~キミの笑顔~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
、、、今までにないぐらい心臓がバクバクしてる。こんなの成瀬にバレたら恥ずかしいよ、、、!
「と、とりあえず席を動かさないと、、、」
そう思った時。
「痛っっ!」
私の小指が自分の机と友達の机に挟まれた。その友達とは、、、
「夢、、、。」
「あ、ごめんねぇゆこちゃぁん。挟んじゃったぁ。」
「う、ううん。大丈夫、、、。」
そう言ったら、
「人気な男子3人がいるからってうかれてるんじゃねぇよ。」
そんな言葉が夢から聞こえた。
この子は姫野夢。夢は颯太のことが好きで、颯太と仲良くしている女子にいつも暴力、暴言を吐いたりしてる。まぁ言っちゃえば「いじめっ子」、、、ってやつ。
だから私はあまり好きじゃない。
「はぁ、、、」
成瀬と一緒になれたのは嬉しいけど、こうなるのもやだな、、、。
「ゆこ。大丈夫?」
そう声をかけてくれたのは私の後ろの席にいた、照。
「大丈夫。気にしないで。」
ほんとは小指痛いけど、こんなことで迷惑をかけたくない。
とりあえず私は机を移動させ、席に座った。
「はいじゃあ班体系にして、バスの席を決めてください。」
私達は班の形にする為に、机を向き合わせた。
成瀬が正面に見えるから、やっぱり緊張する、、、。
「じゃあ席決めよっか。ここがいいとかある人~」
颯太の質問に私は手を挙げた。
「はい、ゆこ。」
「えっと、バス酔いしちゃうから前の方がいいかな、、、って」
「じゃあゆこは前確定でいんじゃね?」
照が言う。
「うん。ゆこは前にしようか。じゃあ、隣になるペアだけど、どうやって決める?」
「グッチョッパとかでいんじゃん?」
と、成瀬。
う~、、、成瀬はそういう「運」とかに任せるのか、、、
「いいんじゃない?」「まぁバス席そんな重要じゃねーし」
と、みんなは賛成する。
「私も、いいと思う」
まぁ、たまには違う人と隣になる方がいいか、、、。バスだし、いいよね。
「じゃあいくよー。」
「グッチョッパーでわかれましょ」
結果は、、、
ひな&玲央、颯太&成瀬、ゆこ&照
、、、だった。
あぁ、、、やっぱそう上手くは行かないよね。しかも照と隣かぁ、、、あんま話せないかも、、、。
照とはあまり話したことがなかったから、ちょっと残念。でも、友達の輪を広げるチャンスだよね。
「よし、照とゆこは席決まりだな。真ん中か後ろか決めよーぜ」
と、楽しそうに言う成瀬。
やばい、、、名前言われただけでドキドキしちゃう。困った、、、。
結局席は、前から ゆこ&照、成瀬&颯太、ひな&玲央という順番になった。成瀬が1番後ろになるよりはマシだよね。
「席決まったかー」
という先生の声が聞こえた。次々に生徒が「決まりました」と報告しに行く。
「俺行ってくるわ」
颯太がそう言って席を外した。残った5人の間に会話はない。
、、、よくよく考えたら大丈夫?この班、、、。もっとワイワイしたいんだけどな、、、。
「ういしょ」
颯太が帰ってきた。それと同時に聞こえる先生の声。
「じゃあ全班決め終わったから、次は係決めるぞ~、、、」
係を決めた結果、班長が颯太、計画が照、学習がひなと玲央、保険が私、美化が成瀬になった。
保険は健康観察してそのカードを届けに行くだけだから、割と楽そうで良かった。
3時間目が終わるチャイムがなって、私達は号令を済ませたあと席を戻し、4時間目の準備を始めた。
4時間目は、それぞれの担当の係の教室に行ってそこで活動をするみたい。
班長は3年A組、計画は3年B組、学習は多目的室、保険は保健室、美化は3年C組に移動することになっている。
今考えれば学習とか楽しそうだな、、、((
そんなことを思いながら、私は筆箱としおりと学級ファイルを持って教室を出た。
保険室に着いた時にはまだ誰も来ていなくて、私は教室の前で待っていた。
「お、ゆこも保険係?」
そう話しかけてきたこの男子は、岩坂圭。通称けいちゃん。私もそう呼んでる。
「そうだよ。けいちゃんも?」
「うん。俺もだよ」
けいちゃんとは何回か遊んだことがあったから、普通に話せる。とりあえず話せる人がいて良かった。
その後保険の先生が来て、私とけいちゃんは教室の中に入った。
「私この保険室のにおい好きなんだよね。なんか落ち着く。」
「わかる~俺も好きなんだよな。」
みんなもそう思わない?私は小学校の保険室も落ち着くから好きだよ。
そんな会話をかわしていたら、他の保健係の子達も次々に入ってきて、私とけいちゃんの会話はそこで途切れた。
4時間目が終わり、みんなそれぞれの教室に戻って給食の準備をしていた。今週の当番は4班。今日は5日だから、確か唐揚げだったはず。
私はウキウキしながら手を洗いに行った。
給食中。みんなで向き合ってお話しながら食べる。私はいつもどうでもいいことばかり考えているけど、、、
今週4班ってことは修学旅行の週は6班、つまり私達の班。だから、修学旅行の配膳は実は私達がやるんだ。っていっても、もちろんクラス分だけど、、、
そんなことを考えながら、私はご飯を食べた。
その後も特に成瀬とも進展はなく、今日が終わった。
ーーーー1週間後ーーーー
「じゃあきちんと話し合っておいてください。」
「はい。」
私達が今いるのは多目的室。3年C組の正面にある教室だよ。
修学旅行で、保険と美化の人が協力して温泉のあと片付けや掃除をするんだって。あと、最終日には部屋のチェックとかもするらしい。
だから、そのチェックする場所の分担を今しているってわけ。
温泉はもちろん男女別だから、私と成瀬は一緒になれない。でも部屋は班別で確認するから、一緒になれるんだ。こっちも男女別の部屋だけど、班ごとに部屋がかたまっているから、成瀬達の部屋は私達の部屋の隣。
、、、なんか色々聞こえちゃいそうで怖いんだけど、、、。
まぁそんなことは置いといて、分担を決めないと。
チェックするのは、布団、忘れ物、部屋全体、トイレ、玄関、洗面所。最後の4つは、汚れがないかを確認する。
「成瀬はどうしたい?やりたいとことか、、、まぁ無いか。」
「うんやりたいとこは無いな。逆にあると思ったのかよお前、、、」
「え?あああ違うよ!なんか、、、ノリ!ノリで言っちゃっただけだから」
やばい!変な人って思われちゃったかな!?
そう思っていたら、
突然成瀬が笑いだした。
、、、なんで笑ってるの?
「お前おもしれぇな。なんだよノリって笑ノリだとしても酷いぞ笑」
「え、ああごめんって!悪気はないから!もちろん!」
「はいはいもういいから笑」
、、、成瀬がこんな笑ってるの、、、初めて見た気がする、、、私といる時あんまり笑わないのに、、、
「そんじゃさっさと分担しよーぜ。、、、あ、いいこと思いついた!分担面倒なら一緒に見て回ってもいんじゃね?俺ちゃんと見ないだろうし笑」
「え!?いいい一緒に!?べべ別にいいけど、、、」
ていうかむしろそうさせてください!!!
「じゃあそうするか。よーし決定~。っつーかちゃんと綺麗にしとけば見る必要なくね?」
「いやちゃんと綺麗にしてるか不安だから見るんでしょ、、、」
「あ、そうか、、、。」
「あはは笑これやる目的わかってないでしょ笑もう~」
「全然わかってなかったわ。」
そんなくだらない会話でも、私は話せるだけで幸せ。
なんか、今日1日いい気分で過ごせそうだな。
私はそんなことを何日も思い続け、ついに修学旅行当日を迎えた。
皆さんこんにちは!ゆちゃです!
今作も見てくださり、本当にありがとうございます!✨
今回の注目シーンは、ゆこと成瀬の距離がグッと縮まった場面。ほんとに私の妄想が止まりませんでした笑
自分と好きな人が2人きりだった時に、たわいもない話で好きな人が笑ってくれるのは嬉しいですよね。私もこんなことされたら、顔真っ赤にして笑うと思います、、、。
さあ、次作ではついに修学旅行がスタート!
成瀬に振り向いてもらうために、一生懸命頑張るゆこを応援してもらえたら嬉しいです♡
、、、しかし、ここでゆこと照の距離に変化が、、、!?
次作は修学旅行の日と同じ、15日に投稿予定です!お楽しみに。