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自作小説をなるべく低予算で古書(魔導書)っぽく、ハードカバー&革装丁……風の布装丁で自主製本するエッセイ 【病毒の王】/製作記(写真あり)  作者: 水木あおい
羽根ペン

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羽根ペン&ペンスタンド2 ~ペンスタンド・魔法陣~



 羽根ペンスタンドまで作る気はなかったって言ったら、信じます? (挨拶)



 ……というか、羽根ペンと、それに蝋燭と燭台も、本来の予定にはなかったんですけど。


 なんなら書見台もなかったんですが、"古書"が大型化した結果、支える台が欲しくなったので……。


 なので、なるべく手間を掛けず、予算も掛けず、それでいてなるたけ見映えがしつつ、作ってて楽しくて、雰囲気のあるペンスタンドを作ります。



 都合のいい事ばっかり言いやがって、と思う瞬間もあります。





・魔法陣デザイン



 多重連結型魔法陣っていいですよね。



 魔法陣に、魔法陣が繋がっていて、それがさらに次の魔法陣に繋がり、ラインが引かれ、繋がったそれを目で追っていく内に、循環し、二周目に入り、ラインをなぞる視線がスムーズになり、頭の中に魔法陣が浮かび上がっていく……。



 いいですよね。



 立体型とか、レジン製アクセサリーに封入とか、執拗なまでに多重連結していくとか、世界には素敵な魔法陣がたくさんあります。


 ちなみに「魔法陣」ではなく「魔法円/Magic circle」が正式だとか色々あるのですが、とりあえず魔法陣の響きが好きです。


 まあ魔法円も好きですし、設定によってはそちらを使う事もあるかもしれませんが、本製作記においては、呼称を「魔法陣」で統一します。




挿絵(By みてみん)



 魔法陣は、円を連結したり、三角や六角を混ぜ込んでいけば格好良くなると信じています。


 きっちりしないなら楽ですが、きっちりしないと転写するのが大変です。


 ……あ、印刷するなら心の赴くままに描いても大丈夫ですよ。


 ちなみに、この文字はあくまで配置のイメージで、つまり適当です。





・転写



 今回の魔法陣プレートは、12×12cm。0.5mm厚の黒厚紙です。


 高さと幅も合わせて、中心を取れば、後は計測して転写していくだけ。



 『だけ』。




挿絵(By みてみん)



 ……難しい作業ではないけれど、地味に面倒な作業ではあります。


 難しい作業ではないと言いつつ、実はちょっと間違えた。(3つある半円が少し違う)

 それはそれでいいよね、と思えたので書き直しはなし。


 "古書"の金具の模様彫りや、"書見台"の裏側の模様彫りでも使った、インクの切れたボールペンでガリガリと彫り込みます。





・塗装(魔法陣)




挿絵(By みてみん)



 まずは黒アクリルをメラミンでぽんぽんと。




挿絵(By みてみん)



 次にラインを金のペンで。


 線がガタガタするのは少しならリカバリーできるので気にしない方向で。




挿絵(By みてみん)



 ルーン文字とか書けば、だいたいガタガタとか気にならなくなる。(つまり本当はリカバリーなんてしてない)



 後は、ルーン文字やそれっぽい模様、魔法陣の中に魔法陣などを心の赴くままに金のペンで書き込みます。


 魔法陣の中の魔法陣は、あらかじめきちんとデザインしておこうかと思ったのですが、今回は手の動くままに任せてみる。


 ルーン文字は、だいぶ昔にフォント化してある……のですが、今回は手書き。


 本当に適当に書くのも大変なので、『病毒の王』のあらすじをルーンフォントに変換したものを書き写しています。





・ベース



 もしかしたら気付いた方もいるかもしれないのですが、素材はCDケースです。


 ある意味レア素材になりつつある今日この頃。


 CDケースは、実は正四角形ではないので、カッターと卓上ノコギリで縮めます。


 中身の、CDジャケットを入れる部分にプレートを入れるので、その部分は壊れないように気を付けて……。


 中身を入れる前に、特に裏側は綺麗に拭いておきます。




挿絵(By みてみん)



 端はマスキングテープで固定。


 マステですが、仮止めではありません。『紙テープ』に近い使い方。


 ちなみにCDケースをそのまま利用できるようにすると、中身のプレートの入れ替えでデザインをがらりと変えられます。




挿絵(By みてみん)



 謎の黒厚紙(薄め)を、細い両面テープとスティックのりで貼っていきます。


 これでまず、四方向をカバー。


 背面にも大きな正四角形に切り出した紙を貼ります。





挿絵(By みてみん)



 四隅に、三角の黒厚紙(0,5mm厚)を追加。


 "古書"の四隅の金具と同様の紋様を刻んでいます。


 グルーガンで黒グルーをなすりつけるようにして、さらにクッキングシートとコテを使って、隙間を埋めます。





・オマケ




挿絵(By みてみん)



 工程としては、一つ前。


 雰囲気ある写真が撮れたので。



 ……この写真に限りませんが、めっちゃ反射しますね。





・羽根の切り出し




挿絵(By みてみん)



 実際の羽根と並べてなんとなくサイズを見積もる……。


 スタンドの『金の羽根』に使っているのは、トレイの側面部分ですね。(トレイの底部分はペン先になっています)


 少し曲がっていて、その曲がり方が、本当の羽根のようで気に入ったのです。



 ……曲がっているせいで、切り出す・切り抜くのが大変だった。





挿絵(By みてみん)



 とりあえずハサミで頑張って切り出します。


 ……余談ですが、左上のメモ書きには「~にいい感じに」と書かれていまして。



 なんてアバウトなメモだ。





挿絵(By みてみん)



 中身は彫刻刀(切り出し刀)やカッターを使って切り抜く……。


 細かい……つらい……。


 先端にも、目打ちで穴を開けておきます。





・木の成形



 スタンドに生えている木は、グルーで出来ています。 




挿絵(By みてみん)



 グルーを信じろ。グルーを信じればなんとかなる。(洗脳)


 クッキングシートの上に、グルーガンで欲しい形を絞り出しなさい。そうすれば救われます……。(布教)




挿絵(By みてみん)



 グルーガンでグルーを盛りつつ、木らしく成形していきます。


 さらに、針金にマスキングテープを巻いたものを、羽根ペンを支える部分に。

 ここもグルーを盛る。


 ここで、切り出した黒プラの羽根もぶっ刺しておきます。


 さらに、黒厚紙(0,5mm)の葉っぱを切り出して、グルーで接着……。




挿絵(By みてみん)



 ベースにグルーで固定したら、後は塗装!





・塗装



 塗装前に、黒プラの羽根や、グルーの木の表面を、紙やすりで軽く荒らしておきます。

 コピー用紙やマスキングテープで、魔法陣プレート部分のマスキングはきっちりと。



1、水で薄めた茶アクリルを、メラミンでぽんぽんと。全体にしつつ、一部を濃く。


30分ぐらい乾燥


2、水で薄めたメタリックペイント(ゴールド)を、メラミンでぽんぽんと。


30分ぐらい乾燥


3、だいぶ水で薄めた黒アクリルを、メラミンでぽんぽんと。全体に。


4、コーヒー液に混ぜたアンティークメディウムを、布でぽんぽんと。("古書"と"書見台"であまったやつ。"ろうそく"と"燭台"と一緒にやる)


30分ぐらい乾燥



 ……今までと、特に違った所はないですね。(というかほぼコピペ)




挿絵(By みてみん)

3、だいぶ水で薄めた黒アクリルを、メラミンでぽんぽんと。全体に。



 塗装風景。ほぼ仕上がってます。





・チェーン



 赤と青の宝石がぶら下がっている鎖です。


 細いチェーンとか好きなんですよね。



 これ、『(チェーン)』ではないんですけど。



 ……こんなんばっかですね。


 細くて、繊細なチェーンを使って、さすがに宝石とは言いませんが、綺麗なビーズをぶらさげたい気持ちはあるんですけど。


 ……作業の追い込み時期だったのもあり、新しい技術を試してみたい気持ちもあり、追加予算がない事もあり……。


 今回はありものを使ってでっちあげるという選択肢を取りました。




挿絵(By みてみん)



 『チェーン』は、黒の縫い糸を四つ編みで。


 穴に二本の糸を通せば、四本の糸を編めるので、それを編み編みして、適当な所でくるりと結ぶ。


 なお、本とにらめっこしながら。


 ……調整が多少手間ですが、編むのは楽なので、三つ編みでもいいと思う。




挿絵(By みてみん)



 宝石は(も?)、グルーで出来ています。



 クッキングシートに透明(というか乳白色)グルーを、グルーガンで垂らして硬化させたもの。


 青い方は、ラッカー系塗料の蛍光ブルーで。つまようでちょいちょいと塗装。




挿絵(By みてみん)



 やっぱりグルーで接合。

 『接合金具』……っぽく見える所は、黒グルーで固定して、クッキングシートを押し当てながらコテで平たくしたのち、カッターで切り取ります。


 糸と同時に、本体と同じ金の塗装を。





・完成




挿絵(By みてみん)



 完成!



 しみじみと噛み締める。


 ラフがあったのですが、逆に言えばラフしかなかったので、全ての作業が行き当たりばったりだった……。


 ……噛み締めるところが違うかもしれません。





・費用



 費用は……。

 費用、は……。




 50円ぐらい……?




 古いCDケースや、ストックの(多分買ったものではない)厚紙、お総菜のトレイらしき黒プラ板、ストロー、少量の糸に塗料……などなど、(計上なし)になるものばかり。


 唯一費用に計上されるべきはグルーなのですが、グルースティックの使用本数も数えてなかったので不明。疲れてたんだきっと。


 でも10本(1本5.5円)より多く使ってる気はしない……。



 お金以外の何かを、とんでもなく使っている気はするんですけど……。(人間性とか)



 作ってて楽しかったから、いいのかな……。




 次回は「あとがき」で、軽く振り返りです。




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このエッセイを読んで原作に興味が湧いた方は「病毒の王」もよろしくお願いします。

― 新着の感想 ―
[良い点] 病毒の王のあらすじをルーンフォント…。 つまり、この素敵魔法刻印の中に「メイドさん付きの屋敷」って文言が存在するのか…。 [気になる点] はたして、起動したこの刻印は何を召喚するのだろう…
[良い点] ルーン文字で書かれた『病毒の王』のあらすじが掛かれているって事は、魔法陣の中に「目標、人類絶滅」とか書いてあるわけですね 隕石降ってきそう [一言] 今回だけで何回「グルー」という単語が出…
[良い点] 枝から宝石、土台接合グルーの万能感あふれる回。 マスキングテープもいい仕事してます。素材の変化が楽しい。魔術というかある種の錬金術のようです。 [気になる点] ではルーン文字の部分にはエル…
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