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第18わん 犬と美少女がお風呂で戯れる、至って健全で微笑ましい光景

タイトル通り、至って健全で微笑ましい光景を描写していますが、人によっては微エロに見える可能性があるかもしれません。微エロが苦手な方はご注意ください。


 まさか、こんなにも早くこの時が来るとは。

 狭い部屋。湯気が立ち込めていて、視界が悪い。蛇口から滴る水の音が部屋に反響している。


「さぁヌーちゃん! 身体キレイキレイしましょうね〜」


 そう。風呂だ。

 どうせ犬になったんだからやりたいことランキング一位『美少女とお風呂』。

 犬の特権を活かして、美少女に身体を洗ってもらうのだ。

 前世の世界ではウン万円かかるようなことが、犬となった今では、なんとタダ。もう犬になってよかったね、ホント。


「わんわんわん!」

「あはは〜お風呂楽しみなの〜?」


 やばい。テンションが上がりっ放しだ。尻尾が動いてしまうのが抑えられない。

 バスタオル姿のジェイミーに続き、俺は浴室に入る。彼女のその豊かなバストが、薄い布を押し退けて今にも飛び出しそうだ。そして胸が大きい分、バスタオルが余計に上に引き上げられてしまい、裾が極端に短くなってしまっている。むっちりとした白い太もものその上部が見えてしまいそうだった。

 最初はバスタオルを巻いているせいで、彼女の全身を拝むことが出来ないと少し残念に思っていたが、むしりこっちの方がエロい。


「ほらおいで〜」


 浴室に入るなり、ジェイミーは桶にお湯を溜め、そこに俺を誘導した。小さい桶だが、俺の身体には十分なサイズだ。


「わん!」


 俺はぴょんと床を蹴り、さっそく桶へダイブする。腹から勢い良く入水したものだから、その衝撃で桶の中のお湯が辺りに飛び散ってしまった。


「きゃっ!? も〜ヌーちゃんってば~」


 飛び散ったお湯の大部分はジェイミーにかかった。それによって、濡れたバスタオルが彼女の身体にピッタリと張り付く。浮き出るボディライン。水を弾くハリの良い肌。水滴が滴る黄金の髪。その姿は妖艶である一方で、芸術的な美しささえ感じた。

 そんなジェイミーの姿を拝みながら、俺は全身を湯に浸す。暖かいお湯が身体を包んだ。


「わふぅ~」


 風呂に入ると、思わずオッサンみたいな声が漏れた。でもそんな声さえも我ながら可愛いのだから、犬というのはお得だ。


「えへへ、お風呂気持ちいい?」

「わん!」

「じゃあキレイキレイして、もっと気持ち良くなりましょうね~」


 ジェイミーはそう言うと、アマンダさんの店で買ったシャンプーボトルを手に取った。犬用シャンプーだ。彼女はそれを数回プッシュして手に出し、擦り合わせて泡立てる。そして泡まみれの手を、そのまま桶に突っ込んできた。


「くすぐったかったら言ってね~」


 ジェイミーの手は迷いなく俺の身体に触れた。ヌルっとした感触が肌をなぞる。シャンプーが水に触れたことにより、桶の中は一瞬にして泡風呂と化した。


「わふぅん......」

「よいしょ、よいしょ」

 

 俺の身体を撫で回すジェイミーの両手。優しく、そして丁寧に。 俺の体毛とジェイミーの細指が絡まるのが分かる。背中、腹、首筋、足、尻尾。気持ちの良いポイントに、柔らかくヌルヌルとしたジェイミーの手が這い回る。その度に、ゾクゾクという快感が身体に走った。


「気持ちいい~?」

「わぅ~」


 全身を包むお湯、毛に泡立つシャンプー、ヌルヌルと皮膚を這うジェイミーの柔らかい手。それらが相乗的に快感をもたらし、天国に居るような気分だった。

 ああ~やばい、気持ち良すぎて寝そう......。


「ブクブクブクブク......」

「ヌーちゃん!? 寝ちゃダメだよぅ!」


 はっ! あぶねぇ。気持ち良すぎて一瞬意識が飛んでいたようだ。

 ジェイミーは慌てて俺を桶から引き上げる。


「お風呂で寝たらダメなんだよ?」

「わん……」

「こっちで洗いましょうね~」

 

 ジェイミーは俺のことを桶から取り出し、床に下ろした。どうやら床の上で俺の身体を洗うつもりのようだ。しかし床に下ろされた瞬間、俺はすかさずジャンプする。目指すはもちろん……。


「あんっ!? も~悪い子なんだから~」

「わう~ん」


 もちろん、ジェイミーの谷間だ。俺のベストプレイスならぬバストプレイス。柔らかいものが身体の両端から圧迫してくる。それだけでなく、俺の身体に付いていたシャンプーが潤滑剤となり、ヌルヌルむちむちというこの世のものとは思えない甘美な感触となっていた。

 俺は谷間の中でヌルンと身体を反転させて、背中をジェイミーに預けることにした。背中から心臓の鼓動が伝わってきて、心地よいリズムを刻んでいる。俺が反転したことによって、ジェイミーは少しくすぐったそうに身体を震わせた。


「しょうがないな~。このまま洗うよ?」


 ジェイミーは両腋を絞め、ぐいっと自らの胸を寄せ上げる。恐らく俺が落っこちないようにホールドするための行動だろうが、身体の両サイドからヌルヌルプニプニの肉壁がさらに圧迫してきて、あまりの快感に意識が飛びそうになった。


「かゆいところはないでちゅか~?」


 その状態のまま、ジェイミーは俺の腹を洗い始める。細い指先が、丁寧に、ゆっくりと、俺の身体の前面をなぞった。

 両脇からはヌルヌルの柔らかい肉が圧迫し、身体の前面は指が優しく撫で、背中からは心地良い心音のリズムが響く。ちらりと上を見上げると、天使のような少女が俺を愛しそうに見下ろしている。

 もう天国ですよ。最高ですよ。人間だったらこんなこと出来ない。本当に犬になって良かったよ。


「ふふ、ヌーちゃん気持ち良さそうな顔してる~」

「わふぅ~」


 たぶん今の俺はとんでもなくだらしない表情をしていると思う。でもそんな顔さえも可愛く見えているだろうから、犬というのはお得だ。


「はい、じゃあ次は背中ね~。くるって回って!」

「わん!」


 ジェイミーに促され、俺は肉壁に挟まれたまま、勢い良く身体を反転させる。しかしその瞬間、


「んっ……」


 とジェイミーの口から吐息が漏れたのが聞こえた。びっくりして頭上を見ると、ジェイミーが頬を赤らめて、恥ずかしそうに俺から視線を逸らしていた。

 ま、まさか……。俺はもう一回、勢い良く身体を反転させてみた。


「わん!」

「やっ……」


 まただ。俺の体毛がジェイミーの柔肉と擦れると、彼女の口から甘い声が漏れた。先程よりも頬は上気して、ほんのり桜色になっている。風呂に入ったことだけが、体温の上昇の原因というワケではなさそうだ。……もっと回転したらどうなるのだろうか。好奇心が高まる。


「こら〜。いたずらしないの~」


 ジェイミーはたしなめるように、俺の額を優しくコツンと叩く。それを合図として、俺は大回転を開始する。


「わんわんわんわんわんわん!!」

「んあっ……? ヌ、ヌーちゃん!? あ、暴れないでぇ~! んんっ!」


 まるでガソリンスタンドにあるセルフ洗車の回転モップのように、高速で身体を回転させる。一回転する度に、シャンプーでヌルヌルになったお互いの皮膚が擦れ合い、俺の体毛がジェイミーの柔肌をくすぐった。


「んぁ……ヌーちゃん、やめてよぉ~……やだぁ」

 

 ステータスが無駄に高いお陰か、身体を信じられないくらい高速に回転することができる。回転数が上がるにつれて、ジェイミーの身体がぴくっ、ぴくっ、と小さく震え始めた。それはくすぐったさとは別の感覚によって引き起こされているようだ。おそらく、俺の身体が柔肉を押しのけて、一種のマッサージのようにもなっているのだろう。

 

「はぁ……はぁ……ヌーちゃん……」


 徐々に呼吸も荒くなってきている。口では抵抗するジェイミーだったが、特段嫌がる素振りは見せない。むしろ、さらに腕を内側に寄せ、胸部の肉を押し上げて俺の身体に密着する面積を大きくしているくらいだ。

 ジェイミーは甘い吐息を漏らしながら、苦しそうに言葉を絞り出す。


「もしかして……っん……ヌーちゃん……。私の身体を……洗ってくれてるつもりなの?」

「わ、わん!」


 そ、そうそう! そうだよ! ナイス解釈! 俺は自分の体毛を使って、ジェイミーの身体を洗っているだけだ。決してやましい目的があるわけではない。よ〜し! もっとジェイミーの身体を洗ってあげるぞ〜!


「わんわんわん!」

「んっ……あぁ……あぁあああぁぁっ……だめぇ……お姉ちゃんに……声聞かれちゃうよぅ……」


 次第に大きくなる切ない声が、浴室に響く。ジェイミーの身体が震え、体温が上昇してきているのが分かる。

 ジェイミー、もっと気持ちよく……じゃなかった。キレイにしてあげるからな! よし、もっと回転数を上げよう……と思ったけど、やべっ、ちょっと酔ってきた……。グルグル身体を回転させているんだ。酔うに決まっている。ちょ、ちょっと休憩……。


「わぅぅぅ」

「ヌ、ヌーちゃん? 大丈夫? 目、回っちゃったの?」


 俺が身体の回転を止めると、ジェイミーが心配そうに顔を覗き込んできた。彼女の頬は紅潮し、息が荒くなっていて、肌にじんわりと汗が浮かんでいる。目が回っているため、そんなジェイミーの顔がグルグルと回転して見えた。


「ちょっと待ってて!」


 そう言われ、俺は床に降ろされる。床に足を付けると、視界がぐにゃぐにゃと歪んで立っていられなくなった。ちょっと調子に乗って回転しすぎたな……。

 ジェイミーは腰が抜けたような、ぎこちない足取りで一度浴室から出て行くが、手に何かを持ってすぐに戻ってきた。

 その手には何故だか杖が握られている。先程アマンダさんの店で買った杖だ。脱衣場に持ってきていたのか。


「私の魔法で治してあげる!」


 杖を片手に自信満々でそう言うジェイミー。

 魔法で治すだって? 回復魔法とかで目が回っているのも治せるのだろうか?


「あ、そうだ! せっかくだからアマンダさんに教えてもらった、わんちゃんが気持ちよくなる魔法使ってあげるね! 気持ちよくなれば、目が回ってるのもきっと治るよ!」


 おお、例の魔法か。

 でも犬を気持ちよくさせる魔法って、一体なんだろう……。

 大丈夫かな? 間違えて俺の身体を爆発させたりすんなよ?


「確か……『ハツジョー魔法』とか言ってた気がするけど……」


 それ大丈夫じゃない魔法だ! やめろよジェイミー! そんな魔法かけるなよ!


「『ハツジョー』ってなんだろうね?」


 分かってないよこの子!

 やめて! そんな魔法かけられたら絶対ろくなことが起こらない!


「わ、わぅ……」


 必死で逃げようとするものの、目が回って足が動かない。

 そんな中、杖の先端を俺に向けるジェイミー。彼女は口を小さく動かし、ブツブツと言葉を呟き出す。呪文のようだ。すると杖の先端に光が灯ってきた。すげぇ! 魔法っぽい! って喜んでる場合じゃないぞ!


『……ムラムーラ……ハツジョー……セイヨーク……コヅクーリ……』


 なんかヤバいワードが聞こえてくるんだけど!? マジで大丈夫かよその魔法!

 俺の心配をよそに、どんどん杖の先端の光が大きくなってくる。


「いくよ〜……えいっ!」


 そして、ジェイミーのかけ声と共に、杖の先端が爆発的に輝いた。浴室に明るい閃光が走り、光が俺の身体を包む。

 その目映い光を浴びた瞬間、身体に異変が起きた。

 身体の奥から、ふつふつと熱が沸き起こってくるような感触が襲う。その熱は気分の悪さを吹き飛ばし、全身に力をみなぎらせた。


「ウゥゥ……ウゥゥ……」

「……あれ? ヌ、ヌーちゃん? どうしたの?」


 少しだけ怯えたような声が、遠くの方から聞こえる。

 次第に思考力が鈍り、何も考えられなくなってきた。身体が何かに支配されているかのように、勝手に動く。


「ゥゥゥゥ……」


 喉から低く唸る声が出てくる。身体が熱い。何も考えられない。意識が遠のく。足が勝手に動き、ジリジリとジェイミーに近づいていった。

 そうか。きっと俺の身体を支配しているものは、ケモノとしての本能だ。しかしそれを察したところで、


「ワオーーーーン!!!」

「きゃあああ!?」


 ジェイミーに勢い良く飛びかかり、俺の意識は途絶えた。



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