これからもずっと
二人は夜道を手を繋ぎながら歩いた。夜空のなかに星が煌めきを放っている。大通りであったため比較的多くの人が歩いていた。それでも二人は周りの人は見えてなかった。
少し歩いていると恵那が道の曲がりを指差した。
「ねえ颯太君あっち通ろうよ。二人だけの道を歩きたい。」
颯太もその気持ちは一緒だった。
「うん。あっちを歩こう。」
二人は人影の少ない道に入っていった。
その道に入ると人が一人もいなくなっていった。一本違えばにぎやかな道なのにこの道はまるで異世界のようだった。
「ねえ颯太くん。私颯太君と出会えて本当に良かった。で相方が衝撃で私も前の世界の颯太くんとの関係もあってのがあったけど今はこの世界の颯太君が好き。」
「うん。俺も好きだよ。それ前も言ってるね。」
「うん。何回だっていう。もう颯太君と離れたくないもん。総理の話を聞いて思ったの。こうして幸せな時間を共有できるのって当たり前じゃないってこと。もしも急に颯太君がいなくなった世界は私考えられない。」
「俺もだよ。もしかしたらパラレルワールドに転生させて違う世界で生きることになるかもしれないけどそうなったとしても恵那ちゃんを愛することは変わらないと思う。」
「お、かっこいいこと言うじゃん。私もそうだと思う。今の颯太君しか考えられないもん。」
二人は歩きながら会話を進めている。道には誰もいなく該当のほのかに暖かな光が二人を包み込む。
「これからも颯太君とたくさんしたいことがあるの。前の旅行の時に行った遊園地にもいきたいしクリスマスもハロウィンも初詣も全部颯太君と一緒にしたい。もっともっと幸せを共有したい。」
「俺もだよ。恵那ちゃんとの幸せをたくさん共有したいしずっと一緒にいたい。」
そう言って颯太は恵那を抱きしめた。
「颯太君苦しいよ。でも嬉しい。」
「もっと抱きしめていい?」
「うん。」
二人はそのまま抱き合った。二人の暖かさが周りにも広がっていく。二人の鼓動が互いに聞こえあって二人の愛情が体に染み渡っていく。その暖かさは好きな人同士でしか味わえない感覚だ。体温的な暖かさではなく心、そして精神も温かくなる魔法みたいだった。
何分くらい抱き合ったのか二人は思い出せない。誰か来て守られたらとても恥ずかしいとも少しは思ったが誰も来ないと言う確信が二人にはあった。見渡すあたり颯太と恵那の世界。二人だけの世界にまるで飛ばされたかのようだった。
そして二人は再び歩き始めた。横に並び手を繋ぎ笑顔でまた話していた。
「ねえ恵那ちゃん。」
「ん?」
「これからも一緒にいようね。これからもずっと。」
「うん。これからもずっと。」
「恵那ちゃん。大好き。」
「颯太君。大好き。」
二人はそう言い合い互いの唇を合わせた。そして二人の脳内に幸せが流れ込んできた。
これからもずっと。出会いは衝撃で途中色々なことがあったけど二人はこれからも二人で幸せな未来を作っていくと誓い合った。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
朝起きたら彼女ができていた。完