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塩。~拳精、思い付きを行く(仮)~  作者: 天爛
プロローグ的な
4/33

(4)名前。

すみません。主人公の苗字を変更しました。(以前の話については修正済み)

 キャラを作り終えて一息着いた僕は、なぜかまだキャラメイキングエリアにいた。

 ……。

 2人の間に微妙な空気が流れている。

 ほかに何かやらないといけないのか、僕は意を決して口を開いた。


「えっと、アバターも出来たしキャラメイクは終わりだよね。もしかして転送に時間がかかるとか?」


 なんて言ってみると彼女がスケッチブックを差し出してきた。


[名前教えて]


 名前? 名前なんて聞いてどうするんだろ。もしかしてユーザー登録に必要とか? でも脳波で登録するってアリスが言ってた気もするけど……ま、いっか。


「えっと僕の名前は天宮健也。天の宮で健やか也だよ」


 それを聞いて少女が固まる。あれ、なんかおかしかった?


[そうじゃない。キャラ名]


 あっ。察し。

 自身の大ボケに顔が熱を帯びるのを感じる。これめっちゃ恥ずかしい。


「え、えっと、ホントはザッハにしようと思ってたけど見た目が女の子だしトルテにしようかな」

[ケーキ?]

「うん。僕の大好物。そだ、君の名前も聞きそびれてたよね? よければ教えてくれる?」


 まあ、書こうとしてたのを止めた僕が悪いのだけれど。


[いいよ]


 そう書かれたスケッチブックを僕に見せた後、ページをめくりマジックペンで何かを書き出した。

 名前ぐらいは自分で書くってことらしい。

 そして差し出されるスケッチブック。そこには可愛らしい字体で[ソルトNo.40]と書かれていた。


「ソルトちゃんっていうんだ。あっ、ソルトちゃんって呼んでいい? 僕の事はトルテでいいから」

[トルテ……ちゃん?]

「呼び捨てでいいよ。『ちゃん』は違和感あるし『くん』はソルトちゃんが違和感あるんでしょ?」


 ソルトちゃんがこくりと頷く。ちょっとぐらいは否定して欲しかったけど、しようがないよね。


「でもNo.40? もしかしてほかにもソルトちゃんいるの?」


 ソルトちゃんはしばらく首をひねってからスケッチブックをめくった。


[キャラメイクサポートNPCならいっぱいいる]

[けどソルトは1人だけ]

「そうなんだ。でもそれならなんでNo.40なの?」


 再度首を傾げたソルトちゃんだけどすぐに少し頬をゆるませた。


雰囲気?(語呂)やった変換できた(合わせ?)

「語呂……あっ、ソルトだから40(しお)なんだね」

[正解]

「賞品は?」

[ない]

「それは残念」


 もちろん元から期待はしていない。


「で、ほかにやり忘れてる事ってある?」


 ソルトちゃんは首を傾げて考える。相変わらず可愛い。


[ここでアバターの試運転が出来る]

[していく?]


 そうなのか。確かにいざ使ってみてしっくりこなかったらやり直しとか面倒だもんね。

 でも、僕はいいかな。


「人待たせてるし、残念だけど遠慮しとくよ」

[残念。あとはフレンドIDとか?]

[待ち合わせしているなら聞いてると思う]


 それがあった。忘れてたよ。


「えっと確か……」


 念のためほかに聞こえない様にソルトちゃんに耳打ちをする。


[分かった。転移し次第連絡しとく]

「そっか、ありがとう。じゃあ長くなったけどそろそろ行くよ」

[気にしない。どうせトルテが最後だったから時間は十分ある]

「えっ」


 最後ってどういうこと?


[ファーストロット最後のプレイヤーがトルテ]

「だからセカンドロット発売までしばらくは暇」

「そっか、寂しくなるね」


 しばらくの間。


[じゃ、転送陣出す]


 目の前に瞬時にして魔法陣が現れた。

 なんかごまかされた気もしなくはないけど、たぶんここに乗ればフィールドに送られるんだよね。

 ここから始まる僕の旅。どんな出会いがあるんだろう。

 ソルトちゃんのことが少し気になるけど、きっと楽しいことがいっぱいあるんだろうな。

 さあ、僕の旅は今始まったば……


「あっ、ソルトちゃん。ちょっとお願いあるんだけど」


 ふと思いつき踏みだそうとした一歩を止める。

 そしてふいに振り返った僕を見て、彼女は首を小さく傾げた。

他のキャラメイクサポートNPCの名前としてはシュガーNo.310とかメーブルNo.462とかハニーNo.32とかベリーNo.15とか思い浮かんでる。

登場する可能性があるかないかわからないけど。

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