お花見デート
次の日二人は同時に目が覚め台所に立ってお弁当作りに励んでいた。恵那はお稲荷さんと唐揚げの下準備をし颯太はゴーヤチャンプルを作っていた。
「颯太くんゴーヤチャンプルは頼んだ。あとの料理は任せて。」
「うん。あとの料理は任せた。ゴーヤチャンプルは俺に任せとけ。」
「うん。託した。」
二人は話をしながら料理を進めていった。昨日決めたお弁当の中身のほかに卵焼きとタコさんウインナーも内定した。
二人で作っていってお弁当が完成した。大きめの入れ物に作ったものを入れて花見をする準備ができた。
「よし。行こうか。まずは神社から行こう。」
そう言って二人は車に乗り込み神社に向かった。
神社に向かう途中神社から伸びる一本の道がある。そこは桜のトンネルになっていて颯太たちの車を歓迎してくれた。
「すごい。桜が私たちをお出迎えしているみたい。この通りたまに通るけどこの景色は今しか味わえないね。」
「今だから味合える光景だよね。桜は咲くのは一瞬だけどそれまでに長い期間をかけて準備をして時期になると一斉に咲き出す。本当に素敵だと思うよ。」
「なんか一発屋の芸人さんみたいだね。」
「恵那ちゃんその発想はなかった。言われてみれば確かにって思ったよ。」
二人は桜のトンネルを潜りながらそれぞれ感想を言い合っていた。桜たちもその様子を見ながら綺麗な花を咲かせていた。
そして目的地の神社についた。神社は桜で埋め尽くされていて幻想的な雰囲気を作り出していた。神社には多くの人がいたがその人たちも桜と神社の風景の一部となっていた。
二人はその光景に圧倒されていた。この風景を味わえることに感謝と感激を覚えていた。
「すごい景色だね。何か吸い込まれるような感覚と温かく温もりがあるような感覚になるね。」
恵那は神社の社殿を見ながらそう言った。
「そうだね。非現実世界にいるみたい。こんな風景一年でも二週間くらいしかみれないと思うと尚更非現実的な世界だと思う。」
颯太も自分が思ったことを話した。非現実なことは恵那が来てから感じているが桜を見て非現実を体験するとも思っていなかった。これも恵那と出会ったからこの感覚になったのかなとも思っていた。
二人は神社の社殿の前に行き神様にお参りをした。二人とも日頃の感謝を伝えそれぞれ願いをお願いした。
そして社殿を後にて大きな桜の木の下で話していた。
「颯太くん知ってる?ここの神様は木花之佐久夜毘売と言って桜は木花之佐久夜毘売のように美しいから桜って名付けられたらしいよ。そして木花之佐久夜毘売は絶世の美女で縁結びとか色々な御神徳があるらしいよ。」
「なるほどね。桜って名前はそうついたんだね。縁結びの神様だから俺たちのことを見守っててほしいね。」
「うん。きっと見守ってくれていると思う。だって私たち今幸せだもん。」
「確かに。俺も本当に幸せ。」
二人の様子を大きな桜の木は微風に揺られていた。桜も二人の様子を満開の花びらで見守っていた。
二人はその後も神社の境内を周り桜をゆっくり見ていた。さまざまな桜があり城を基調とした桜やビンクが濃い桜などそれぞれ桜にも個性があって楽しむことができた。そして二人は桜の前でツーショット写真を撮った。二人の顔は桜のように満遍の笑みを浮かべていた。
二人は神社の桜を見て回っているとお腹が空いてきた。二人はお互いお腹が空いたことを確認すると歩いて公園へ向かった。
公園に着くと二人は公園の光景に感動していた。公園内には一面に咲く桜の木が何百本と咲いていて公園内はピンクに染まっていた。また神社とは違った空間に二人は感動していた。
「公園も綺麗だね。神社の時は異世界に引き込まれそうな雰囲気だったけど公園の桜は温かく見守ってくれている感じがするね。」
「俺もそう思うよ。神社とはまた違った暖かな感じがするね。場所によって感じ方を変える桜って本当にすごいと思う。」
「さすが木花之佐久夜毘売の名前をもらっているだけあるね。美しく場所によって姿を変える桜が大好きだよ私。」
「俺もそう思うよ。よしあそこのベンチに座ってお弁当食べようよ。」
そう言って二人は公園にあるベンチに腰掛けてお弁当を開けた。お弁当が待ってましたとばかりに二人の胃を刺激していった。
「いただきます。」という二人の合図で二人はお弁当を食べ始めた。
「うん。美味しい。さすがゴーヤチャンプル専門家が作ったゴーヤチャンプルだね。」
「お稲荷さんもとっても美味しいよ。さすが料理のプロだね。」
「ありがとう。褒めてくれてすごく嬉しいよ。桜も咲っているみたい。」
二人は談笑をしながらお弁当を食べた。二人で作ったお弁当はとても美味しく桜を見ながら食べるお弁当は最高だった。桜とお弁当の最高の組み合わせで二人はテンションが高まっていた。
二人はふと空を見上げた。そこには桜と青空が映し出されていた。まるで有名な絵画のような光景が一面に広がっていた。
「ねえ颯太くん。空も綺麗だし桜も綺麗。そして二人だけの空間。これ以上幸せな空間ってあるのかな。」
「もうすでに恵那ちゃんといるだけで役満だよ。」
「颯太くんって麻雀したっけ?役満に例えるのはなんかウケる。」
「ちらほらやっているよ。だって役満レベルなのは間違いないし。」
「まあ私もそこは同感。役満どころか四暗刻単騎ツモった感じ。」
「恵那ちゃんも麻雀詳しいね。すったんツモ上がりは確かに気持ちいい。」
「そうだよね。私は役満の中では大三元が一番好きだけどね。」
「俺はやっぱり国士無双かな。字一色と緑一色も好きだけどさ。」
「なんかいいところ攻めてくるね。てかなんで麻雀の話になったんだ。」
二人は何故か麻雀の話で盛り上がっていた。桜の風景と麻雀は確かにあるがほかに話すことがあっただろうと二人とも思っていた。
そんな感じに二人はお弁当と桜を楽しんだら眠気が襲ってきた。二人は芝生の上に移動してそこに寝転んだ。そして空をずっと見ていた。
雲ひとつ無い快晴の空がそっと二人を見守っている。時より吹く風が桜の香りと花びらを運んでくる。
そのまま二人は気づいたら眠っていた。大の大人が公園の芝生の上で寝ている光景はそうそう見られる光景ではないが二人は周りの目を気にせず眠っていた。
1時間くらい立った頃颯太は目が覚めた。隣では恵那が気持ちよさそうね寝ている。颯太は恵那を起こさないようそっと立ち上がり自動販売機へ向かった。
自動販売機に行き飲み物を買うと飲み物の蓋を開けて飲み物を飲んだ。そして恵那の方をぼんやりと見ながら考え事をしていた。恵那はどうしてこの世界に転生されたのか。そしてどうして自分と出会ったのか。恵那の前の世界でも自分とどういう風に付き合ったのか。考えれば疑問が多く出てきた。それを全部解消して行くのは無理だ。けれど少しでも解消していきたいと思った。
しばらくそんなことを考えているち恵那が起き上がるのを見えた。遠目に見える恵那は周りを見渡して颯太を探しているようだった。
颯太は一瞬隠れようかと思ったけどそれだと恵那がさすがに可哀想だと思い恵那の元に駆け寄った。
恵那は颯太が見えた瞬間颯太に駆け寄った。お互い駆け寄って近くまで来ると恵那が飛びついてきた。
「どこいってたの。起きたら颯太くんがいなくなって探したよ。」
恵那は悲しそうな顔をしていた。
「ごめんごめん。自販機でのも実物買ってたんだよ。」
「えー。ずるい。私も買う。」
「なら一緒に行くか。」
そう言って二人は自販機のところへ行った。
自販機に行って恵那は飲もものを買いそれを一気飲みした。
「恵那ちゃん豪快に飲むね。」
「だって寝たら喉乾いたんだもん。一気飲みくらい普通よ。」
恵那の飲みっぷりに颯太は少しだけ驚いたが寝たら喉が渇くのは共感できた。自分もそれで自販機で飲み物を買っていたので何も言えなかった。
その後二人は自販機を後にしてお弁当を食べた椅子に戻り荷物をまとめた。時刻は午後の3時ごろになっていた。そろそろ公園を後にして駐車場に戻ろうとしていた。
「颯太くんこのまま帰るの?このまま帰るのなんか寂しい。どこかいきたいよ。」
恵那はねだるような瞳で颯太に訴えてきた。颯太もその目に負けてどこか行くところを考えた。
少しだけ二人で考えていたら恵那からいきたい場所への提案があった。
「颯太くん。私カラオケに行きたい。久しぶりに颯太くんの歌声聴きたい。」
「カラオケか。俺も行きたい。久しぶりに行きたい。」
「やったー。颯太くんってカラオケそんなに好きじゃなかったよね?でもいいの?」
「俺むしろカラオケ好きだよ。結構言ってた方だと思うけどな。」
「そうだっけ?歌上手く無いからカラオケはあまり行かないって言ってた気がする。でもそんなの気にしなくていいや。颯太くんとカラオケ行くのが嬉しい。」
「僕もだよ。さあ行こうか。」
二人はそう言って車に乗り込んだ。颯太はさっきの発言が噛み合ってないことを少しだけ分析していた。これも転生前の記憶が今の世界の記憶に書き換えられていないものだと考えた。このことも上司に今度聞いてみようとも思った。
そして二人はカラオケに着いた。二人はカラオケに入り飲み物をとって曲を入れた。
最初に颯太が歌を歌った。颯太の歌声を聴いて恵那はおっとりしていた。曲がおとなしめでゆったりしていたので気分もゆったりとした気分になった。
「颯太くん歌うまい。普通に感動した。」
「ありがとう。次は恵那ちゃんの番だね。楽しみ。」
颯太がそういうと恵那はマイクを取った。恵那が入れた曲は今はやっているPOPの曲だった。この曲は難しいで有名でかなりアップテンポな曲だった。
恵那はその曲を難なく歌いこなしていた。
「恵那ちゃんめっちゃ上手だね。聞き惚れたよ。」
「ありがとう。でも私に元から惚れているじゃん。」
「そうだけどさ。こんなに難しい曲を難なく歌いこなすのすごいよ。惚れ直した。」
「そこまで言われるのなんか照れる。けど嬉しい。」
二人は互いを褒めあっていた。こんな調子で二人は曲を歌い続けた。
しばらくして二人はデュエット曲も歌った。二人で息を合わせて歌うデュエット曲は二人を思いっきり歌った。二人の仲の良さと大好きさが滲み出て暖かな空気が漂った。
二人は3時間くらい歌い続けていた。お互いに喉が限界に来ていた。
「颯太くんだいぶ歌ったね。次の曲で最後にしようよ。」
そう言って二人は昔はやったアニメの曲を入れた。それを二人で熱唱した。この曲はメッセージ性がすごく詰められており世代の人が聞くと感動と嬉しさで涙する人もいるくらいの名曲だった。
二人はこの曲を歌って懐かしい思いと心に沁みるものを感じた。
歌い終わった二人はお互いを見つめ合い手を繋いだ。二人でこの曲の余韻を感じ合っていた。
「この曲本当に好き。感動するし懐かしくなるしこのアニメを全部思い出すの。このアニメまたみようかな。」
「本当にそうだね。俺もこのアニメまた見たくなった。」
「うん。今度一緒にみようよ。」
二人はお互いに感想を言い合い帰る準備をした。カラオケはとっても楽しくて時間が経つのがあっという間だった。
二人が外に出ると周りは暗くなっていた。外の風が若干冷たく少し心に沁みたがカラオケで熱くなった体を冷やすのにはちょうどよかった。
そんな風を浴びながら二人は車に乗り込み家に帰った。
今回のお花見デートはとても楽しいものとなって二人とも充実していた。
「今日は本当に楽しかった。今度は二人でどこかお泊まりデートしたいよ。私颯太くんと外でお泊まりデートするの初めてだからさ。」
「それはいいね。お泊まりデートしようよ。どこか県外に出かけて少し遠くにデートしに行こうよ。」
「うん。楽しみ。」
車内では今度泊まりでどこかに出かけようとも話していた。二人で泊まりで出かけるのは恵那も初めてと言っていたのでとても楽しみだった。そのため普段の仕事も頑張れる気がした。
二人は家に帰るとお風呂に入りその後速攻眠りがついた。充実した1日を過ごし二人はいい感じと疲れに襲われてすぐに寝ていた。春の心地よい風が部屋の中に入っていき二人の睡眠も深いものとなっていった。




