表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
塩。~拳精、思い付きを行く(仮)~  作者: 天爛
チュートリアル的な
12/33

(12)大量発生。

今回も短め

 その後さくっと移動してここはハーディ草原。さっきまでいた始まりの町の南にある草原でウサギやゴブリンなどの弱いモンスターが常在している。また所々で薬草と混生している雑薬草は調合には向かないながらも直接食べれば僅かながらHPが回復する所謂初心者の狩り場というべき所だ。

 流石に僕の様な特別なパターンを除いて、発売当日に始めたプレイヤーが殆どなので今は僕ら以外誰もいない。


「誰もいないね……」

「まあ、みんなとっくに初心者を抜けたレベルに達しているからな」

「流石に次の場所へ移動しているよね」


 なんでも次の場所だとモンスターも少し強くなり種類も増えるため自分のプレイスタイルに合わせて相手を選べる上、雑薬草が混ざらなくなる分ポーションの材料である薬草の採取も楽なのだそうだ。


「かく言う私達も少し先の場所でレベル上げしてますし」

「そうなんだ。じゃあ、ぼ、れ様が足ひっぱているとか?」

「まあ、はっきり言うとそうだが、今日は元々トルテにつき合うつもりだったし気にすんな。明日以降はパワーレベリングするなりソロで行くなりいろいろできるし」

「わかった。とりあえず今日は頼むよ」

「おう」


 そして改めて辺りを見回す。


「にしても多いね。モンスター」

「まあ、最近は誰も狩っていないからな」

「にしても多すぎない?」


 そう。明らかに多すぎる。初心者レベルって数じゃない。

 少なくとも僕みたいな駆け出しプレイヤーが戦おうとしても囲まれてすぐ終わるレベル。

 ホントにここが初心者向けフィールドなのか怪しいぐらいだ。


[たぶんランダムイベントのせい]

「ランダムイベント?」


 こくり。ぺらり。


[ランダムイベント:大量発生]

[不定期に発生する汎用イベント。発生後、一定量狩られるまでそのフィールドのモンスターの最大POP数が激増する]

「それが誰も来ないようになってから発生してたって事か」


 こくり。


「どうするの? 流石に量が多すぎるよね」

「そりゃ、後で掲示板に報告上げとくとして討伐するっちゃないだろ」

「ちなみにですが、例えば今POPしているモンスターを全部倒したら大量発生は終わったりします?」


 チィサちゃんの問いかけにソルトちゃんがサムズアップで返す。


[正解。最大POP数分倒したら終わる設定]


 と言うことは全滅させたら当然終わるよね。


「なら、0th(オース)でちゃっちゃと終わらせちゃおうよ」

「だな」「了解です」

0th(オース)?」


 アルスの提案にナイトとチィサちゃんが同意を見せるけど、僕にはなんの事かさっぱり分からない。


「1日1回10分間だけアバター切り替えの機能を使ってβテスト最終時点のアバターで戦えるんです」

「なにそれずるい」

「まあβの特権って奴だよね」

「ともかく一旦俺らが0th(オース)で残滅させて、その後の通常POPでトルテが戦うってことで」

「あっ、たぶんパワーレベリングになっちゃいますから、嫌なら外れていてもいいですよ」

「じゃあ、お言葉に甘えて外れとくよ。やっぱり最初の経験値ぐらいは自分で稼ぎたいし」

「そう言うと思いました」

「でも、死なないようにだけは注意してね」


 いや、それはパーティ入っていても同じだと思う。

 でも……


「まぁ気をつけるよ」


 パーティ解除の申請を送り、受領されたことだけ確認すると一歩下がって観戦モードに入ることにした。

 よくよく考えればβ時代とはいえトッププレイヤーの戦闘だ。今後のプレイに何か参考になるかも知れない。ここはじっくり見させて貰おう。


 ……。そう思ってた時が僕にもありました。

何度か頭に『s』をつけてs0th(ソース)にしようかと迷った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ