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うちの心配な穴

玄関のドアをあけるとうちのねこが飛び出す。

そして、すぐに座り込む。


「あらー、また僕を待ってるんですか? そんなに僕と遊びたいならしょうがないですけど……」


と靴を履いてうちの猫のそばにしゃがむ。

うちの猫は僕のことを無視して庭を見つめている。

かなり集中している様子だ。


「ん? 何かいますか? ……あっ」


よく見るとシマシマシッポが枯草の山の中に寝転んでいるのだった。


「ウー……」


うちの猫がじっと見つめて威嚇している。

リラックスしていたシマシマシッポもビクッと飛び起きる。


「ちょっと……やめてあげてください……」


うちの猫とシマシマシッポの距離は3メートルほど。

とびかかるわけではないが、遠くから威嚇し続けるうちの猫を、僕はなんとかなだめるのだった。


***


「シマシマちゃんも大変ですねー」


ようやくうちの猫の気が済んで散歩へ出かけた。

シマシマシッポに近づいて、鼻を撫でてあげる。

すると、ぴょんと飛び起きて、シマシマシッポがどこかへ向かう。


「どこに行くんですか?」


僕を誘導するように、ゆっくりと庭の奥へと。

そして、倉庫の前で立ち止まった。


「……?」


シマシマシッポがきょろきょろと見まわして、スッと地面に首を入れる。

倉庫の下に空洞があったのだ。


「あっ、穴がありますね?」


何かの巣穴のような、小さな穴の入り口。


「えっこれ……もしかして……」


以前ハクビシンが庭に出没したことがある。

あのハクビシンがまたやって来たんじゃないだろうか。


「ちょっと、危ないですよ。出てきてください」


と引っ張っても、シマシマシッポは穴を気に入ったようで、ググッと踏ん張って顔を出そうとはしないのだった。


***


「やっぱり心配ですよね……」


とりあえず石でふたをしておいたが、庭にハクビシンがやってくるとなると心配だ。

うちの猫が喧嘩をするんじゃないだろうか。


「野生の生き物はガチでしょうから、この近所の猫さんたちみたいに配慮してくれないでしょうし……」


普通に喧嘩をしたら絶対にうちの猫が負けてしまう。

週末にでも穴をきっちり埋めてしまおうと決意するのだった。

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