。女王さまってどういう……」


 気になって訊こうとした矢先、ナイトが僕の肩に手を置いて首を振った。

 訊いてやるなって事かな。

 まあ、確かにチィサちゃんにとって不名誉な肩書きな様だし、訊かれたくないかも。

 気にはなるけど今は諦めよう。そのうち本人が教えてくれるかも知れないしね。




 さて、一通りの自己紹介もすませたし、保留にしてあったスキル決めの作業に戻ろうかな。

 っとそうだ、せっかく4人がいるんだしお薦めスキルとか聞いてみようかな。


「ところで残りスキルを決めちゃおうと思うんだけど、【調理】がダメならなんかお薦めある?」

[【調理】ダメ?]

「壊滅的に」「死にたくなければ試していいけど」「ソルトさんならバグ発生の可能性もありますね」


 そこ、さっきから酷すぎ。


[……取れない様に封印(ロック)しとく?]

「「「ぜひ!!!」」」


 そこまで?!

 ってホントに文字が灰色になって取れなくなってるし。


「まあ、【調理】はなかった事にしよっか」

「ですね」

「そうだな」


 こくり。3人の言葉に頷くソルトちゃん。

 いや、ソルトちゃんは僕の料理食べたことないよね!?

 風評被害だ。風評被害。訴えてやる。


「お兄ちゃん。風評被害の意味知ってる?」

「……ノーコメントで」


 ジト目で見てくるアルスに対し、僕はそっと目をそらす。分かってる、分かってるよ。僕だって。それがどうしようもない事実だって事ぐらいはさ……。

β時代の三人はその内出します。

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