限界への挑戦
人は常に限界に挑んでいる、と私は思う。
読者の諸君もそうだろう。
ドラクエのLv99、ビックリマンチョコシールのフルコンプリート、
禁煙、月の小遣い3万円という壁。
そんな限界体験をここに記そう。
肉体の限界
私には家族があり、妻がいる。
その妻を家族や親戚に紹介すると決め、それを実行した時のことだ。
私には親戚が大勢いる、総勢40名を超える。
カナダ・大阪・兵庫・和歌山・名古屋・静岡・鳥取・香川
私にも親にも兄弟が多いためでもあるが、私の祖父や祖母の兄弟も多い。
一族が集まることなど滅多に無い。
そんな中、法事のためにカナダにいる従兄弟夫婦が帰ってくるとの話があり、
それを好機と捉えてマイワイフを紹介しよう、と画策した。
法事は祖父のものだ。
一族の屋台骨であった祖父の7回忌は華やかに行おう、という本家の考え。
自らの法事のために祖父が毎回分遺書を残してあり、遺産の一部もそれに当てるとのこと。
分家中の分家で末っ子のさらに、一番下っ端の私は、それを7回忌になって初めて知った。
参加交通費、食事宿泊費は無料、一族の男子の妻にはお土産付き。
参加資格は一族であること。
知っていれば、独身時代から参加したのに・・・。
なにはともあれ、公の舞台。
妻に至っては普段履かないスカートを身にまとい、ブリブリの様相(かわいい路線まっしぐら)。
私も一番高いスーツ(成人式の時の)に身を包み参加した。
初日はいきなり宴会。
温泉旅館での宿泊だったが、ついて温泉を楽しむ間もなくいきなり宴会。
私はアルコールに強い方だと自負していたが、
その鼻っ柱をへし折られたのは言うまでもない。
妻は妻でご親戚一同にお酌して回ってヘトヘト。
二日目はゴルフ。
運動全般は得意だが、ボールが小さくなればなるほど苦手な私。
バスケ>サッカー>バレー>野球>ゴルフ・・・
スコアは散々でヘトヘト、そして夜は宴会。
三日目は法事。
今までのオチャラケが嘘のように、皆キリっとして法事に参加。
んでもって昼から宴会。
その後、祖父の墓へお参りに向かった。
その車中での出来事だった。
連日のお酒と、運動と気疲れもあり、吐き気をもようしてきたのだ。
到着までは、後10分。
着いたら吐こうと心に決めて我慢。
着いた先は何も無い所・・・トイレ・・・は?
「じゃ、登るぞ」と本家長男
「はい?」
ゾロゾロと山に登りだす面々。
序盤は階段があったが、後半は全部けもの道。
その頂上にお墓があるというのだ。
「ごめん、おれちょっと吐いてくるわ」
サラっと何もなさ気に言う私に、悪魔(親父)が一言。
「山入ったら、吐くのは許さんぞ、他の墓もあるんだからな!」
もう、山の中腹ですが・・・(ゲロも)。
行くのも地獄、引くのも地獄。
更なる我慢を続け、ついに山頂のお墓へ。
お通夜の夜通しのロウソク番以来の祖父との対面・・・。
祖父が好きだった日本海の見える景色や建てたお墓、きれいなぶどう畑を見る余裕もなく、
ただひたすら、ジーーッと時間が過ぎるのを待っていた。
そう奴がくるまでは・・・・。
奴は年の頃が四十半ばの坊さん。
背は175ぐらいで中肉中背といったところか、
眼鏡を掛けていて、もちろんスキンヘッド。
オレンジ色の僧侶着でムラサキの袈裟。
色白のためか、夏の日差しと道中の辛さで顔は赤い。
そんな彼がやっとこさで、最後に登ってきた。
そして・・・・
「すいません;;遅れてしまって・・・」
「よっこらせ・・・ウォェェェェッェーーーレロレロレロレロ・・・」
釣られておれも
「ウォェェェェッェーーー」
お坊さん、アンタも飲みすぎ!!!
汚い話ですいません。
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