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プニプニとした感触の頬をつつくと、リンゴのようなその物体は、パァーと輝く瞳でこちらを見た。
『僕をお越してくれてありがとう』
人気のあるアニメ声優のようなイケメンマックスな声をするリンゴ。
この場合リンゴのような物体が話してるとか、突っ込みどころはたくさんあるが、今一番の突っ込みどころは。
「ちょ、ちょ、ちょっと、これって書いた人を死に陥れるノートじゃないのー?」
そう、この黒ノートの表紙に書いてあるローマ字…、これは間違いなくあの有名なノートではないのか?
そして、これに触れれば死神が目の前に現れると言う話では?
『はぁ?何言ってんの?』
リンゴのような物体は体の中から、人間の手らしきものを出して、顔をポリポリと掻き出した。
『あの有名なノートだと思ったのー?そ・れ・は僕の策略さ』
さっきからイケメンだと思っていたこの声は、イケメン声優にランクインされてるK氏にそっくりな声ではないか!
こんなイケメンな声なのに、この可愛い容姿…。
そんな姿に翻弄された私は。
何これ?
私さっきまでリア充たちにイライラしていたんじゃなかったっけ?
そんなこと、すっかり忘れてしまった。




