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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ゆりすいの夏休み

作者: EKDA

今日も今日とて、夏休みにも関わらず学校へ向かう。彼女がいなければ、わざわざこんなに暑い中、行きたくもない学校へなんて絶対に行かない。

校舎に入っても涼しくはならず、むしろ風がないぶん余計に蒸し暑く感じる。それでも重い足を進めるのは会いたい人がいるから。

目的の部屋の前にたどり着く。部屋に入れば涼しいのに、彼女に会えるのに、なかなか扉が開けられない。いつも会っているはずなのに、会うたびに緊張してしまうのは、鼓動が速まってしまうのはどうして。

それでもずっとそうしてる訳にはいかないから、勇気をだして扉を開ける。その瞬間に室内の冷気が熱くなった体を冷ましてくれるた。……はずなのに、どうしてか再び火照ってくる。たぶん原因は目の前に彼女のせいなんだろう。女の子なのに格好良くて、だけどやっぱり可愛くて。普段はいつも気だるげなのに、好きなことにはとことん一生懸命で、そこがやっぱり格好良い。

部屋の机に座っている姿は、行儀が悪いのにやっぱり見惚れてしまう。


「あ、やっときたね。待ってたよ。」


彼女は何の気なしに言ってるんだろうけど、その声は私から冷静さを奪い去る。彼女は構わず話しかけてくる。私はどう話したら良いかぜんぜん分からない。頭のなかはとっくのとうに真っ白。いつもはどうやって話してたっけ。彼女が何かを話しかける。私はそれにおどけて返してみせる。彼女は笑顔を見せる。ああ、これで良かったんだ。間違えなくて良かった。ようやく私は安心する。これは本当の私ではないのかもしれない。だけど彼女が笑ってくれるなら、その笑顔が見れるなら、私は本当の自分なんて見せなくても良い。いくらでも役を演じられる。

だけどいつかは、本当の自分で話したい。本当の自分てして隣にいて、一緒に、いつもみたいに、笑っていたい……な。

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