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塩。~拳精、思い付きを行く(仮)~  作者: 天爛
チュートリアル的な
16/33

(16)勝利。

(2016/05/29)キャラクターメイキングとキャラクタークリエイトが混在してたので修正

 結果から言おう。ゴブリンの首があり得ない方向へと曲がり、そして光となって消えた。って、これだと誤解を生みそうだから言って置くけど、消えたのは頭だけじゃないから。ゴブリン丸ごとだから。

 まあ、要するにあの一撃でゴブリンの残り5分の1のHPを削り切ったらしい。


「ほえ」


 あまりのことに呆然とする僕に仲間達が駆け寄ってくる。


「お、おい。一体何したんだ」


 それは僕が訊きたい。20発以上殴る蹴るしてやっと5分の4削ったのに、たった一撃で残り全部とか一体何か起こったのか。


[【魔撃】でMP、【居合い】でSPDが乗った上でクリティカルが発生した結果]

「【居合い】? ぼ……れ様そんなスキル持ってないけど」

[模倣スキル。だから本来の【居合い】よりは効果低い]

「模倣であれかよ……」


 模倣スキル?


「あっ、分かってないようだから教えるけど模倣スキルって言うのは本来持ってない一部スキルのモーションを真似ることで使えるスキルで、ソルトちゃんが言うように本物より効果は低いけどスキル枠の消費を必要としないシステムのことだよ。さっきの戦いだと【体当たり】での怯みもそうだよね?」


 アルスがそう尋ねるとソルトちゃんがこくりと頷く。

 なるほど。でもそうすると【居合い】を取ったらいまさっき以上に威力が上がるのか。ポイントと枠に余裕出来たら取ってみようかな。


「ともかく妖精のMPとSPDの上乗せな上にクリティカルって、やりすぎだろ」

「普通クリティカルなんて早々出ないのに運いいよね」

「ビギナーズラックって奴だと思いたい」


 思いたいと言うか確実にそうでしょ。


[カウンターと【幸運】の相乗効果]


 と、思ってた時期が僕にも有りました。一応発生率が高くなる根拠があったのね。まあ、その上でのビギナーズラックだろうけど。


「あと、最後の一撃もインパクト強かったけど、その前も有りえない動きだったしな」


 そうかな?


「トルテさんが構えてからのゴブリンの攻撃を避けまくりなからの攻撃。一撃毎のダメージは少ないようでしたが受ける毎に遅くなっていくゴブリン。そして最後の一撃。なんかすごかったです」

「うん。まるで別ゲー。狩りゲーとか格ゲーしてる感じだった」


 うん。確かにあの体格差。狩りゲーっぽかったかも。


「少なくとも、トルテのリアルプレイヤースキルでは無理だと思うぞ」


 少し考えてみる。リアルであの動きをする僕。浮遊は当然無理だとしてあの連撃と回避は……。うん。無理。途中で倒れてるのが簡単に予想できる。

 なら、なぜあの動きが出来たのか?

 疑問に思いソルトちゃんの方に目をやる


[リアルプレイヤースキルと言っても実際に体を動かしてる訳じゃない]

[大事なのはイメージ力。普通なら実際の自分の動き以上の動きはイメージ出来ない]

「リアルと被らせて無意識に制限してしまう?」

[そう。出来ても10~20%ぐらいの上乗せが限界]

[でもトルテは違う。正確にはわからないけど100%イメージを実現出来ている可能性もある]


 と言うことは普段マンガやアニメを見て妄想(イメージ)しているアレやコレを実現できるって事?

 【浮遊】(舞空術)でちょっと期待してたけど、本当に出来るとなると……、「おら、わくわくしてきたぞ」


「お兄ちゃん、声出てる」

「あっ」


 アルスに指摘され、思わず口を押さえる。

 こら、笑うな。そこの2人。


「で、どうするんだ。アバター替えるのか。そのままか? 今のままでも勝てなくないってのは分かったが時間が掛かりすぎる。パーティには不向きだ。まあ【採手】に拘らなければ時間短縮できそうだが、どうせ拘るんだろ?」

「まあね。しばらくソロで頑張ってすぐにみんなに追いつくよ。って、そんなこと確認するぐらいなんだからアバター替えないことも予想済みなんだよね」

「そりゃ、長いつき合いだし」


 辺りを見回すとアルスもチィサちゃんも同意のようだ。


「ま、お兄ちゃんだしね」

「はい。トルテさんらしいです」

「ごめんね。意地っ張りで」


 そう言って笑い返す。同じく3人も笑っていた。


「と言うことでアバターはこのままで行くよ」


 ソルトちゃんにそう告げる。多分だけど僕がアバターを替えると思ってここまでつき合ってくれたんだと思うし、ちゃんと宣言しとかないとね。


[了解]


 軽く一言で返し、その後少し考えるソルトちゃん。そしてペラリとスケッチブックをめくりとある提案をしてきた。


[けど、出来ればこのままモニタリングさせて欲しい]

「それはいいけど何で?」

[トルテの例はかなり特殊。だからサンプルにしたい]


 僕としては別にいいかなって思うし、そもそもやろうと思えば無断で出来るよね。


「報酬としてスキル枠付きでオリジナルスキル1つプレゼント」

「おいおい、オリジナルスキルって。それにいきなりスキル枠1個増加も割とチートだぞ?!」

[大丈夫。効果としては0th(オース)と同じ感じ。ぶっ壊れ性能にはならないはず]

「なら、大丈夫なのか?」


 0th(オース)か。ナイトやアリス、チサチサのを見て少なからず羨ましかったし、3人と肩を並べられると思うと純粋に嬉しい。

 だからってこともなくはないけど引き受けようと思う。


「うん。いいよ。協力する」

[しばらくアバターの変更は控えて貰うことになるけどOK?]

「OK。大丈夫」

[じゃあ、一度キャラクターメイキングエリアへ帰る。付いてきて]


 なんでキャラクターメイキングエリアへ戻る必要があるのかよく分からないけど、まあいっか。


「じゃあ、行ってくるよ」

「おう」

「どんなスキルか後で教えてね」

「終わったら連絡するよ」

[分かった。帰りは噴水前に送る]

「了解」

「では一旦解散って事でいいでしょうか」


 こくり。チィサちゃんの提案に僕を含めた3人が頷いた次の瞬間、僕は何もない白い空間、キャラクターメイキングエリアへと移動していた。

【浮遊】(舞空術)が無かったらトルテの妄想爆発はなかったと思われ。

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