軍人狩リ
死の足音から、元軍人、現在無血縁無財産のホームレスであるところの、元陸軍将校、葛城公道は逃げる。染だらけの茶色の背広と、路地裏の石畳に溜まった雨水を吸い上げびしょびしょになったよれよれのスーツズボン姿で。路地を抜けた先、干は子供の遊び場、真夜中に神仏不在の闇市と化す公園の中央、GHQの財力によって生まれた噴水の噴水口の真上には、黒い燕尾服を身にまとい、蒼白なな顔面、戦時中には在り得ない長さの黒髪を持つ、しかし総統に優れた容姿を持つ執事のような男が立っていた。風も無い静けさのなか微動だにしないため、アメリカのカラー写真のように見える。
「なんなんだよ、あんた」
「ですから、初めに申し上げたでしょう、あなたの名前が死亡者リストに載っているのですよ、返り血をたっぷり浴びた軍服姿の写真と一緒にね」
「うそだ、助けてくれ、私は無実だ!!マッカーサーだって俺を罰さなかった!!!!」
「事実ですよ、満州・朝鮮地方における、合計百万人規模に上る住民の大量虐殺、インサイダー取引による戦犯容疑の免除、よほど死にたくないのですね、貴方」
「なんてことだ、絞首刑ではなく鬼神による残虐系に処されるとは!!!!」
「私は邪神とはいえ神にございます」
「は、ああああ、済まない、上からの命令だったんだ、罪もない、ピストルも持ってない人々を殺すなんて、私は何度もためらったんだ!!!!」
「謝れば許されると思っているのか?」
「は・・・・!!」
公道のの来た道と同じ道、つまりは彼の真後ろから、一人の小柄な少女が現れる。富裕層の娘のようであり、容姿にも優れている。髪はあの執事異常に長く、太ももにかかるほどである。重くはないのだろうか?
「百万人分、苦しめろ」
「御意、小皇帝(マイロ−ド)」
「は、ああああああああああ!!!!!!!!!!!」
発狂したホームレスの老人は、奇声を挙げて成功率はまず零パーセントの闘争を開始する。
「なんて汚らわしい」
「うにゃあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
「では、行って(逝って)らっしゃいませ、お客様」
闇の夜、死の夜、雨天の極夜、それは、人より尊く、神より穢れた存在による、正義
(主人)の為の殺戮だった。
まず人間ドラマと情景描写を中心に勉強しているところです。今後ともよろしくお願いします。