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虹空の恋  作者: peach-pit
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出会い〜別れ

私は空野海。菜の花高等部に入学する高校1年生。今は入学式。

すっごい暇だ。高校生になると入学式はみんなはしゃべったり寝たりしている。

この学校には同じ学校だった仔がいないから話す相手はいないし、寝相が悪いし恥ずいので寝ることが出来ない・・・・。暇だ・・・。高校で新しい恋を探すつもりだったけど、良い男いないし。最悪だ。実際、この学校に通うことになったのはほとんど制服が可愛いという理由だけだ・・・。適当に選ぶんじゃなかった・・・。

15分ぐらいたっただろうか、校長の話が長く、ちょっとうとうとしかけていた私の肩を トントン と誰かがたたいた。

「ねぇ。」

小さな声で私の耳元にささやいた。

誰?!

私は ビクッ としながら後を振り向くと、男がニコッと笑っていた。

「な・なに・・?」

「あのさ、携帯もっとう?」

「え・持ってるケド・・?」

「ンじゃぁ!番号教えて」

「え?!」

私はビックリしながら番号とアドレスを教えた。

「サンキュー☆」

「う・うん・・」

男子はウインクをして携帯をいじり出した。

私は前を向いて携帯の番号を見てみた。

ri・・ku?あの人 りく っていうんだぁ

すると、携帯のバイブレーダーが鳴り出した。

私は慌てながら携帯を見てみる。

りくっていう人からのメールだった。

『はじめましてー!俺、広田陸ってんだ。お前は?』

・・・やっぱり・・・

私は返事を返す。

『はじめまして。空野海です』

返事はすぐ返ってきた。

『急にゴメンな。なんか後から見ててなんとなく可愛いなぁって思ったんだ!』

え・・・可愛い?私が・・・?

可愛いなんて言われたの初めてだ・・・。ちょっと私は顔を赤らめて返事を打つ。

『私可愛くなんかないよ。でも言ってくれてありがとう』

こんなことをメールしあってる間に入学式は終わった。

私は1−G。担任は女性だった。

休み時間、私は友達がいないので暇だった。その時・・・

「はぁい☆★」

急に私の前に女の子が現れた。

「へ??」

「ビックリした??ハハッ^^私!夢原ぐみッよろしく!!友達にならない?」

友達・・・。高校初めての友達だ。

「うんッ。よろしく!私は空野海」

「海かぁー・・・なんかいいね!あ。私のことはぐみって呼んで」

「分かった^^」

ぐみが友達になってくれたおかげで高校生活が楽しくなった。

帰りにはクレープを食べたり、本屋に寄ったり、ゲーセンで遊んだりした。

6:00頃、私は家に帰り、着替え、ベットに寝転んだ。

その時、携帯の着信が鳴った。

・・・・陸だ・・・

私はメールを見てみる。

『今から会えるか?』

私はビックリしたが返事を返す。

『いいよ』

『それじゃぁ、○×公園に来て』

『分かった!』

私は家を飛び出した。

公園に着くと陸がいた。

「やっほ」

「おー」

陸がなんとなくかっこよく見えた。

「どしたの?」

「・・・」

陸は私が聞いても答えてくれない。

「用がないなら帰る・・・ケド?」

言ってみたケド返事がないので帰ろうと思った瞬間、

「好きだ」

・・・へ?

私は頭が真っ白になった。

「今・・なんて・?」

「だから!好きだって言ったんだ!!」

え・・好き?私のことを・・?

「う・・嘘でしょ・・・」

「嘘じゃねーよ。ってか、なんで嘘つかなきゃなんねーんだよ」

「え・・・ぇぇえ!!!マ・・マジで?!」

「マジ」

ど・・・どーしよ・・・。告白されたの初めてだ・・・。

私はなんだか恥ずかしくなって逃げ出してしまった。

ど・・・どーしよ・・・。

私はその夜寝られなかった。

次の日、学校に向かう途中ぐみに会った。

「海ー☆おっはぁ」

「ぐみおはよぉ」

ぐみと話ながら教室に向かうと、教室に陸がいた。

陸を見ると昨日の事を思い出す。

私は返事のことを悩んでいると、

「海」

私の前に誰かが立っている。

・・・陸だ。

「なに?」

「ちょっと来い」

「へ?」

陸は私の手を引っ張って屋上へと向かった。

「なんでこんなとこに?」

「返事」

・・・返事?

「昨日言わずに逃げ出したから今言え」

今言えって・・・。えらそうだなぁー・・・。

私の気持ちは・・・

「わ・・私も好き」

こうして私達はカレカノになった。

私達のカレカノ人生は結構楽しかった。

授業を時々さぼり、陸が見つけた野原に行ったりした。

クリスマスは陸の家でパーティを開いたり、プレゼント交換をしたりした。

バレンタインにチョコを渡して喜んでもらったし、ホワイトデーはネックレスをもらった。綺麗だったなぁー。

こんな生活を送ってるうちに2年が経った。

今日は卒業式。

今日で高校生活が終わる。

なんだか悲しいな・・。

・・・卒業式が始まった。

先生が順番に生徒の名前を呼ぶ。

「空野海」

・・・私だ

「はい」

私は舞台に立ち、校長先生に卒業しょうしょうをもらう。

もらい終わった瞬間、涙が出てきた。

「広田陸」

陸だ。

「はい」

私が席に座り、陸を見た瞬間、陸と目が合った。

陸はウインクをしながら舞台に立ち、卒業しょうしょうをもらった。

卒業式が終わり、みんなそれぞれ写真を撮ったり、メッセージを書き合ったりしていた。

私は陸のもとに行った。

「ねーねー陸!」

「ン?なんだ海」

私は甘えるように陸を誘う。

「写真撮らない??」

「おーいいぜ!」

私は友達に写真を撮ってもらった。

「じゃーいくよー!」

その時、

「海。好きだぜ」

陸はそう言って私のほっぺにキスをした。

その瞬間をカメラは逃さなかった。

撮った写真を見てみると

陸が私のほっぺにキスしてる・・・。ちょっと恥ずかしい気もするケド嬉しい気もする。

こうして高校最後の卒業式は終わった。

そして4ヵ月後、陸から急にメールが来た。

『今から会お』

これから?どしてだろ・・・

『いいよー』

『じゃぁまた○×公園に来て』

『すぐ行くねぇ!』

私は返事を送った後、すぐ家を飛び出した。

私が公園に着いた時にはもう陸は公園に着いていた。

「陸おまたせ」

「おー」

なぜか陸は暗い顔をしていた。

「陸?どしたん?」

「海・・・」

陸の顔は真剣だった。

「ン?何??」

「俺達・・・別れよ」

へ・・・?別れる?

「どうして?!」

「ゴメン・・・」

「そんなぁ・・・」

私の瞳に涙が浮かんできた。

「海。デートしようぜ!」

「で・・・デート??」

「おう!」

泣いている私をはげますように陸は私をデートに誘ってくれた。

「うん!」

私達は遊園地に行った。

ジェットコースター、お化け屋敷、コーヒーカップ、メリーゴーランド、そして観覧車。

私達は遊園地にある乗り物を乗りまくった。

そして帰り、

「じゃぁな」

「・・・本当に別れるの?」

陸は静かにうなずいた。

「どうしてなの?理由言ってくれないと納得いかないよ!」

「理由は言えない・・・。幸せになれよ。海」

「陸・・・」

私が泣き出しそうになった時、陸がキスしてくれた。

・・・これが最後のキス・・・

悲しいキスだった・・・。

「じゃぁな」

「・・・・うん」

陸が私から離れようとした瞬間、

「うっ」

陸が地面に倒れこんだ。

「陸?」

私は不思議に思い、陸のもとへと走って行った。

陸は胸をおさえ、とても苦しそうだった。

「陸!どしたの?!」

私は慌てながら救急車を呼んだ。

陸は手術室に運ばれた。

「陸・・・」

私は手術室の前で願っていると、

「あら?あなたは・・・?」

美人の女の人が私のことを不思議そうに見ている。

「あ・・・。私陸の彼女(元)で空野海です。あの・・・あなたは・・?」

「あらそうなの?私は陸の姉の広田湊です」

あ・・・。お姉さんいたんだ。

「陸ね・・・。あなたのことむっちゃ話してたのよ。でもね、陸心臓病にかかっちゃってね。次発作がきたら危ないのよ。それで、あなたに悲しい思いさせたくないから 今日別れてくる って言ってたのよ・・・。次の発作が今日だったなんて・・・」

湊さんは悲しそうな顔で言ってくれた。

心臓病になっちゃったんだ・・・。だから別れたくなったんだ・・・。そんなことも知らず私は・・・。

そんなことを考えていたら涙が溢れてきた。

「絶対助かるわよ。陸・・・、あなたをおいて先になんか行かないわ」

「・・・はい。そうですね」

私は本当にそう願った。

ウィーン 

手術室の扉が開いた。

先生が出てきた。

「先生!陸は・・・陸はどうなったんですか?!」

湊さんが先生に聞く。

「・・・残念ながら」

え・・・?残念・・・?どうゆうこと・・・?

手術室からベットに寝ている陸が出てきた。

陸の顔は青白くなっていて静かに眠っていた。

「り・・く?」

私はそんな姿になった陸が信じられなかった。

「嘘よね・・・。陸・・・。いつもみたいに笑ってよ・・・。ねぇ、陸・・・」

私の瞳には再び涙が溢れてきた。

「陸・・陸・・。イヤッ!陸!!目を開けて!!!!やだよ陸ー!!」

私は陸にしがみついた。

「海ちゃん落ち着いて」

「湊さん!陸が・・陸がぁ!!」

「仕方ないわよ・・・」

仕方ない・・・?もしかして・・これが運命ってやつなの・・?

数日後、陸の葬式が行なわれた。

私ももちろん出席した。

そして葬式の帰り、朝降っていた雨がやんでいた。

でも・・・私の心はやんでいない・・・。

陸・・・。いっぱい遊んだね。クリスマスパーティも開いたね。プレゼント交換もしたね。バレンタインデーでチョコをあげて喜んでくれたね。ホワイトデーにはネックレスをくれたね。嬉しかったよ。今もつけてるよ。学校もさぼっちゃったね。次の日には絶対職員室に呼び出されて先生に怒られちゃったね。でも・・・、陸となら怖いものはなんでも楽しかったよ。陸・・・。

そんなことを考えていたら涙が出てきた。

「泣いちゃだめッ!陸に私の悲しい顔を見せちゃダメなんだ!!」

私は手で涙をぬぐうと・・・・

・・・空には虹がかかっていた。

「陸・・・。陸は虹になったんだね。虹になって私を見守ってくれてるんだね」

こう思うと元気が出てきた。ありがとう・・・陸。

                  〜完〜


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