プロローグ
あれは、今から十数年前のある日の出来事である。僕たちは、あのときの惨劇を一変たりとも忘れることもできずに、脳に刻み込まれてしまった。僕自身は、あの日を境にあの時のことにとらわれ続けている。その上、例の事が今現代において、白昼や夢のなか、天候、場所、時間を問わずに僕自身の脳に蘇るのだ。しかも、この事が年中一回も起こらない日はない。
そして、現在の八月のお盆の頃。
なぜ昨日の自分があの時に失った親友の菩提寺にもらいに行こうと思ったのか。自分自身でも昨日のことについて振り返ってみた。
熱帯夜の東京の某所のアパートの一室に住んでいる僕は目を覚ました。クーラーの聞いた暗い部屋の中で、敷き布団から起きたら、体中から信じられないほどのアセが吹き出していた。僕は、意識がある程度覚醒してから、明かりもつけずに手探りで枕元のスマートフォンを手にして時間を確認したところ、時刻は深夜の一時二十三分であった。僕は、あの日のことを夢の中でフラッシュバック経験を毎度のお約束の決まりを身に受け、敷き布団から起き上がったのだ。そして、友の菩提寺向かい始めた。その後のことは、詳しく思い出せない。だが、はっきり覚えていることはここに来るまでの間で、途中で乗り換えた岡山駅からK駅までの特急列車とK駅からS駅までの特急列車での乗り物酔いの記憶しか頭に残ってない。かれこれ、半日以上時間を移動に費やした。
夏の太陽が沈みかける黄昏時、僕は菩提寺の門の手前で昨日までの記憶を回想し終え、その門をくぐろうとしたとき、夏の爽やかな風が僕の背を押すように吹いた。
その時、僕自身の人生にとって最悪な日の惨劇が再び脳内に蘇ろうとしていた。
あれは、今から十数年前の200X年の冬のこと、僕こと佐竹(仮称・男)は某所の某大学の2年であった。このとき、僕は大学のサークルの仲間、男女五人で東北のX県の松平町(仮称)にきていた。このグループのメンバーには、僕を含めて大学の後輩の山本(仮称・女)と僕の同級生である三宮(仮称・男)、大学3年でこのグループのサブリーダーの鈴木(仮称・男)、同じく大学3年でグループのリーダーである青葉(仮称・女)である。この場所を訪れた目的としては、冬の東北の大自然を満喫することである。何しろこの場所には、まだ人の手につけられていない原生林の宝庫である。その上、この数年で多くの人たちに豊かな自然とふれあうことで人気の多い場所になっていた。しかし、近隣住人からしてみると様々な環境問題等で苦情が日常茶飯事になっているが・・・。
後年、あの当時の僕たち、いやここを訪れる観光客がこの事に対して真剣に向き合い、少しでも周りに配慮などをしていたら・・・。と、今の僕たち(あの惨劇を生き残った僕たちのグループメンバー)はあの惨劇を勝手にアステリオスの惨劇と呼んでいる。
僕たちが、この松平町にきてから翌日の朝に森林浴を行なった。この際、この地域では一回森林浴をする前に、森の手前にある派出所や森林管理局等に立ち寄らなければならない。なぜかというと、ココで、神隠しなどの失踪事件等があったからだと付近に住んでいる方その様に話してくれた。だが、後年その神隠しとして話してくれたものの中には、今回の一件の内容も含まれていた。自然は朴谷人間に多大な恵みを常に与えてくれた。その一方自然が人に牙をむけることがある。今回は私たち人間が原因で自然が牙をむいた。




