プロローグ 日常の終わり①
私は自身に生きている意味を問いたい。
私の生は意味のあるものだったのか。
私は生に価値を見いだせていただろうか。
私は自身の命をとして、自分の生に真理を見出そうとした。
「宗次、早く起きて。学校いくよ!」
・・・・誰かの声がする。・・・・誰だ?俺を呼ぶのは。
「宗次、宗次ってば、早く起きてって言ってるでしょ。」
俺の脳はその声でやっと覚醒したようだ。
俺はゆっくりと瞼を開けた。
そうすると、そこには一人の女が立っていた。一体誰なんだ?
俺に女の友達などいない。
・・・・。はぁ。まだ夢を見ているのか。
誰かに起こされて夢から覚める、夢なんて珍しい。
いかにも、俺が望みそうな夢だ。
俺はそう思い、再び、瞼を塞いだ。
夢の中くらいは、せめて幸せに寝させてくれ。
「もう、また寝ようとするな!」
その声と同時に俺は額に痛みを感じた。
「痛て。なんだ?」
そんな痛みを感じながら、俺は気だるい体を起こした。
「だから、朝だって言ってるでしょ。」
そこには、俺の知らない女が立っていた。
こんな女、俺は知らない。
きっと誰かと間違えているんだろう。
「やっと起きた!学校に行くわよ。
早く準備して。」
なんで、俺が、学校に行かなければならないんだ?
俺は学校なんてもうとっくに卒業してる。
あぁ、俺はまだ夢の中にいるのか。
では、寝るとしよう。
「なんで、寝ようとするの!
学校に遅れるでしょうが!」