ろうそく&燭台1 ~ろうそく~
実を言うと、ろうそくを自作しようとは思っていなかったのです。(挨拶)
不意に、ろうそくが欲しいな……鉄製の皿っぽい手持ち燭台に載ったやつ……と、妙に具体的なビジョンが浮かぶ。
『病毒の王』の作中に蝋燭&燭台が登場しているので、作中アイテムと言えなくもない。
でもイラストとかはないので、とりあえずラフを描いてみる……。
・ラフ
だいたいこんな感じ。(※数字は初期のものなので適当です)
よし。ナイスファンタジーろうそく。見たい。
自分がそれを『見たい』と思えれば、だいたい完成します。
……見たいと思った物が、すぐに完成する物ばかりならよかったのですが。
・いつまでも当たり前にあるものなんて何一つないんだという事を噛み締める
まずは、『買おうか迷ったけど、その時は使う予定がなかったので買わなかった』、少し大型のろうそくライトを求めて百均へお買い物に。
………………?
…………。
……。
……ない……。
百均に定期的に通っていると、お気に入りの商品が棚から消えるのもよくある事……。
今回は買ってすらいませんが、お気に入りの商品が売り場のスペースごと消えていると悲しい。
常連ではあっても、太客ではない悲しみ。
たまに「復活」する事もあるのですが……。
他の店舗だと見つかる事もあるのですが……。
……仕方ない、欲しかったのとはサイズが違うけど、ストックを使おう。
小型の方は買ってあったんですよね。
ゆらゆらするライトを見るだけで楽しかったし、以前"羽根ペン"を作った時は照明にもなってくれました。
……でも、見た目がシンプル。
なんてものたりなさ。
点灯させると風情があるのですが。
それでもやっぱりこう……プレーンヨーグルト感。ジャムとか欲しい。
……デフォルトより、細く&長くしたいな……。
『ガワ』を工夫したいので、内部機構はなるべく小さく収めたい。
長さはいい。不便でもいいなら、いくらでも延長できる。
でも細さは?
……内部機構を、知る必要がある。
・分解
とりあえずフタを外してみて、中身を眺める。
ここがこうなって……こうなって……。
……どこがどうなってんの?
……よく分からなくなったので、とりあえず分解してみる。
大丈夫。電子工作漫画は読んだ。
幸い、単純な構造なのでドライバー1本で分解できます。
電子工作の知識?
……豆電球と電池をコードで繋ぐと……光る……。
・構造
バラしてみると分かる事もあります。
発光ダイオードから、片方はボタン電池の-面とほぼダイレクトで常時接続されていて、もう片方はスイッチを入れると+面と接触し、電流が流れる……と。
……よし、電子工作知識、豆電球レベルで足りそう。
・延長
あふれ出る『なつやすみの工作』感。
夏休みに電子工作をした思い出はないのに、なぜだか懐かしい。
まず、銅の針金の表面をカッターナイフで剥がします。
次に、銅の針金と発光ダイオードを、アルミホイルとビニールテープで巻いて、接続。
完成!
ろうそくにあわせて、長さは針金を曲げて調整。
針金だけでは、押し込んだりする時に頼りないので、つまようじで支えます。
この後、ビニールテープで巻いて固定する。
……この延長部分は、予算外でいいですよね。
・ろうそく本体
今回は、ろうそく……つまり、「半透明で」「どろっとした」何かが作りたいわけです。
つまり、グルーの出番だ。(短絡的)
グルーという素材は、幅の広さが魅力です。
接着に使う基本技から、今回のように、構造体を作るような応用技まで。
全ての加熱手段が、グルー術の武器ですとも。
まず、今までのクラフトで余ったグルー(半透明)を、まとめてクッキングシートで挟んで、アイロンで溶かします。
板状になったのを切り出して……。
ラップの芯にクッキングシートを巻いたものに、切り出したグルーを、コテで溶かしながら巻き付けて、グルーガンで追いグルー……。
(※注意。溶かす場所によっては結合が解けます。時間を置いて硬化させながらやりましょう)
(※↑の注意書きは実体験です。私のようにはなるな)
筒状に成形できたら、ラップの芯から取り外す。
バランスをチェック。
……ランダム感が売りの製法なので、正しいバランスなんてないのかもしれない。
余ったグルーを板状に成形した、さらに余りを、もう一度、クッキングシートで挟んで、アイロンで溶かします。
それを丸く切り出して、筒の上に載せて……。
バーナー(料理用)で炙って溶かす。
片手にバーナー、片手にカメラを持つのは難易度が高いので、写真写りがよくない……。
でも、写真では、グルーが既に溶け始めているので、多分もう1、2枚いい写真を撮ろうとしていたら、作業は失敗だったと思います。
余談ですが、下の金属板はおせんべいの缶の蓋。
この缶は"古書"の本文を沈めたやつと同じ物で、なんだかんだ金属の缶が貴重なので、便利に使われる。
まだ熱いうちに、さらにグルーガンで、ろうそくが熱に耐えかねて溶け出したようにグルーを盛る。
当然ながら、側面とかガッタガタなので、今度はろうそくを持ち出しましょう。
ろうそくを作るのにろうそくを持ち出すのっておかしくない? と思いつつも、安定したピンポイントな火を提供できる道具は、私の手持ちの中ではろうそくしかなかった。
軽く炙って溶かして、なめらかにしていく……。
なめらかに……。
して、いく。
途中、で。
……火を近付けすぎてススまみれに。(泣)
そっかー、ろうそくの火ってススが出るのねー。
畜生、文明に飼い慣らされた惰弱な現代人め……。
心の中で、そんな当たり前の事も分からなかった自己の愚かさを見つめてため息をつきながら、ススがこびりついた部分をカッターで薄く削って、もう一回ろうそくで炙る。
……やらかすと、次は気を付けるようになりますよね。
人は、そうやって賢くなると思うんですよね。
私は、多分また違う形でやらかすと思うんですけどね。(ひとつ賢くなった)
次回は「ろうそく&燭台2 ~燭台~」です。
そんなにはやらかさない。
多分。