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お泊まりデートの予定

次の出勤の日颯太は高野さんにこの前調べたパラレルワールドについてと恵那の記憶が少しだけ引き継がれていないことを話した。高野さんはそれを真摯に聴いていた。

「なるほどね。実はその本を私も読んだことがあってね。私自身もパラレルワールドに興味があるんだよ。そして恵那さんの記憶が引き継がれていない部分なんだけど私の見解なんだけどこのケースはよくあることで特別なことでは無いと思っている。転生する前の世界で重要なことは引き継がれる傾向が強いが細かなことまでは完全に引き継がれるケースは稀だと思っている。颯太くんに取ってはそれが大変なことになるかもしれないがある程度受け入れないといけないと思ってる。」


 高野さんの話を聞いて納得した。確かに引き継がれていない部分は重要で無い部分が多かった。そう考えると高野さんが言っている通りだと思った。

 そうなるとこれからも記憶のすれ違いが起きるのは間違いなかった。今はいいとしてこれから耐えられるのか少し不安になった。

 そして重要なこともすれ違いが起きていたら喧嘩になる可能性も考えられた。そこはうまく自分が対応していけばいいなと思った。


 高野さんとの話を終え颯太は仕事に取り掛かった。今日の仕事は少し量が多かったので最初からフルで仕事に取り掛かった。

 颯太の会社は総合商社でさまざまな仕事をしており颯太はインフラ整備に関する書類の作成や依頼の発注などをしていた。

 今日は依頼の発注が多かったのでそれを全部片付けなければなかった。そのため颯太は依頼内容を全部一通り確認して仕事に取り掛かった。


 仕事を進めていると後輩から質問されたのでそれに返答していた。後輩は申し訳なさそうにしていたが颯太は全然気にならなかった。むしろ聞いてくれてありがたいと思っていた。


 そうしているうちにお昼休憩になった。いつも通り食堂で日替わりランチを頼んでいると恵那からラインが入った。

「颯太くんお疲れ様。今日の夜さ温泉行きたいけどいいかな?そして泊まりでの旅行のことも話し合いたいな。」

 颯太は温泉と聞いて即答で行きたいと思った。颯太はサウナが好きでたまに行く温泉では絶対にサウナと水風呂のセットを5回は入っていた。

 颯太は恵那に返信で「うん。温泉行きたい。行こうね。あと帰ったら旅行の計画も話し合おうね。」と返信した。


 返信を送ると恵那から瞬時に返信が来ていた。

「やったーありがとう。いつもわがままばっかでごめんね。大好き!」

 その返信に颯太も即答で「そんなこないよ。大好き。」と返信した。

 その後もLINEのやり取りをしていて気づいたらお昼休憩も終わりが迫っていた。


 お昼休憩が終わり颯太は仕事に取り掛かった。仕事に取り掛かると後輩が困った顔をして話しかけてきた。

「すみません先輩。取引先に出すはずのデーターがパソコントラブルで消えてしまって・・・」

 それを聞いた颯太はすぐに後輩のパソコンに向かった。後輩のパソコンはフリーズしていてデーターも消えていた。

「大丈夫。会社のサーバーにバックアップがあるはずだから俺のパソコンからアクセスしてそこからデーターを復元しよう。」

「いいんですか先輩。先輩にも仕事があるのに。」

「大丈夫。こっちの仕事は9割終わっているから気にしないで。それよりデーターを復元しよう。」

 そう言って颯太は後輩の失ったデーターの復元に取り掛かった。


 まず颯太のパソコンから会社のサーバーにアクセスをして後輩のファイルにアクセスした。その中から消えたデーターを探し復元をかけた。

 しかしデーターはエラーにより復元がかけられなかった。

「なるほど。そうきたか。そうなったらエラーを解除するか。」

 颯太は再びパソコンに向かってエラーを解除する方法を探した。

 少し探していると一個のファイル名がおかしくなっているのを発見した。その名前を変えてサーバー内に保存すると復元ダウンロードが開始された。

「これでおっけい。よかったね復元できて。」

「本当にありがとうございます。先輩って本当になんでもできますよね。尊敬します。」

「そんなことないよ。俺もいろんな人に助けられているし困ったら助け合うのが大事だからね。俺が困ったときは助けてね。」

「はい!ありがとうございます。」

 後輩は深々と頭を下げてお礼を言った。


 ダウンロードを待っている間颯太と後輩は話をしていた。そこで話はパラレルワールドの話になった。

「先輩もしパラレルワールドに行けるとしたら行きたいですか?最近パラレルワールドが何かと話題になってるので先輩ならどうなのかなと思いました。」

「パラレルワールドね。俺は自分から行きたいとは思わないな。転生されたらしょうがないけど基本は行きたくないな。」

 颯太の答えを聞いた後輩は意外そうな顔をしていた。

「先輩行きたくないんですね。てっきり行きたいものだと思ってました。」

「そう見えるのか。俺は今この世界での人生を精一杯生きたいからね。」

「先輩かっこいいこと言いますね。さすがです。」

 後輩の言葉に颯太は少し照れた。別にかっこいいことは言ったつもりはないけれどそう言われると確かにイカしたことを言ってるなと思った。


 そして颯太はパラレルワールドと聞くとやっぱり恵那ののことを考えてしまう。恵那と出会ったことによってパラレルワールドの存在が身近になって考えることになったからだ。

 後輩も言っていたようにパラレルワールドは本当に身近な存在となっていて颯太の会社もパラレルワールドについて研究する機関を作ろうかという話も聞いたことがある。そのためパラレルワールドについての市場価値という話も度々聞く。


 颯太はそんなことも考えながら後輩と話を聞いていると消えたデーターの復元ができた。そのファイルを後輩に送り自分の仕事へと戻った。


 退社時刻になると同時に颯太は今日の仕事を終わらせた。後輩の前では9割終わっていると言ったが実際は7割くらいしか終わっておらず残りの3割を全力で終わらした。

 そのため颯太は疲れを感じていた。しかしこれから温泉へ行けるのでそこでしっかりと疲れを取ろうと思った。

 家に帰る準備をしていると恵那からLINEが入っていた。

「颯太くんお疲れ様。私今仕事終わったからこれから帰るね。」

 LINEを見た颯太は返信をし帰路に向かった。


 颯太が家に着くと同時に恵那も家に着いた。お互いに「ただいま」と言い合い家の中に入った。

 二人は温泉に行く準備をしていた。シャンプーセットや着替えを持っていき車に向かった。そして車に乗り込み二人は温泉へ向かった。


 車内ではお泊まりデートのことについて話していた。

「颯太くん私天照大神が祀られていて神社のトップでもある神社に行きたい。遠いけど私三連休くらい取れそうだから颯太くんの休みの都合がよかったらここに行きたいな。そしてその神社をお参りしてて美味しいもの食べたりしたい。そして同じ県内にある水族館と遊園地にも行きたい。」

「ちょうど僕もそこに行ってみたかったんだよね。休みも有給使えば三連休取れると思うからそこにする?」

「本当?いいの?颯太くんも行きたいところとかあったら言ってきてよ。私の行きたいところだけじゃなく颯太くんの行きたいところも行きたい。」

「ならそこに行く途中にある県の剣が祀られている神社にも行きたい。そうすれば三種の神器のうちの二つを拝めることになるからさ。」

「あそこね。いいね。そこにも寄ろうよ。」

「なら決まりだね。」

 二人は行きたい場所を出し合いそこに行くことにした。詳しい日程は温泉に入った後で決めるとしてとりあえずどこに行きたいかは決まった。

 そんな話をしていると温泉についた。ここの温泉は颯太がよく行っている温泉で綺麗でサウナもしっかりしていて颯太のおすすめな温泉だった。


 二人は車を降りて温泉の中に入って言った。

「颯太くんここの会員になっているんだね。知らなかった。」

「そうだよ。よく行っていたから会員になっているよ。」

「知らなかった。颯太くんってそんなに温泉行ってたんだね。行っているところ見たことないかも」

「そうだよ。よく行ってたよ。しれっと行ってたりしたから気づかないかったかもね。」

「うん。気づかなかったよ。」

 二人は受付でお会計を済ませて温泉へ向かった。

「だいたい1時間半くらいで出るね。ゆっくりしていってね。」

「ありがとう。サウナ決めてきます。」

 二人はそう言って温泉へ入っていった。


 颯太は脱衣所に言って服を脱ぎ温泉へ入った。最初に掛け湯をしてそこからサウナと水風呂を5回繰り返すのがいつもの入り方だった。

 サウナに入るといつもいるおじさんたちに話しかけられた。

「颯太くん久しぶりじゃん。最近忙しかったか?」

「そんなに忙しくはなかったんですが予定が重なってなかなか来れなかったんですよね。」

「そうかそうか。久しぶりに会えてこっちも嬉しいよ。」

「俺もです。お元気そうでよかったです。」

「わしはいつでも元気じゃ。今日のサウナは人がそんなにいないからいいぞ。」

「そうですよね。久しぶりにゆっくりできそうです。」

 颯太はおじさん達と話しながらサウナを楽しんだ。


 颯太はサウナによく行っていた頃毎日いるおじさん達と仲良くなっておりそこで小さなコミュニティーができていた。自営業をしているおじさん、医者のおじさん、とある会社の部長など様々な職種のおじさん達とコミュニケーションをとっていた。そのうちに仲良くなりたまに飲みに誘われるようにもなっていた。颯太はこのサウナコミュニティーを大事にしていた。


 サウナに入った後水風呂に入った颯太はその気持ちよさを久しぶりに感じていた。

 水風呂に入りサウナで火照った体を冷やしていくと温かい膜が体を覆いそれがまた気持ちよかった。

 ある程度体を冷やし少しだけ体を休めまたサウナに入る。これを繰り返していると脳と体がスッキリしてくるのだった。その感覚を楽しみつつおじさん達と会話をしてサウナを楽しんでいた。


 5回それを繰り返して颯太は体を洗い少しぬるめの露天風呂に入った。

 颯太はサウナには入れるけど湯船に浸かるとすぐにのぼせてしまう体質である。だからいつも37度くらいの少しぬるい露天風呂に入りそこで長めに湯に浸かっていた。露天風呂の暖かさとまだ少しひんやりしている空気がまた気持ちが良かった。そこで颯太は恵那について少しだけ考えた。


 恵那がいることによって人生はさらに楽しくなっていった。しかしその反面時折ある小さな記憶の違いが少しだけ億劫になっていった。それがなければもっと気軽に話をしたりできるのにそれがあるせいで少しだけ考えて話をしなければならない時もある。

 さっきの温泉が好きな件も会えてしれっといったと言ったが記憶のすれ違いななければそんな小さな嘘をつく必要はなかったと考えると少しだけ心が痛んだ。


 嘘にも時には必要な嘘もあると思っているが彼女に嘘をつくのは必要な嘘であっても心いたいものがあった。しかしそんなことを考えていてもパラレルワールドから転生された彼女という特別な状況なので仕方がないと思った。

 徐々に恵那との記憶を埋め合わせしていけばいずれは無くなるだろうと考えることにした。


 颯太は何これ30分くらい露天風呂にいた。気がついたら1時間半に迫っていたので中の少し熱めのお風呂に浸かりお風呂から出た。

 最高に整った体に満足して着替えて外に出た。そしたらちょうど同じタイミングで恵那も出てきた。

 お風呂上がりの恵那はなんかほわほわしており可愛さが際立っていた。

「ちょうど同じタイミングであったね。颯太くんサウナどうだった?」

「うん。最高だった。恵那ちゃんもお風呂最高だった?」

「うん。最高だったよ。サウナにも少し入ったけどサウナから出て水風呂に入るとあんなに気持ちがいいんだね。」

「そうだよ。快感でしょ。」

「うん。快感だったよ。」

 二人は会話をしながら受付に行きお風呂屋を出た。


 お風呂屋を出た二人は車内に乗り込み帰路についていた。二人は車内でお風呂の気持ちよさの余韻に浸っていた。

 恵那は車の揺れとお風呂上がりの適度な暖かさでうとうとしていた。颯太はそんな恵那を横目で確認して運転していた。

「恵那ちゃん眠かったら寝てもいいよ。」

「ううん。絶対寝ないから。意地でも起きてる。」

「なんでよ。全然寝ていいのに。」

「だってお風呂上がりの颯太くんの顔見ていたいんだもん。温泉上がりの颯太くんの顔本当にツヤツヤだしずっと見ていれる。」

「恵那ちゃんの顔もツヤツヤだよ。お互いお風呂上がりでお肌のコンディション抜群だね。」

 二人はお互いの肌を褒めあっていた。温泉に入り温泉の効果なのか二人の肌はツヤツヤだった。恵那はすっぴんだったけどすっぴんでも全然可愛い顔をしておりほのかにシャンプーの香りが車内に広がる。颯太はシャンプーの匂いと横目で見る恵那の顔を見て幸せな気分になった。


 家に着いた二人は速攻ベッドに入っていた。二人とも眠くて今すぐにベッドに入りたかった。ベッドでくっつきながら二人は寝ようとしていた。

「ねえ颯太くん。ハグしながら寝てもいい?なんか今日はそうしたい気分なの。」

 恵那が甘えたような声で言うと颯太は頭を頷いた。こんな声で言われたら断れるわけない。少しアツいとも思ったが颯太は恵那にハグをした。

「このまま寝られるの幸せだね。颯太くんおやすみ。」

「うん。おやすみ。」

 二人はそう言って眠りについた。


 次の日二人は仕事から帰ったら旅行の計画を本格的に立てることにした。颯太は仕事をいつも以上に早く終わらせ無事定時を迎えることができた。


 家に帰ろうとした時に恵那からLINEが入った。どうやら仕事でトラブルがあり帰りが遅くになると言うことだった。

 颯太は少しだけショックだったが家に帰って料理をして待ってようとした。そして家につき台所で肉じゃがと鮭の塩焼きを作り恵那の帰りを待っていた。


 しばらくすると恵那が帰ってきた。

「ただいま。」と恵那の声がした。その声はいつもより元気がなく落ち込んでいるようだった。

「おかえり。恵那ちゃん元気ない?何かあったの?」

 颯太は恵那をリビングのソファーに座らせて話を聞いた。

「今日仕事でトラブルがあったんだけど後輩が起こしたトラブルだったんだけど上司が後輩じゃなくて私にそのトラブルを対応させてね。それだけならいいんだけど上司はその後輩のことを気に入っていたてトラブルの責任まで私に押し付けてきてしまいには後輩は先に帰ったんだよね。」

 颯太は恵那の話を頷きながら聞いていた。なかなか酷い話だなと思いつつ聞いていた。

「それは絶対に上司がおかしい。トラブル対応まではわかるけど責任まで押し付けるのはお門違いだしその後輩も後輩だよ。」

「そうでしょ。けど後輩も上司に気に入られていることをうまく利用しているから結局私が悪いってなっちゃって。颯太くん。なんか気持ちが不安定だよ。」

 恵那の目は赤くなっていた。その様子を見た颯太はそっと恵那の頭を撫でた。

「恵那ちゃんは何も悪くないよ。後輩のトラブルまでフォローして頑張ったんだよ。偉いよ。」

 颯太に頭を撫でられた恵那は少しだけ笑みを見せていた。

「ありがとう颯太くん。少しだけ気持ちが楽になったよ。」

「それなら良かった。晩御飯作ったから食べながら旅行の計画を立てようね。」

「うん。ありがとう。」

 二人は颯太が作った晩御飯を食べながら旅行の話をした。


 旅行の話を進めていると行きたい旅館や行くプランなどがどんどん決まっていた。1日目には朝早くから出発して剣が祀られている神社によりそこでお参りと朝食兼昼食をとりその後天照大神が祀られている神社の県にある水族館に行くことにした。そして宿はその神社の近くにある宿にすることにした。

 そして二日目には天照大神が祀られている神社を巡ることにした。この神社は外宮と内宮の2箇所からなりその他大小様々なお社があるのでそれをお参りすることにした。そして夕ご飯は美味しい海鮮が食べられるで有名なお店で晩御飯を食べることにした。

 3日目はゆっくり朝を過ごしお土産などを周り買い物をすることにした。

 本当は遊園地にも行きたかったのだけど意外と距離が遠いのと多分疲れがたまると思うのでその中で遊園地に行っても楽しめないと思ったので別の機会にすることにした。

 颯太達の住んでいる県にはギネスに乗っているジェットコースターやお化け屋敷がある遊園地があるのでそこにいつか行こうとも話をしていた。


「よし。だいたい決まったね。」

「颯太くんおおかげですんなり決まったね。運転なんだけどお互いの体力温存のために適度に交代しながら行こうね。」

「うん。ありがとう。」


 こうして旅行のプランが決まった。次の日二人はお互いに3連休の申請を会社に出し無事に休みが取れた。

 これで旅行の計画が完璧に決まった。二人はこの旅行が楽しみでしたかがなかった。そんな思いをもとに日々の仕事に取り組んでいった。


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